2016.1.30

ブログ管理人は、金融緩和をすべて否定しません。

潜在成長率/購買力平価/実効為替レート/経常収支/日米金利差から判断して、為替相場に不合理な変動があった場合、大胆に金融緩和することはやむを得ないと考えます。無秩序な激変は、市場経済を損ねるものです。

しかし、あくまでも緊急避難。市場に介入するわけですから、当局は常に節度や限界が求められ、その意識を放棄すれば、たちまち“大きな政府”となります。つまり、それは“自由”の問題になります。

そもそも、金融を緩和するだけで、景気も雇用もよくなり、しかも副作用もないと考えるとしたら、それこそフリーランチです。

ここから本題です。

昨日、日本銀行は「マイナス金利」を決定しました。その経緯について、下記の分析を引用します。
Yahoo!ニュース 
久保田博幸
日銀のマイナス金利導入の理由
(archive.isを利用して保存)
https://archive.is/yjFLP


2008年から、超過準備に付利がつき0.1%。これは大手銀行の定期預金金利と比べて、べらぼうに高い金利ですから、銀行にとってはフリーランチ。ですから、管理人は、是正されてしかるべきと考えていました。

加えて、急激すぎる円高を止める手段として、この付利の調整は有効だと思っていました。異次元の金融緩和の前に、超過準備の付利をなくすことは、市場経済に適合すると考えました。

しかし、昨日、付利を減らすどころか、突如としてマイナス金利ですから、愕然としました。引用したサイトによれは、さすがに日銀金融政策決定会合でも賛否が別れた様子。日銀委員は、木内議員を除けば、すべて異次元の金緩和を支持していますから、その委員からも反対が出て混乱ぶりが伝わってきます。

確かにマイナス金利は、“金融大国”スイスでも導入されています。しかし、スイスと日本では、経済規模も大きく違うわけですから、当然議論があってしかるべきで、しかも段階的に減らすどころか、零を通り越してマイナス金利。これは、“小さな政府”の政策ではありません。設計主義者による“大きな政府”の暴走です。

原油暴落などにより、物価目標2%があやしくなってきたので、最近のリフレ派は精神的に追い込まれていたはず。高橋洋一の統合政府なども一例で、悲壮感さえ漂っていました。それを一気に挽回したくなったのでしょうか、もう呆れるばかりです。

マイナス金利は危機時の対応策(日銀・木内委員)であるはずなのに、これを恣意的に行う黒田体制は本当に中国共産党とみまごう左翼だと思います。

今後、拙ブログでは、こうした“大きな政府”を企てる「社会主義者」を炙り出していきます。


付記
こうした意見を書くと、ポジショントークの批判を浴びることがありますので、念の為に付記します。管理人は分散投資していますから、マイナス金利で得も損もしていません。自由を奪いかねない、“大きな政府”に反対なだけです。

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