2016.10.31

 

日銀の動向を見ていると、リフレ派の旗色が俄然悪くなってきた。そろそろリフレ派の仲間割れも始まる気配で、社会から放逐される日も近い。

 

しかし、「デフレだから不況になる」という誤った説が、“負の遺産”として残りそうだ。「デフレ=不況」「デフレ=悪」と頑なに信じる人も少なからずいる。

 

ところで、リフレ派の著書を何冊か読んで、今更ながら気づいたのだが、見事なまでにスタグフレーション(景気後退局面でありながら物価が上がり続ける)の説明はない。

 

不況下のインフレについて、徹底して目を背けたいらしい。「デフレだから不況になる」が“リフレ教”のドグマであるから、ドグマに反することは無視するようだ。

 

あえて、ここでブログ管理人は声を大にして言いたい。

・デフレだから不況になる訳でない。

・不況になるとデフレになる場合がある。

・デフレであっても好況の場合がある。

・「デフレ=不況」「デフレ=悪」は根本的に誤っている。

・「インフレ=好況」「インフレ=善」も根本的に誤っている。

 

 

この考えを裏付けるデータを探していたら、アンドリュー・アトキンソン氏とパトリック・J・ キホー氏の論文『 DEFLATION AND DEPRESSION:IS THERE AND EMPIRICAL LINK?』(2004年発表)に行き着いた。(管理人は初見である。)

 

The National Bureau of Economic Reasearch(全米経済研究所)

http://www.nber.org/papers/w10268

http://www.nber.org/papers/w10268.pdf

 

原題の和訳は「デフレと不況は実証的に関連するか?」。

論文のなかで「Figure 3. All Episodes」のグラフは、17カ国の平均インフレ率(5年間ごと)と実質生産量の伸び(Real Output Growth)の関係を示したものだ。(不況の定義は、実質生産量の伸びがマイナスとしている。)

 

これは、歴史的に、デフレでも好況が多いことを表している。また、インフレでも不況の場合があるから、リフレ派の主張とは真っ向から対立するものだ。

 

そこで、リフレ派の反論を探してみた。この論文は、反リフレの経済学者に引用されることもあるので、当然グラフやデータに秀でたリフレ派・高橋洋一が反論したはずであるが、ネット検索で見つけることができない。

 

管理人は、リフレ派の黙殺を疑っている。が、リフレ派支持者の方で、高橋洋一に限らずリフレ派の同反論をご存知の方は、ぜひコメント欄に書き込んで欲しい。

 

虚心坦懐に反論を読んでみたい。(笑)

 

 

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