2014.5.10

憲法において、必ず受容すべき憲法原理があります。その一つは、エドマンド・バークの「時効の哲学」に基づく「時効の原理」です。 (刑事事件の「時効」とは別物です。)
 

中世思想から「法の支配」という近代憲法の原理をつくった英国は、この「目に見えない」思想を保守・維持するにとどまらず、中世封建制度という「目に見える」制度もこれを保守・維持することを実践してきた。今も実践している。……「生きた思想」が「生きた制度」を欠かすことができないことは、一般に健康な心(精神)が健康な肉体に宿るといわれる格言に似ているかも知れない。思想と制度は、車の両輪であり、片方を欠いては車は走らない。
中川八洋 『正統の憲法 バークの哲学』 76〜7頁

君主制/貴族制/国教会制は、英国憲法の基本政策として自生的に、かつ今を過去につなぐ連続性において発展してきたものである。が故に、改革や変革の手を加えることは、修理し保守することを除き、厳格に阻止されるべきである。このような思想がバークの「時効の哲学」である。
上掲 83頁


以上から、ブログ管理人は、「時効の原理」を次のように理解します。
“「時効の原理」とは『古(いにしえ)から続く制度は、幾十世代の祖先の智恵の堆積の上に成り立っている、だから正しくないはずがないとする原理』である。”
更に言い換えるとすれば、“ものすごく長く続いた統治機構は、道理にかなっている素晴らしい制度と認め、改廃することを禁止すべき”という考え方です。
日本の例として、まず天皇(皇室)があります。公家制度も「時効」であり、武家制度は平氏・源氏から続いたので「時効」に該当します。また、神道や仏教は、国家の統治機構と深く関わったきたので、それらの関係する制度は「時効」と言えるでしょう。

統治機構とは直接関係ありませんが、1300年の歴史がある伊勢神宮の式年遷宮は「時効の原理」と同じような特徴があります。式年遷宮は、20年ごとに内宮・外宮を作り変えて神体を移しますが、現世代が経済効率だけを考えれば合理的ではありません。しかし、その20年ごとに作り変えることが、単に“技術”の伝承だけでなく“心”の伝承に貢献したことは想像するに難くありません。
“長い歴史がある制度は、道理にかなっていますので、改廃は必要ありません”

天皇(皇室)は、古より続く「時効の国柄」ですから改廃されてはなりません。また、公家や武家も「時効」ですから、逆に復活が議論されて然るべきと考えます。
拙ブログの憲法改正私案は、「時効の原理」を活かしています。

 
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