2014.5.8

自民党は、平成24年4月27日付で、日本国憲法改正草案を決定し、発表しました。

自民党「日本国憲法改正草案」
 

総選挙前で選挙へのダメージも予想されましたから、その姿勢は称えられて良いでしょう。
政権を奪還し、現在自民党は政権与党ですから、この憲法改正案は今後の憲法論議に少なからず影響を与えるものと考えます。そこで、この改正草案について改めて保守主義の立場で批判したいと思います。(シリーズ化を予定しています)

ブログ管理人が、自民党憲法改正案を仔細に読んだ印象は、「不適切」に尽きます。
憲法の二大目的とすべき「国家の永続」と「美徳ある自由」について、体系的に議論した様子が窺えません。「家族の尊重」「緊急事態」などが盛り込まれたことは率直に評価しますが、排除すべき概念を残しており(むしろ積極的に残している)、その点が非常に残念です。
「国民主権」「人権」「平等」「平和主義」「民主主義」などの危険な概念が、ほぼ完全に残っています。現行憲法第9条改正に着手していることは評価できますが、「平和主義」は、ある意味改悪で、自民党改正草案には、「平和」「国際平和」「平和主義」の文字が踊っています。現行憲法以上の6か所に及びます。
さらに「環境権」「知る権利」など左翼が喜んで悪用しそうな権利が追加されています。また、基本法で対応すべき「犯罪被害者への配慮」なども盛り込まれて、権利の大バーゲンです。
また、すでに国政の大きなテーマとなって久しい「参議院の独自性」に何一つ“提案”がありません。

加えて、国民の合意形成に配慮するばかりで、なんとか弥縫策で収めようとする姿勢が透けて見えます。憲法は国家の根本規範であるという強い意思が感じられません。国民の目をそらせようとするより、もっと堂々した憲法草案を提示したほうが、国民の心に響くのではないでしょうか。
なお、保守とは「何が何でも漸進主義」と思いこんでいる人がいますが、伝統や慣習を著しく損ねている現行憲法を、大胆さや勇気無くして正しい姿に戻すことはできません。保守主義とは決して「みんな仲良く穏便に」という思想ではありません。保守主義とは、真正な自由を守るために戦いも辞さない強い思想なのです。
 

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