2018.7.16

 

前回の続きである。

 

2.英国が離脱することで、連鎖離脱が起きかねない

 

まず、欧州極右の共通点を考えてみる。

 

以下の引用が端的にまとめてある。

 

欧州の極右政党がドイツに集結。トランプ旋風が欧州にも吹くのか?
https://www.excite.co.jp/News/world_g/20170127/Harbor_business_127039.html?_p=2

 

結束する欧州の極右政党

 そんなヨーロッパ市民の不安を代弁して支持を集めたのが極右政党である。彼らの共通した政策は次のようなものである。

●不法移民の本国への送還。
●シェンゲン協定を廃止して、欧州連合の間でも国境を復活させて、不法移民の流入を防止しコントロールする。
●ユーロ通貨を廃止して経済格差の是正をする。
●欧州連合を解体させて各国が国家の尊厳を取り戻す。


「反・イスラム」や「反・移民」ばかりに目が行きがちであるが、欧州極右に共通するのはEU解体である。

 

ここで改めて、最近のロシアと極右政党の蜜月ぶりを確認する。

 

・2014年、クリミアでロシア編入の是非を問う住民投票が行われた際に、多くの極右――国民戦線、ヨッビク、フラームス・ベランフ、オーストリア自由党、北部同盟――の党員らがオブザーバーとして参加した。
・西側諸国が国際法違反と非難するなかで、住民投票を正当化する役割を果たした。
・英国のイギリス独立党(UKIP)のナイジェル・ファラージ党首(当時)は、テレビ討論の中で、EUはウクライナにEU加盟をちらつかせてプーチン大統領を挑発した責任があると語った。

以上、出典が確認できていないが、かなりの確度で事実と思われる。

 

ここに名前が挙がった極右について、個別に考えてみる。

 

(1)国民戦線(フランス)
・2017年1月、当時党首のルペン(創設者)は、ロシアのクリミア併合を擁護した。
・2014年、国民戦線は資金難に陥りロシアの「チェコ・ロシア第一銀行」から900万円ユーロ(約11億円)の融資を受けていた。
現党首のマリーヌ・ルペンは、フランスのEU離脱だけでなく、NATOの存在意義にも疑問を呈している。

 

(2)ヨッビク(ハンガリー)
・反米親露が基本方針。
EUからの脱退。
・党首が反ユダヤ主義

 

(3)フラームス・ベランフ(ベルギー)
・フランドルの分離独立を主張

 

(4)オーストリア自由党(オーストリア)
・旧ナチス党員が設立に関わる。
プーチン率いるロシアの政権与党「統一ロシア」と協調関係を結んでいる。

 

(5)北部同盟(イタリア)
かつて独立も視野に入れていた。
・プーチン率いるロシアの政権与党「統一ロシア」と協調関係を結んでいる。

 

(6)イギリス独立党(英国)
EU離脱を強く主張してきた。


何らかの分離・離脱・独立を主張する(または、過去に主張した)政党だらけである。

 

ロシアは、こうした欧州極右と連携することで、極右の背後からEU加盟国を揺さぶることができる。国論が二分するように対立を煽り、各国政府は収拾のために国民投票が避けて通れなくなる。

 

そして、英国を先行事例としてEU離脱ドミノが始まる...

 

英国のEU離脱とは、パンドラの箱を開けることと同義だ。英国のEU離脱に加えて、フランスが離脱すれば事実上EUは崩壊する。

 

いずれ、英国のスコットランド独立にも多大な影響を与えることになるだろう。状況は極めて深刻で、英国は大きな代償を払うことになりそうだ。独立できなくても英国内で反目が広がれば、それだけでロシアに有利となる。


また、仮に、国民投票に失敗しても、その後遺症克服のため、各国政府は対応に手一杯となり、ロシアに“粗暴な振る舞い”があっても追及する余裕がなくなる。ロシアはどちらに転んでも、損をすることはない。

 

その上、これらの極右はロシアの手先となって、クリミア侵略の正当性を認める。正真正銘、“役に立つ馬鹿”である。

 

 

参考資料
グループSKIT編著『世界の右翼』(宝島社、2017年)

 

続く。

 

 

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