2014.6.14

最初に、中川八洋氏の中川草案前文を引用します。

日本国民は、祖先より相続した美徳ある自由の満ちる祖国が、未来悠久に存続するために、世襲の義務を果すことを決意して、主権を喪失した占領下に制定された「日本国憲法」を改正し、ここに新しく憲法を制定する。
(赤字ブログ管理人)
中川八洋『国民の憲法改正』、ビジネス社、13頁

この前文は、保守主義の観点からみて真に正しく、一切非の打ちどころはないものです。
ただし、ブログ管理人は、違った観点から、二つの弱点があると思います。

第一に、中川氏の著作(特に保守思想関連の著作)を読んでいない人は、“世襲の義務”が非常に理解しにくいです。ブログ管理人の偽りのない体験ですから、この指摘は的を射ていると思います。“世襲の義務”の概念を把握するために、何度も読み返さなければなりませんでした。

第二に、現行憲法には、国民主権・基本的人権の尊重・平和主義の3大原則があるとされますが、保守主義の憲法原理のうち「世襲の原理」の1つだけで3大原則に対抗するのは難しいと思います。
この三大原則は、曲学阿世の宮澤俊義(当時、東京大学法学部教授)らが唱えつづけて、その弟子らが憲法学会の主流になったことで原則となりました。この原則は、理論化され教育現場でも普及しているので、これを排することは容易でありません。

そこで、ブログ管理人は、憲法改正私案(以降、私案)の前文をつくることにしました。三大原則を放逐するために、どのような工夫をしたのか説明します。

私案の前文
日本国民は、古から天皇を戴き、祖先の叡智を遵奉し、幾十世代の祖先が築き上げた美徳ある自由を相続している。
それゆえ、我々は、これらの伝統と慣習を堅く守り、未生の子孫に継承する。
日本国民は、我々の祖国が未来悠久に存続するために、この世襲の義務を果たすことを決意して、主権を喪失した占領下に制定された日本国憲法を改正し、ここに新しく憲法を制定する。


まず、憲法の最高目的は、「国家永続の生命源」と「美徳ある自由」の擁護にありますので、この2大目的を害する用語は、前文から完全に除きます。
その上で、「世襲の原理」だけでなく、「時効の原理」「法の支配」の三大憲法原理をすべてを前文に入れます。単純な策かもしれませんが、「3vs3」という構図のほうが分かりやすくなります。

また、前文冒頭に、祖先という言葉を連続させて“祖先への崇敬”を表しつつ、「古から」を使って<時効の原理>を、「祖先の叡智を遵奉」を使って<法の支配>と、それぞれ日本人に沁みる言葉を選んでみました。さらに、伝統と慣習の継承を訴えて、「世襲の義務」の概略が自然と頭に入るようにしました。

厳密に言えば、「世襲の義務」を拡大解釈していますが、「世襲の原理」「時効の原理」「法の支配」は不可分の関係でもあり、それを周知させる意味もあります。仮に、「法の支配」が無くなれば(皇男子孫による皇位継承などが無くなれば)、「世襲の原理」もたちまち存在できなくなりますし、「時効の原理」が無くなれば「世襲の原理」は雲散霧消するからです。
このように、三大憲法原理を用いて、三大原則の概念を徹底して消し去ることにしました。これは前文に限ったことではなく、私案全体を貫く柱でもあります。

ちなみに「三大憲法原理」とは、ブログ管理人の造語です。一般化していませんのでご注意ください。
 
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