2023.12.24
拙ブログをご覧になられる方は、防衛問題にかなり詳しいと考えるので、要点を中心に記していきたい。
ブログ管理人(以下、管理人)は、岸田政権をかなり高く評価している。勿論、悪い点や腹立たしい点を挙げたらきりがない。が、少なくとも2022年11月28日、岸田総理は防衛費2027年度GDP2%を関係閣僚に指示した。
GDP1%枠という国際的に非常識な時代が長く続いていたので(1976年三木政権以来)、この安全保障政策の転換は大英断と考える。前総理の菅義偉の実績は、スマホ通信代の値下げぐらいなので天と地ほどの差だ。
また、ロシアがウクライナに侵略を開始したとき直ちにウクライナ支持も表明した。内容が伴わない口先だけの支持であっても、躊躇なく支持したことは評価できる。仮に安倍晋三だったらどうだろうか。安倍は一応はロシアを批判しているが、かつてフジテレビに出演した際、プーチンは「領土的野心ではなく、ロシアの防衛、安全の確保の観点から行動を起こしているのだろう」と述べている。プーチンの代理人もどきである。
さて、本題に戻るが、岸田政権の元、防衛費だけでなくスタンド・オフ・ミサイルの面でも大きな進展があった。
1、トマホークの購入。
絶対数は足りないものの400発購入は評価に値する。
2、トマホークの購入前倒し。
1世代旧型のトマホーク?であっても、2025年度に前倒しを図るのは評価できる。トマホークを発射するには装備や訓練が必要だが、それを前倒しで準備できる。残りのトマホークについてはトマホーク Vaが予想される。トマホーク Vaは、航行する艦艇も攻撃することができるので、敵の揚陸艦や輸送艦を叩くことができ上陸阻止に非常に有効だ。
3、F-35A戦闘機に搭載する対艦ミサイル「JSM」の2024年度概算要求。
JSMを搭載するには、F-35Aのソフトウェアをブロック4に更新することが必要だが、その概算要求もしている。搭載は間近だ。ステルス機が射程500kmの対艦ミサイル(速度は亜音速だが)を持つことは、侵攻する側には脅威になるだろう。
4、米国務省がF-15Jに搭載する長射程巡航ミサイル「JASSM-ER」の売却承認。
射程900kmのミサイル。速度は亜音速だが、ミサイル自体にステルス性があり中国を相手にして75%突破できると言われる。管理人は、対艦ミサイルLRASMがより良いと思うが、予算が足らず断念したようだ。(なお、JASSM-ERは対艦ミサイルとしても使えるという論もあるが、管理人は判断するだけの知識がない。)
5、ASM-3Aとして三菱重工業と契約。
2022年3月、超音速空対艦ミサイルASM-3Aを契約した。(中国駆逐艦の防空能力が向上し、戦闘機とパイロットが危険空域に入ることが疑問視されたため、ASM-3射程延長型を開発していた。)
さらに射程400kmのASM-3(改)も現在開発中。この対艦ミサイルはF-2戦闘機で運用される。開発順に並べるとASM-3(射程200km)→ASM-3A(射程300km程度か)→ASM-3(改)(射程400km)。
こうした変更に生存性重視が感じられ、管理人は非常に好ましく感じる。ただ、中国の最新ミサイルはすでにこのレベルの能力はある。日本は先んじている訳ではなく、やっと中国の背中が見えてきた状態である。決して誤解してはならない。
6、島嶼防衛用高速滑空弾が2026年度から実戦配備。
地対地ミサイル。陸上自衛隊が運用する。配備されるのは同ミサイルBlock1で、推定射程500km・速度はマッハ5か。
Wikipediaから引用する。
ブロック1の開発は平成30年(2018年)度から着手されており[9]、本来は令和7年(2025年)度から配備される予定だったが[11]、2022年12月に発表された令和5年(2023年)度防衛予算の政府案において同年度から量産を開始することが示され[12]、2023年4月6日に三菱重工業と契約した[13]。令和8年(2026年)度から配備が開始される予定である[5]。
なお、島嶼防衛用とカムフラージュしているが、島嶼に上陸した部隊を狙うのではなく、高価値目標(敵基地など)がターゲットとなるのは言うまでもない。隠された目的は「弾道ミサイルの代替」である。特にBlock2は更に射程距離が延び(1000km以上か)、高高度滑空により予測困難な軌道となるため迎撃が困難である。
7、国産の「12式地対艦誘導弾能力向上型」が前倒し配備。
2023年12月15日 に、ビッグニュースが飛び込んできた。射程が1000kmという「12式地対艦誘導弾能力向上型」ミサイル(以下、能力向上型ミサイル」が既に量産が始まり、2025年度から配備される。
このミサイルは地発型だけでなく艦発型・空発型も開発が継続される。「防衛力抜本的強化の 進捗と予算 令和6年度概算要求の概要」を読むと、既に『F−2能力向上改修(12式地対艦誘導弾能力向上型(空発型)搭載) (8機:121億円)』の項目がある。良い意味で衝撃を受けた。さらに、艦発型搭載のための器材調達も概算要求している。
なお、関連するが、輸送機をミサイルキャリアーにする米軍の「ラピット・ドラゴン」が興味深い。いずれ、日本も導入するだろう。が、管理人の願望として、まず対潜哨戒機P-1(対艦ミサイル8発搭載できる)に能力向上型ミサイルを搭載してもらいたい。17式艦対艦誘導弾を元にした「哨戒機用新空対艦誘導弾」が予定されているが、そのミサイルの射程距離は400km。能力向上型ミサイルであれば射程距離1000kmでより安全である。
以上であるが、勿論、ミサイルの在庫数が極めて重要で、それが継戦能力に直結することは言うまでもない。すべてのミサイルの在庫を積んで欲しい。また弾薬庫の防空力も高めて欲しい。これが実現すれば、日本の“抑止力”は相当に高まるだろう。
ここまで岸田政権を褒めると、計画に着手したのは前政権・前々政権だとの異論も出てくるだろう。しかし、実現させたのは岸田政権である。中国やロシアを恐れず、そして中国シンパの公明党に憚ることなく、実現させたことは称賛されるべきである。
このように、歴代政権の中でも特筆すべき成果を挙げるも、複数の自民党国会議員による政治資金パーティー券の違法キックバックによって、岸田政権は風前の灯となっている。管理人は、こうした議員に対し「政界から引退し二度と戻るな」と言いたい。
最後に、管理人がスタンド・オフ・ミサイルにこだわる理由は別のエントリでまとめていきたい。
JUGEMテーマ:憲法改正
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イーロン・マスク氏は、買収したX(旧ツイッター)の改善―恣意的なトレンド操作是正や新設したコミュニティノート―で相当な成果を上げていると思う。が、マスク氏による買収の目的は『「自由な言論の場」の確立』と本人が述べたはずだ。
だから、同氏に批判的な人々のアカウント停止は鼻白む。本人が述べたことと明らかに矛盾する。ただ、これだけなら特段、目くじらを立てるほどではない。X(旧ツイッター)以外のプラットフォームで発信すれば、ことが足りる。
しかし、ロシアによるウクライナ侵略に関し、マスク氏の粗雑な論理は少なからず害がある。
https://jp.reuters.com/article/ukraine-crisis-musk-idJPKBN2QY24G
マスク氏がウクライナ戦争終結案、ゼレンスキー大統領らは批判
https://www.cnn.co.jp/usa/35208834.html
マスク氏がウクライナ軍への衛星通信「切断」指示、新たな伝記が指摘 戦争対応でジレンマに直面
勿論、マスク氏の功績(スターリンクの提供など)は大きい。しかし、ロシア側から次のように評価されているのであれば、利敵行為と言われても仕方がないだろう。
https://www.bbc.com/japanese/66749672
ロシアのドミトリー・メドヴェージェフ前大統領は、「アイザックソン氏の本に書かれていることが本当なら、マスク氏は北米最後のまともな考えを持つ人物のようだ」としている。
ここまで、書いてきてブログ管理人は、ある人物を思い出した。
トランプ元大統領だ。
大統領在任中、いくつかの優れた政策を出したにも関わらず、最後は陰謀論の渦の中心になった。マスク氏が同じ道をたどらない保証は無いし、ウクライナに関する同氏の対応は、その前兆とも思える。
ちなみに、マスク氏は、FBのザッカーバーグ氏とのいざこざに関し、格闘技対決で決着をつけるような話が伝わっている。トランプ元大統領もプロレス団体のリングに上がっていたのは有名である。要するに発想が似ているのだ。
JUGEMテーマ:憲法改正
2023.4.10
今回の改訂で、憲法改正試案はほぼ最終形と考えている。
以下、改訂版である。(太字は従前試案と同様に重要箇所である)
改訂箇所
・従前の第七章二十条は章ごと削除した。万が一、憲法で華族が規定されれば、必然的に一挙手一投足が注目されるはずだ。そして、それを嫌う華族も出てくると考える。結果、華族返上する人達も現れてくるだろう。だから、現状の霞会館という親睦団体で緩やかに組織化しているほうが望ましいと思い至った。そもそも、明治憲法下でも規定されなかった華族を、試案とはいえ規定しようとしたことは完全な独りよがりであった。
・第五十九条を改めた(新改訂版では第五十八条)。従来の試案では、参議院は間接選挙になっていたが、それを取り止める。地方議員による間接選挙を想定していたが、地方議員のほとんどが当てにならないので、それであれば国民による直接選挙のほうがまだ優れていると考えた。
・第三十六条、第三十七条にある「享有」を「保有」に変更。享有の辞書的意味は「権利・能力などを、人が生まれながら身につけて持っていること」である。しかし、国家に自由と正義が無ければ権利は実現できず、それゆえ人が生まれながら持っていると心得違いしかねない「享有」は使わないことにした。権利を欲するなら、国家に常に自由と正義が満ちていることが絶対条件となる。なお、具体例を出すまでないが、ロシアや中国等では生殺与奪はすべて支配側が握っている。だから実質的な「権利」は存在しない。
・従前の第八十一条を削除した。冗多と判断した。
・改訂前の試案は「憲法改正試案(2022.5.29改訂)」である。
日本国憲法(試案)
前文
日本国民は、古から天皇を戴き、祖先の叡智を遵奉し、それを紡いできた。
我々は、幾十世代の祖先が築き上げた自由を享受している。
それゆえ、我々は、これらを子孫に継承することを決意して、ここに新しく憲法を制定する。
第一章 天皇
第一条 天皇は、日本国の元首であり、日本国を代表する。
第二条 皇位は、世襲のものであって、皇室典範の定めるところにより、これを継承する。
第三条 皇室典範の改正は、皇室の発議に基づき、天皇を議長とする、または天皇が指名した皇族を議長とする皇室会議がこれを行う。
2 皇室会議は、成年の皇族男子全員で組織する。
3 皇室典範は、被占領下または緊急事態宣言下において、その改正をしてはならない。
第四条 天皇のこの憲法に定める行為には、内閣の奏請を必要とし、内閣がその責任を負う。
第五条 天皇の尊厳は、これを侵してはならない。
第六条 天皇は、この憲法の定める行為を行う。天皇は法律の定めるところにより、その行為を皇嗣に委任することができる。
第七条 皇室典範の定めるところにより、摂政を置くときは、摂政は、天皇の名において、この憲法の定める天皇の行為を行う。
第八条 天皇は、国会の指名に基づいて、内閣総理大臣を任命する。
2 天皇は、内閣の指名に基づいて、最高裁判所長官を任命する。
第九条 天皇は、国軍を統帥し、最高指揮権を内閣総理大臣に授権する。
第十条 天皇は、内閣の奏請により、次に掲げる行為を行う。
一 憲法改正、法律、政令および条約を公布すること。
二 国会を召集すること。
三 衆議院を解散すること。
四 国会議員の選挙の施行を公示すること。
五 法律の定めるところにより文武官を任免すること。
六 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除および復権を行うこと。
七 爵位、勲章その他の栄典を授与すること。
八 緊急事態を宣言すること。
九 全権委任状ならびに大使および公使の信任状を発し、ならびに外国の大使および公使の信任状を接受すること。
十 儀式を行うこと。
第十一条 皇室の祭祀ならびに儀式の伝統は、これを侵してはならない。
第十二条 皇室財産は、皇室に帰属する。
2 皇室経費は、国庫より支出される。
第二章 国号ならびに政体
第十三条 国号は日本国であり、政体は立憲君主制である。
第三章 領土
第十四条 日本国は、領土を割譲してはならない。
第四章 国旗および国歌
第十五条 日本国の国旗は日章旗であり、国歌は君が代である。
第五章 国際法規および慣例ならびに条約
第十六条 確立された国際法規および慣例ならびに日本国が締結した条約は、これを誠実に遵守しなければならない。
第六章 国軍
第十七条 日本国は、不断の外交努力により国際紛争の解決に努める。
2 前項の規定は、国際法規上の自衛権行使を妨げない。
3 第二項の目的を達成するために、国軍を保持する。
第十八条 国軍は、任務の遂行する際において、事前または事後に国会の承認を得なければならない。
第十九条 日本国は、軍刑法を定める。
第七章 日本国民の権利および義務
第二十条 日本国民の要件は、法律でこれを定める。
第二十一条 日本国民は、法の前に平等である。
第二十二条 日本国は、思想および良心の自由を保障する。
第二十三条 日本国は、学問の自由を保障する。
第二十四条 日本国は、信教の自由を保障する。
2 日本国は、国教を定めてはならない。
第二十五条 日本国は、集会、結社、言論および出版その他の表現の自由を保障する。
2 日本国は、検閲してはならない。
3 日本国は、通信の秘密を保障する。
第二十六条 日本国は、居住、移転および職業選択の自由を保障する。
第二十七条 日本国民の私有財産権は、適正な補償の下に、公共の利益のために用いる場合を除き、最大限に尊重される。
第二十八条 日本国民は、国軍に志願することができる。
第二十九条 日本国民は、納税の義務を負う。
第三十条 日本国民は、その能力に応じて、ひとしく教育を受けることができる。
2 日本国民は、その保護する子に、普通教育を受けさせる義務を負う。
第三十一条 日本国民は、憲法の定める裁判所において、公正な裁判を受けることができる。
第三十二条 日本国民は、現行犯で逮捕される場合を除いては、法律の定める適正な手続きによらなければ、逮捕、抑留または拘禁されない。また、法律の定める適正な手続きによらなければ、刑罰を科せられない。
第三十三条 日本国民は、法律の定めるところの公務員を選定する。
2 日本国は、前項の公務員の選挙については、成年者による普通選挙を保障する。
3 日本国民は、すべての選挙における投票の秘密を侵されない。
第三十四条 日本国は、政党結成の自由を保障する。ただし、日本国の存立を危うくすることを目的とする政党の結成は認められない。
第三十五条 日本国は、政党に参加する、または政党に参加しない、ならびに政党から脱退する自由を保障する。
第三十六条 日本国民の保有する、日本国民の自由ならびにその他の日本国民の権利は、国の安全、公の秩序および公共の利益を損ねない限り、最大限に尊重されなければならない。
第三十七条 日本国は、この憲法の中に特定の権利を列挙したことをもって、日本国民の保有する他の権利を否定し、または軽視したものと解釈してはならない。
第八章 裁判所
第三十八条 司法権は、最高裁判所および法律の定めるところにより設置される下級裁判所に属する。ただし、法律の定めるところにより、特別裁判所を設置することができる。
2 特別裁判所として設置される軍事裁判所は、最高裁判所を終審の裁判所とする。
3 行政機関は、終審として裁判を行うことができない。
第三十九条 最高裁判所は、裁判に関する手続、弁護士、裁判所の内部規律および司法事務処理に関する事項について、規則を定める権限を有する
2 検察官は、最高裁判所の定める規則に従わなければならない。
3 最高裁判所は、下級裁判所に関する規則を定める権限を、下級裁判所に委任することができる。
第四十条 裁判官は、心身の故障のために職務を執ることができないと裁判によって決定された場合を除いては、この憲法に定める弾劾によらなければ罷免されない。
2 行政機関は、裁判官の懲戒処分を行うことができない。
第四十一条 最高裁判所は、最高裁判所長官および法律の定める員数のその他の裁判官でこれを構成し、最高裁判所長官以外の裁判官は、内閣が任命する。
2 最高裁判所の裁判官は、法律の定める年齢に達した時に退官する。
第四十二条 下級裁判所の裁判官は、最高裁判所の指名に基づいて、内閣がこれを任命する。その裁判官は、法律の定める任期に限って任命され、再任されることができる。ただし、法律に定める年齢に達した時には、退官する。
第四十三条 裁判所は、すべての法律、命令、規則または処分が憲法に適合するかしないかを審理する権限を有する。最高裁判所は、その終審の裁判所である。
第四十四条 裁判および判決は、すべて公開の法廷で行う。
2 裁判所が、裁判官の全員一致で、公の秩序または善良な風俗を害する虞があると決議した場合は、公開しないでこれを行うことができる。ただし、法律で定める裁判は常に公開しなければならない。
第九章 内閣
第四十五条 行政権は内閣に属する。
第四十六条 内閣は、この長である内閣総理大臣およびその他の国務大臣で構成する。
2 現役の軍職は、内閣総理大臣およびその他の国務大臣になることはできない。
3 内閣は、行政権の行使について、国会に対し連帯して責任を負う。
第四十七条 内閣総理大臣は、国会議員の中から国会が指名する。
2 国会は、他の全ての案件に先立って、内閣総理大臣の指名を行わなければならない。
3 衆議院と参議院とが異なった指名をした場合において、法律の定めるところにより、両議院の協議会を開いても意見が一致しないとき、または衆議院が指名をした後、国会休会中の期間を除いて十日以内に、参議院が指名しないときは、衆議院の指名を国会の指名とする。
第四十八条 内閣総理大臣は、その他の国務大臣を任命する。この場合においては、その過半数は、国会議員の中から任命しなければならない。
2 内閣総理大臣は、その他の国務大臣を罷免することができる。
第四十九条 内閣は、衆議院が不信任の決議案を可決し、または信任の決議案を否決したときは、衆議院を解散することができる。ただし、十日以内に衆議院が解散しない場合は、総辞職しなければならない。
2 内閣に対する不信任および信任の決議案については、その提出から四十八時間を経過しない限り、表決してはならない。
第五十条 内閣総理大臣が欠けたとき、または衆議院議員の総選挙の後に初めて国会の召集があったときは、内閣は、総辞職しなければならない。
2 内閣総理大臣が欠けたとき、その他これに準じる場合は、法律で定めるところの権限継承順位の当該者が、臨時に、その職務を行う。
第五十一条 前二条の場合には、内閣は、あらたに内閣総理大臣が任命されるまで引き続き、その職務を行う。
第五十二条 内閣総理大臣は、内閣を代表して、議案を国会に提出し、ならびに一般国務および外交関係について国会に報告する。
第五十三条 内閣は行政機関を指揮監督し、一般行政のほか、次に掲げる職務を行う。
一 皇室の名誉を守ること。
二 法律を誠実に執行すること。
三 外交関係を処理すること。
四 条約を締結すること。ただし、事前に、時宜によっては事後に、国会の承認を経ることを必要とする。
五 法律の規定を実施するために、政令を制定すること。ただし、政令には、特にその法律の委任がある場合を除いては、義務を課し、または権利を制限する規定を設けることができない。
六 予算案を作成して国会に提出すること。
七 法律案、憲法改正案その他国会の議案を提出すること。
八 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を決定すること。
九 緊急事態の宣言を決定すること。ただし、事前に、時宜によっては事後に、国会の承認を経ることを必要とする。
第五十四条 その他の国務大臣は、その在任中、内閣総理大臣の同意がなければ、訴追されない。
第五十五条 法律および政令には、全て主任の国務大臣が署名し、内閣総理大臣が連署することを必要とする。
第十章 国会
第五十六条 立法権は国会に属する。
第五十七条 国会は、衆議院および参議院の両議院で構成する。
第五十八条 両議院は、国民に選挙された議員でこれを組織する。
2 両議院の議員の定数は、法律で定める。
第五十九条 両議院の議員および選挙人となる権利は、すべての国民にひとしく与えられ、その資格については法律で定める。
第六十条 衆議院議員の任期は、四年とする。ただし、衆議院が解散された場合には、その期間満了前に終了する。
第六十一条 参議院議員の任期は、六年とし、三年ごとに議員の半数を改選する。
第六十二条 選挙区、投票の方法その他の両議院の選挙に関する事項は、法律でこれを定める。
第六十三条 日本国民は、同時に両議院の議員となることはできない。
第六十四条 両議院の議員は、法律の定めるところにより、国庫から相当額の歳費を受ける。
第六十五条 両議院の議員は、法律の定める場合を除いては、国会の会期中逮捕されない。会期前に逮捕された議員は、その議院の要求があるときは、会期中これを釈放しなければならない。
第六十六条 両議院の議員は、議院で行った演説、討論または表決について、院外で責任を問われない。
第六十七条 通常国会は、毎年一回召集され、会期は法律で定める。
第六十八条 内閣は、臨時国会の召集を決定することができる。いずれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない。
第六十九条 衆議院が解散されたときは、解散の日から四十日以内に、衆議院議員の総選挙を行い、その選挙の日から三十日以内に、特別国会が召集されなければならない。
2 衆議院が解散されたときは、参議院は、同時に閉会となる。
第七十条 両議院は、各々その議員の資格に関し争いがあるときは、これについて審査し、議決する。ただし、議員の議席を失わせるには、出席議員の三分の二以上の多数による議決を必要とする。
第七十一条 両議院は、各々その総議員の三分の一以上の出席がなければ、議事を行い議決することはできない。また、両議院の議事は、この憲法に特別の定めのある場合を除いては、各々その出席議員の過半数で決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。
第七十二条 両議院の会議は公開とする。ただし、出席議員の三分の二以上の多数で議決したときは、秘密会を開くことができる
2 両議院は、各々その会議の記録を保存し、秘密会の記録の中で特に秘密と認められるもの以外は、これを公表し、かつ、一般に領布しなければならない。
3 出席議員の五分の一以上の要求があれば、各議員の表決は、これを会議録に記載しなければならない。
第七十三条 両議院は、各々その議長その他の役員を選任する。
2 両議院は、各々その会議その他の手続および内部の規律に関する規則を定め、ならびに院内の秩序をみだした議員を懲罰することができる。ただし、議員を除名するには、出席議員の三分の二以上の多数による議決を必要とする。
第七十四条 予算案は、先に衆議院に提出しなければならない。
2 予算案について、参議院で衆議院と異なった議決をした場合において、法律の定めるところにより、両議院の協議会を開いても意見が一致しないとき、または参議院が、衆議院の可決した予算案を受け取った後、国会休会中の期間を除いて三十日以内に議決しないときは、衆議院の議決を国会の議決とする。
第七十五条 条約の締結に必要な国会の承認については、前条第二項を準用する。
第七十六条 法律案は、この憲法に特別の定めのある場合を除いて、両議院で可決したとき法律となる。
2 衆議院で可決し、参議院でこれと異なった議決をした法律案は、衆議院で通常国会三会期連続して同じ法律案を可決したときは、衆議院の議決を国会の議決とする。
3 前項の規定は、法律の定めるところにより、両議院の協議会を開くことを求めることを妨げない。
第七十七条 両議院は、各々国政に関する調査を行い、これに関して、証人の出頭、証言および記録の提出を要求することができる。ただし、司法権を代替する権能は認められない。
第七十八条 内閣総理大臣およびその他の国務大臣は、議案について発言するため両議院に出席することができる。
2 内閣総理大臣およびその他の国務大臣は、答弁または説明のため議院から出席を求められたときは、出席しなければならない。ただし、職務の遂行上特に必要がある場合は、この限りではない。
第七十九条 国会は、罷免の訴追を受けた裁判官を裁判するため、両議院の議院で組織する弾劾裁判所を設ける。
2 弾劾に関する事項は、法律で定める。
第十一章 財政
第八十条 日本国の財政を処理する権限は、国会の議決に基づいて、これを行使しなければならない。
第八十一条 租税を新たに課し、または変更するには、法律で定めることを必要とする。
第八十二条 国費を支出し、または日本国が債務を負担するには、国会の議決に基づくことを必要とする。
第八十三条 内閣は、毎会計年度の予算案を作成し、国会に提出して、その審議を受け、国会の議決を経なければならない。
2 会計年度の終わりまでに、翌年度の予算案ならびに予算関連法律案が議決されるに至らない場合においては、内閣は、これらが議決されるまでの間、前年度の予算の範囲内で、必要な支出をなすことができる。
第八十四条 内閣は、国会の議決に基づいて予備費を設け、これを支出することができる。
2 予備費の支出については、内閣は、事後に、国会の承認を必要とする。
第八十五条 国の収入支出の決算は、すべて毎年会計検査院がこれを検査し、内閣は、次の年度に、その検査報告とともに、これを国会に提出し、その承認を受けなければならない。
2 内閣は、検査報告の内容を、予算案に反映させなければならない。
3 会計検査院の組織および権限は、法律で定める。
第八十六条 内閣は、国会および国民に対し、定期に、少なくとも毎年一回、国の財政状況について報告しなければならない。
第十二章 地方自治
第八十七条 地方自治体の組織および運営に関する事項は、法律でこれを定める。
第八十八条 地方自治体には、法律の定めるところにより、その議事機関として、議会を設置する。
2 地方自治体の長、議会の議員および法律の定めるその他の公務員は、その地方自治体に居住する日本国民がこれを選挙する。
第八十九条 地方自治体は、法律の範囲内で、その財産を管理し、事務を処理し、および行政を執行し、ならびに条例を制定することができる。
第十三章 緊急事態
第九十条 緊急事態の宣言は、次に掲げる効力を生じる。
一 内閣は、法律と同一の効力を有する政令を制定することができる。
二 内閣は、国会の議決を経ることなく、直ちに財政上必要な支出その他の処分を行うことができる。
2 前項については、法律の定めるところにより、事前又は事後に国会の承認を得なければならない。
第九十一条 内閣は、百日を超えて緊急事態の宣言を継続しようとするときは、百日を超えるごとに事前に国会の承認を得なければならない。
第九十二条 緊急事態が宣言された場合、国会の会期は、国会の承認でその継続延長ができる。また、国会議員の任期満了後または衆議院の解散後に緊急事態が宣言された場合、あらたに国会が成立するまでの間、前の国会が引き続きその権限を行うものとする。
第十四章 改正
第九十三条 この憲法の改正は、内閣または両議院の各々その総議員の二分の一以上の議員によって発議される。
2 両議院は、各々その総議員の二分の一以上の出席がなければ、憲法改正案を議決することはできない。また、憲法改正案は、各々その出席議員の三分の二以上の賛成を必要とする。
3 議決された憲法改正案は、国民投票により承認されるものとする。この承認には、国民投票において有効投票の過半数の賛成を必要とする。
4 憲法改正について前項の承認を経たときは、天皇は、直ちに、憲法改正を公布する。
5 この憲法を改正できない期間は、第三条第三項を準用する。
第十五章 補則
第九十四条 この憲法は、公布の日から起算して六箇月を経過した日から、これを施行する。
2 この憲法を施行するために必要な法律の制定および準備手続きは、前項の期日よりも前にこれを行うことができる。
JUGEMテーマ:憲法改正
]]>2022.6.8
今回のエントリは、映画の紹介である。
最近、Amazon PrimeVideoでは、視聴できる古い映画が増え、昔の名作も数多くラインアップされている。それらを眺めていたところ、アンソニー・マン監督の『秘密指令』(邦題)の説明文に目が留まった。(注1)
フランス革命勃発の直前、街は恐怖政治の色彩が濃厚になっていた。そんな時代を背景に、独裁者になることを目論む男を倒そうと、国の将来を憂う人々が立ち上がるのだった。マン監督ならではの周到に練られた演出に加えて、殺気に満ちた描写が印象的だ。
フランス革命は、日本では専ら「王政廃止、人権宣言、憲法制定などを実現した」として、人類史上の偉業と肯定的に捉えれる。が、実態は血塗られた殺戮の歴史だ。
同革命を題材にした映画は少ない。あっても、マリー・アントワネットを描く作品があるくらいだ。この作品は、同革命を問題点を抉り出すような説明なので、早速視聴してみた。(注2)
視聴した感想は、この映画は前述の説明より、さらに深い闇を描いている。残酷なロベスピエールも恐ろしいが、民衆の狂気も恐ろしい。(注3)
エドマンド・バーク『フランス革命の省察』を引き合いに出すまでもなく、この映画で同革命の本質を知ることができる。保守思想を考えるうえで、外せない作品である。
説明文に誤りがあったり、史実と違っている点がある。また、映画としての完成度は決して高くないが、同革命の本質を知る点で、ブログ管理人は高く評価する。
これ以上書くとネタバレになるので、ここまでとする。
注1
Wikipediaに、英語の頁がある。
https://en.wikipedia.org/wiki/Reign_of_Terror_(film)
注2
映画ではロベスピエールが敵役になっているが、同人が表舞台に出たきたのはランス革命勃発の直前ではなく、フランス革命が始まってからだ。フランス革命は1789年7月14日のバスティーユ牢獄襲撃から始まっているが、ロベスピエールが権力を掌握したのは1793年。だから、この説明文に誤りがある。
注3
映画では独裁権を阻止されるが、史実では独裁権を得ている。
JUGEMテーマ:憲法改正
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ブログ管理人(以下、管理人)は、そろそろ欧米の兵器会社を「死の商人」呼ばわりし戦争長期化の原因と言い出すと予想していた。
そして、案の定、朝日新聞系が言い出した。次に引用するAERA(アエラ)は、朝日新聞出版が発行する週刊誌である。「武器取引反対ネットワーク(NAJAT)」代表の杉原浩司氏に語らせる体裁だが、朝日新聞系の見解と思って間違いない。
https://news.yahoo.co.jp/articles/53dd7112add8dec6b5a162188d1e43928d3086f8?page=1
「ウクライナの応戦で大きな損害を受けるなど、ロシアにとってはおそらく想定外のシナリオを強いられた結果、戦いが長期化しています。武器支援がその要因の一つになっていることも間違いありません」
中略
「NATOが当事者として軍事介入せず、武器支援に留めるという『線引き』をしていることで起きているケースでしょう。ある意味『在庫一掃』的なやり方で、軍需産業にとって非常にオイシイ商売だと思いますが、そんな形が露骨に表れている点でかなり異例な戦争だと感じます」
武器支援しなければ、ロシアの侵略及び非人道的行為は止めようがないのだから、議論するまでない愚か武器支援反対論である。中学生さえ騙せない反対論だ。
さて、そんな朝日新聞系であるが、朝日新聞の購読者数の減少が止まらない。勿論、朝日新聞に限ったことではないが、左翼の王者として君臨してきただけに、その凋落は笑いを誘う。
ここで、管理人の最近の持論を開陳する。
『パチンコ屋の減少が止まらないが、ギャンブル好きや依存症予備軍は一定数いるので生き残るだろう、しかし朝日新聞は消滅しても誰も困らないので消滅するだろう』
『新聞配達店が無くなる懸念はあるが、チラシ配達業として生き残ることは可能と思われる。現に、新聞の購読を止めたのに、自宅の新聞受けには同じ新聞配達店がチラシだけ投函していく』
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漫画家の孫向文氏を調べてみたら、なかなかの陰謀論者。特に面白いと感じたものを取り上げてみた。
https://vpoint.jp/world/usa/197518.html
中国共産党とビルゲイツが生物兵器である新型コロナウイルスを世界に広げて、そしてそのワクチンを製造して人口減滅する計画がさらに証拠が浮上しました。その中に日本人の科学者と役人も彼らの計画を加担してます。
日本人の皆さん、「武漢肺炎にかかっても構わない、治ったら大丈夫」という考え方をいますぐ捨ててください。
— 孫向文 🐈⬛🐈 (@sonkoubun) March 13, 2020
1)ほぼ100%後遺症が残る
2)ウイルスが一生に体内に寄生する、完全除去は不能
3)一度感染したら他人に感染力が持続
人生を捨てること同様です
https://vpoint.jp/world/china/218218.html
つまり、ロシアには西側と対峙するもう一つのDSがあり、世界で二つのDS陣営が対決して、庶民が戦争に巻き込まれているという構図が見えてきます。つまり、「悪者VS悪者の縄張り争い」というのが筆者の見解です。
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以下、改訂版である。改訂箇所は赤字にした。(太字は従前試案と同様に重要箇所である)
・前文は、大多数の国民が一読で理解できるように、より平易にした。
・国防軍を国軍に改めた。
・第十四条は、 改正されたロシア憲法(2020年7月4日施行)第67条を参考にし、親露の総理大臣による領土割譲活動ができないようにした。親露だけでなく、親中・親韓の売国政治家による領土割譲活動を阻むことができる。
なお、親露の安倍元総理などが詐言を弄して、大幅な領土割譲(北方領土の半分以上を割譲する等)を国境画定作業といいつのる可能性があるので、国境改定についてはあえて条文には入れないことにする。
改正されたロシア憲法
http://kremlin.ru/acts/constitution/item#chapter3
改正されたロシア憲法の要点
https://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_11668884_po_02870211.pdf?contentNo=1
・改訂前の試案は「憲法改正試案(2018.4.8改訂)」である。
日本国憲法(試案)
前文
日本国民は、古から天皇を戴き、祖先の叡智を遵奉し、それを紡いできた。
我々は、幾十世代の祖先が築き上げた自由を享受している。
それゆえ、我々は、これらを子孫に継承することを決意して、ここに新しく憲法を制定する。
第一章 天皇
第一条 天皇は、日本国の元首であり、日本国を代表する。
第二条 皇位は、世襲のものであって、皇室典範の定めるところにより、これを継承する。
第三条 皇室典範の改正は、皇室の発議に基づき、天皇を議長とする、または天皇が指名した皇族を議長とする皇室会議がこれを行う。
2 皇室会議は、成年の皇族男子全員で組織する。
3 皇室典範は、被占領下または緊急事態宣言下において、その改正をしてはならない。
第四条 天皇のこの憲法に定める行為には、内閣の奏請を必要とし、内閣がその責任を負う。
第五条 天皇の尊厳は、これを侵してはならない。
第六条 天皇は、この憲法の定める行為を行う。天皇は法律の定めるところにより、その行為を皇嗣に委任することができる。
第七条 皇室典範の定めるところにより、摂政を置くときは、摂政は、天皇の名において、この憲法の定める天皇の行為を行う。
第八条 天皇は、国会の指名に基づいて、内閣総理大臣を任命する。
2 天皇は、内閣の指名に基づいて、最高裁判所長官を任命する。
第九条 天皇は、国軍を統帥し、最高指揮権を内閣総理大臣に授権する。
第十条 天皇は、内閣の奏請により、次に掲げる行為を行う。
一 憲法改正、法律、政令および条約を公布すること。
二 国会を召集すること。
三 衆議院を解散すること。
四 国会議員の選挙の施行を公示すること。
五 法律の定めるところにより文武官を任免すること。
六 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除および復権を行うこと。
七 爵位、勲章その他の栄典を授与すること。
八 緊急事態を宣言すること。
九 全権委任状ならびに大使および公使の信任状を発し、ならびに外国の大使および公使の信任状を接受すること。
十 儀式を行うこと。
第十一条 皇室の祭祀ならびに儀式の伝統は、これを侵してはならない。
第十二条 皇室財産は、皇室に帰属する。
2 皇室経費は、国庫より支出される。
第二章 国号ならびに政体
第十三条 国号は日本国であり、政体は立憲君主制である。
第三章 領土
第十四条 日本国は、領土を割譲してはならない。
第四章 国旗および国歌
第十五条 日本国の国旗は日章旗であり、国歌は君が代である。
第五章 国際法規および慣例ならびに条約
第十六条 確立された国際法規および慣例ならびに日本国が締結した条約は、これを誠実に遵守しなければならない。
第六章 国軍
第十七条 日本国は、不断の外交努力により国際紛争の解決に努める。
2 前項の規定は、国際法規上の自衛権行使を妨げない。
3 第二項の目的を達成するために、国軍を保持する。
第十八条 国軍は、任務の遂行する際において、事前または事後に国会の承認を得なければならない。
第十九条 日本国は、軍刑法を定める。
第七章 華族
第二十条 日本国は、伝統および慣習を正しく継承するために、華族を国の制度とする。
2 華族の地位は、世襲とする。ただし、日本国が一代限りの華族を授けることを妨げない。
3 華族は、公務員を兼ねることができる。
第八章 日本国民の権利および義務
第二十一条 日本国民の要件は、法律でこれを定める。
第二十二条 日本国民は、法の前に平等である。
第二十三条 日本国は、思想および良心の自由を保障する。
第二十四条 日本国は、学問の自由を保障する。
第二十五条 日本国は、信教の自由を保障する。
2 日本国は、国教を定めてはならない。
第二十六条 日本国は、集会、結社、言論および出版その他の表現の自由を保障する。
2 日本国は、検閲してはならない。
3 日本国は、通信の秘密を保障する。
第二十七条 日本国は、居住、移転および職業選択の自由を保障する。
第二十八条 日本国民の私有財産権は、適正な補償の下に、公共の利益のために用いる場合を除き、最大限に尊重される。
第二十九条 日本国民は、国軍に志願することができる。
第三十条 日本国民は、納税の義務を負う。
第三十一条 日本国民は、その能力に応じて、ひとしく教育を受けることができる。
2 日本国民は、その保護する子に、普通教育を受けさせる義務を負う。
第三十二条 日本国民は、憲法の定める裁判所において、公正な裁判を受けることができる。
第三十三条 日本国民は、現行犯で逮捕される場合を除いては、法律の定める適正な手続きによらなければ、逮捕、抑留または拘禁されない。また、法律の定める適正な手続きによらなければ、刑罰を科せられない。
第三十四条 日本国民は、法律の定めるところの公務員を選定する。
2 日本国は、前項の公務員の選挙については、成年者による普通選挙を保障する。
3 日本国民は、すべての選挙における投票の秘密を侵されない。
第三十五条 日本国は、政党結成の自由を保障する。ただし、日本国の存立を危うくすることを目的とする政党の結成は認められない。
第三十六条 日本国は、政党に参加する、または政党に参加しない、ならびに政党から脱退する自由を保障する。
第三十七条 日本国民の享有する、日本国民の自由ならびにその他の日本国民の権利は、国の安全、公の秩序および公共の利益を損ねない限り、最大限に尊重されなければならない。
第三十八条 日本国は、この憲法の中に特定の権利を列挙したことをもって、日本国民の享有する他の権利を否定し、または軽視したものと解釈してはならない。
第九章 裁判所
第三十九条 司法権は、最高裁判所および法律の定めるところにより設置される下級裁判所に属する。ただし、法律の定めるところにより、特別裁判所を設置することができる。
2 特別裁判所として設置される軍事裁判所は、最高裁判所を終審の裁判所とする。
3 行政機関は、終審として裁判を行うことができない。
第四十条 最高裁判所は、裁判に関する手続、弁護士、裁判所の内部規律および司法事務処理に関する事項について、規則を定める権限を有する
2 検察官は、最高裁判所の定める規則に従わなければならない。
3 最高裁判所は、下級裁判所に関する規則を定める権限を、下級裁判所に委任することができる。
第四十一条 裁判官は、心身の故障のために職務を執ることができないと裁判によって決定された場合を除いては、この憲法に定める弾劾によらなければ罷免されない。
2 行政機関は、裁判官の懲戒処分を行うことができない。
第四十二条 最高裁判所は、最高裁判所長官および法律の定める員数のその他の裁判官でこれを構成し、最高裁判所長官以外の裁判官は、内閣が任命する。
2 最高裁判所の裁判官は、法律の定める年齢に達した時に退官する。
第四十三条 下級裁判所の裁判官は、最高裁判所の指名に基づいて、内閣がこれを任命する。その裁判官は、法律の定める任期に限って任命され、再任されることができる。ただし、法律に定める年齢に達した時には、退官する。
第四十四条 裁判所は、すべての法律、命令、規則または処分が憲法に適合するかしないかを審理する権限を有する。最高裁判所は、その終審の裁判所である。
第四十五条 裁判および判決は、すべて公開の法廷で行う。
2 裁判所が、裁判官の全員一致で、公の秩序または善良な風俗を害する虞があると決議した場合は、公開しないでこれを行うことができる。ただし、法律で定める裁判は常に公開しなければならない。
第十章 内閣
第四十六条 行政権は内閣に属する。
第四十七条 内閣は、この長である内閣総理大臣およびその他の国務大臣で構成する。
2 現役の軍職は、内閣総理大臣およびその他の国務大臣になることはできない。
3 内閣は、行政権の行使について、国会に対し連帯して責任を負う。
第四十八条 内閣総理大臣は、国会議員の中から国会が指名する。
2 国会は、他の全ての案件に先立って、内閣総理大臣の指名を行わなければならない。
3 衆議院と参議院とが異なった指名をした場合において、法律の定めるところにより、両議院の協議会を開いても意見が一致しないとき、または衆議院が指名をした後、国会休会中の期間を除いて十日以内に、参議院が指名しないときは、衆議院の指名を国会の指名とする。
第四十九条 内閣総理大臣は、その他の国務大臣を任命する。この場合においては、その過半数は、国会議員の中から任命しなければならない。
2 内閣総理大臣は、その他の国務大臣を罷免することができる。
第五十条 内閣は、衆議院が不信任の決議案を可決し、または信任の決議案を否決したときは、衆議院を解散することができる。ただし、十日以内に衆議院が解散しない場合は、総辞職しなければならない。
2 内閣に対する不信任および信任の決議案については、その提出から四十八時間を経過しない限り、表決してはならない。
第五十一条 内閣総理大臣が欠けたとき、または衆議院議員の総選挙の後に初めて国会の召集があったときは、内閣は、総辞職しなければならない。
2 内閣総理大臣が欠けたとき、その他これに準じる場合は、法律で定めるところの権限継承順位の当該者が、臨時に、その職務を行う。
第五十二条 前二条の場合には、内閣は、あらたに内閣総理大臣が任命されるまで引き続き、その職務を行う。
第五十三条 内閣総理大臣は、内閣を代表して、議案を国会に提出し、ならびに一般国務および外交関係について国会に報告する。
第五十四条 内閣は行政機関を指揮監督し、一般行政のほか、次に掲げる職務を行う。
一 皇室の名誉を守ること。
二 法律を誠実に執行すること。
三 外交関係を処理すること。
四 条約を締結すること。ただし、事前に、時宜によっては事後に、国会の承認を経ることを必要とする。
五 法律の規定を実施するために、政令を制定すること。ただし、政令には、特にその法律の委任がある場合を除いては、義務を課し、または権利を制限する規定を設けることができない。
六 予算案を作成して国会に提出すること。
七 法律案、憲法改正案その他国会の議案を提出すること。
八 緊急事態の宣言を決定すること。ただし、事前に、時宜によっては事後に、国会の承認を経ることを必要とする。
第五十五条 その他の国務大臣は、その在任中、内閣総理大臣の同意がなければ、訴追されない。
第五十六条 法律および政令には、全て主任の国務大臣が署名し、内閣総理大臣が連署することを必要とする。
第十一章 国会
第五十七条 立法権は国会に属する。
第五十八条 国会は、衆議院および参議院の両議院で構成する。
第五十九条 衆議院は、直接に選挙された、全国民を代表する議員でこれを組織する。
2 参議院は、間接に選挙された、全国民を代表する議員でこれを組織する。
3 両議院の議員の定数は、法律で定める。
第六十条 両議院の議員および選挙人となる権利は、すべての国民にひとしく与えられ、その資格については法律で定める。
第六十一条 衆議院議員の任期は、四年とする。ただし、衆議院が解散された場合には、その期間満了前に終了する。
第六十二条 参議院議員の任期は、六年とし、三年ごとに議員の半数を改選する。
第六十三条 選挙区、投票の方法その他の両議院の選挙に関する事項は、法律でこれを定める。
第六十四条 日本国民は、同時に両議院の議員となることはできない。
第六十五条 両議院の議員は、法律の定めるところにより、国庫から相当額の歳費を受ける。
第六十六条 両議院の議員は、法律の定める場合を除いては、国会の会期中逮捕されない。会期前に逮捕された議員は、その議院の要求があるときは、会期中これを釈放しなければならない。
第六十七条 両議院の議員は、議院で行った演説、討論または表決について、院外で責任を問われない。
第六十八条 通常国会は、毎年一回召集され、会期は法律で定める。
第六十九条 内閣は、臨時国会の召集を決定することができる。いずれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない。
第七十条 衆議院が解散されたときは、解散の日から四十日以内に、衆議院議員の総選挙を行い、その選挙の日から三十日以内に、特別国会が召集されなければならない。
2 衆議院が解散されたときは、参議院は、同時に閉会となる。
第七十一条 両議院は、各々その議員の資格に関し争いがあるときは、これについて審査し、議決する。ただし、議員の議席を失わせるには、出席議員の三分の二以上の多数による議決を必要とする。
第七十二条 両議院は、各々その総議員の三分の一以上の出席がなければ、議事を行い議決することはできない。また、両議院の議事は、この憲法に特別の定めのある場合を除いては、各々その出席議員の過半数で決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。
第七十三条 両議院の会議は公開とする。ただし、出席議員の三分の二以上の多数で議決したときは、秘密会を開くことができる
2 両議院は、各々その会議の記録を保存し、秘密会の記録の中で特に秘密と認められるもの以外は、これを公表し、かつ、一般に領布しなければならない。
3 出席議員の五分の一以上の要求があれば、各議員の表決は、これを会議録に記載しなければならない。
第七十四条 両議院は、各々その議長その他の役員を選任する。
2 両議院は、各々その会議その他の手続および内部の規律に関する規則を定め、ならびに院内の秩序をみだした議員を懲罰することができる。ただし、議員を除名するには、出席議員の三分の二以上の多数による議決を必要とする。
第七十五条 予算案は、先に衆議院に提出しなければならない。
2 予算案について、参議院で衆議院と異なった議決をした場合において、法律の定めるところにより、両議院の協議会を開いても意見が一致しないとき、または参議院が、衆議院の可決した予算案を受け取った後、国会休会中の期間を除いて三十日以内に議決しないときは、衆議院の議決を国会の議決とする。
第七十六条 条約の締結に必要な国会の承認については、前条第二項を準用する。
第七十七条 法律案は、この憲法に特別の定めのある場合を除いて、両議院で可決したとき法律となる。
2 衆議院で可決し、参議院でこれと異なった議決をした法律案は、衆議院で通常国会三会期連続して同じ法律案を可決したときは、衆議院の議決を国会の議決とする。
3 前項の規定は、法律の定めるところにより、両議院の協議会を開くことを求めることを妨げない。
第七十八条 両議院は、各々国政に関する調査を行い、これに関して、証人の出頭、証言および記録の提出を要求することができる。ただし、司法権を代替する権能は認められない。
第七十九条 内閣総理大臣およびその他の国務大臣は、議案について発言するため両議院に出席することができる。
2 内閣総理大臣およびその他の国務大臣は、答弁または説明のため議院から出席を求められたときは、出席しなければならない。ただし、職務の遂行上特に必要がある場合は、この限りではない。
第八十条 国会は、罷免の訴追を受けた裁判官を裁判するため、両議院の議院で組織する弾劾裁判所を設ける。
2 弾劾に関する事項は、法律で定める。
第八十一条 日本国の伝統および慣習を尊重しない、またはこれに反する立法は許されない。
第十二章 財政
第八十二条 日本国の財政を処理する権限は、国会の議決に基づいて、これを行使しなければならない。
第八十三条 租税を新たに課し、または変更するには、法律で定めることを必要とする。
第八十四条 国費を支出し、または日本国が債務を負担するには、国会の議決に基づくことを必要とする。
第八十五条 内閣は、毎会計年度の予算案を作成し、国会に提出して、その審議を受け、国会の議決を経なければならない。
2 会計年度の終わりまでに、翌年度の予算案ならびに予算関連法律案が議決されるに至らない場合においては、内閣は、これらが議決されるまでの間、前年度の予算の範囲内で、必要な支出をなすことができる。
第八十六条 内閣は、国会の議決に基づいて予備費を設け、これを支出することができる。
2 予備費の支出については、内閣は、事後に、国会の承認を必要とする。
第八十七条 国の収入支出の決算は、すべて毎年会計検査院がこれを検査し、内閣は、次の年度に、その検査報告とともに、これを国会に提出し、その承認を受けなければならない。
2 内閣は、検査報告の内容を、予算案に反映させなければならない。
3 会計検査院の組織および権限は、法律で定める。
第八十八条 内閣は、国会および国民に対し、定期に、少なくとも毎年一回、国の財政状況について報告しなければならない。
第十三章 地方自治
第八十九条 地方自治体の組織および運営に関する事項は、法律でこれを定める。
第九十条 地方自治体には、法律の定めるところにより、その議事機関として、議会を設置する。
2 地方自治体の長、議会の議員および法律の定めるその他の公務員は、その地方自治体に居住する日本国民がこれを選挙する。
第九十一条 地方自治体は、法律の範囲内で、その財産を管理し、事務を処理し、および行政を執行し、ならびに条例を制定することができる。
第十四章 緊急事態
第九十三条 緊急事態の宣言は、次に掲げる効力を生じる。
一 内閣は、法律と同一の効力を有する政令を制定することができる。
二 内閣は、国会の議決を経ることなく、直ちに財政上必要な支出その他の処分を行うことができる。
2 前項については、法律の定めるところにより、事前又は事後に国会の承認を得なければならない。
第九十四条 内閣は、百日を超えて緊急事態の宣言を継続しようとするときは、百日を超えるごとに事前に国会の承認を得なければならない。
第九十五条 緊急事態が宣言された場合、国会の会期は、国会の承認でその継続延長ができる。また、国会議員の任期満了後または衆議院の解散後に緊急事態が宣言された場合、あらたに国会が成立するまでの間、前の国会が引き続きその権限を行うものとする。
第十五章 改正
第九十六条 この憲法の改正は、内閣または両議院の各々その総議員の二分の一以上の議員によって発議される。
2 両議院は、各々その総議員の二分の一以上の出席がなければ、憲法改正案を議決することはできない。また、憲法改正案は、各々その出席議員の三分の二以上の賛成を必要とする。
3 議決された憲法改正案は、国民投票により承認されるものとする。この承認には、国民投票において有効投票の過半数の賛成を必要とする。
4 憲法改正について前項の承認を経たときは、天皇は、直ちに、憲法改正を公布する。
5 この憲法を改正できない期間は、第三条第三項を準用する。
第十六章 補則
第九十七条 この憲法は、公布の日から起算して六箇月を経過した日から、これを施行する。
2 この憲法を施行するために必要な法律の制定および準備手続きは、前項の期日よりも前にこれを行うことができる。
JUGEMテーマ:憲法改正
新型コロナに関して、諸々の対策が取られてきたが、ブログ管理人(以下、管理人)は次の資料を読み、もはや対策を転換する時期だと判断する。
第80回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード (厚生労働省 2022年4月13日
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000929082.pdf
データを見る限り、やはりワクチン接種の効果は顕著であり、この機会に感染症法2類相当から同法5類に引き下げても何ら問題無い。
2022年1月、世界保健機関(WHO)のハンス・クルーゲ欧州地域事務局長は新型コロナについて「集団免疫」を達成し、危機の度合いが下がる可能性に言及した。
管理人も、感染をいたずらに恐れずに、日本も「集団免疫」を達成するタイミングだと思う。新型コロナで主流になったオミクロン株は感染力は強いものの、重症化率は低い。重症化を抑える飲み薬「モルヌピラビル」も特例承認され、既に処方も始まっている。
引き続き医療機関や介護施設はマスク着用などを行うべきと思うが、特別な理由が無い限りマスク無しでも構わないと思う。飲食店や多人数が集まる球場やコンサートでも不要だと思う。
一度始めた対策をなかなか改めないのは日本政府の悪い癖であるが、無駄な対策の継続は関係機関を疲弊させるだけなので、この際政策の転換を強く要望したい。
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2022.5.1
以前、次をアップした。
河豚計画2020
これは香港だったが、今回も同様な趣旨でウクライナからの移民を受け入れる計画を提唱したい。なお、前回は河豚計画だったが、外国人の皆さんを河豚にたとえるのはさすがに無礼と考え、今回から移民受入計画と改称する。
当然、受入には多額の国費が使われる。不満の声がでるかもしれない。
しかし、今回ウクライナ出身を調べていて分かったが、ウクライナはスポーツが強く、サッカーファンならアンドリー・シェフチェンコの名前を知らない人はいないだろう。
古いところでは大相撲の大鵬の父親はウクライナ出身である。(父親が白系ロシア人であることは認識していたが、ウクライナ出身とは知らなかった)
冗談は一切抜きで、若い人たちにはアンドリー・シェフチェンコの名を出し、高齢者は相撲好きが多いから大鵬の名前を出せば国民の合意はたやすいだろう。
JUGEMテーマ:憲法改正
]]>2022.4.30
ブログ管理人(以下、管理人)は、そろそろ米国やNATOを悪者にする議論が強まると予想する。プーチン好きの偽装保守と反米の左翼が共闘するなかで、メディアが火をつけるという構図。
その主力は、やはり朝日新聞系。
朝日新聞デジタル
ゴルバチョフは語る 西の「約束」はあったのか NATO東方不拡大
https://www.asahi.com/articles/ASQ3B51K1Q39PLZU001.html?iref=pc_rellink_01
朝日新聞デジタル
NATO東方不拡大、約束はあったのか 「1インチ発言」与えた言質
https://www.asahi.com/articles/ASQ4N3RW5Q48UCVL01X.html
朝日新聞だけあって、いつもながら米国叩きのツボを外さない。ロシア(旧ソ連)は1インチ発言を信じた“お人好し”で、裏切ったのは米国やNATOだと言わんばかりの論調だ。
管理人は、これに反駁するために資料を探して次を見つけた。これが良くまとまっている。
独統一の際、NATO東方不拡大の約束はあったのか
https://news.yahoo.co.jp/articles/fd8419415de12d4b2a9fd356d376f5e4104d5831
ドイツ再統一は1990年9月12日に東西ドイツ、米国、英国、仏、ソ連の6カ国外相が調印した「最終解決条約」で決まった。この条約には外国軍つまりNATO軍は東ドイツ地域に配備されないことが合意され盛り込まれている。しかし、それ以外の国への不拡大の約束はない。
こうした経緯があるから、NATOは2014年4月に公式に「そのような(不拡大の)約束はなかったし、ロシアの主張を裏付ける証拠はなんら提示されていない」との見解を発表した。ブリンケン国務長官の先の発言もこのNATOの見解を踏まえている。
これがすべてで、1989年11月にベルリンの壁が崩壊するが、ドイツ再統一の交渉でNATO東方不拡大に関する約束はなく、あったとすれば当然条約に盛り込むはずである。
当時、落ち目のソ連であっても、忘れることは絶対に有り得ない。もし、忘れたのであれば、それはソ連のミスであり、ミハイル・ゴルバチョフ(当時、ソ連党書記長)のミスである。ゴルバチョフは、いまだに日本で朝日新聞等が持ち上げているが、所詮は政治家(しかもソ連の政治家)だ。
だから、西側が裏切ったなどと道義的責任を追及される理由は、それこそ1ミリもないのだ。
蛇足ながら、前回エントリで、プーチンの戦術核について取り上げた。が、仮にプーチンが戦術核を使ったら偽装保守や左翼はどのような反応をするだろうか。それでも、やっぱり米国が悪い、NATOが悪いと言ってそうだ。馬鹿は死んでも治らない。
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2022.4.29
ロシアがウクライナに侵攻して以降、ロシアの戦車や装甲車両は、欧米の携行式対戦車ミサイルやトルコ製のバイラクタルTB2の餌食となり、ロシアの戦術や兵器の評判は地に落ちてしまった。
さらに、4月14日、ロシアの黒海艦隊旗艦「モスクワ」が沈没した。ブログ管理人(以下、管理人)は、対艦ミサイルによる撃沈だと思う。ロシアの面目は丸つぶれだ。
4月15日付のワシントン・ポストは、ロシアが米国に対しウクライナへの軍事支援は「予測不能な結果」を招くと正式な外交文書で警告したと報じた。管理人が考えるに、外交文書が出たことで戦術核を使う可能性が非常に高くなったと感じる。外交文書が出されたのは重大だ。
さらに、ロシア大統領府によれば、プーチンは4月27日「外部が介入するならば、我々の報復攻撃は稲妻のように素早い」と述べ、軍事支援を強化する米欧を戦術核使用を匂わせながら威嚇した。
面目をつぶされ、外交文書を出し、改めて核の威嚇。軍事的な行き詰まりが続いている。
そして、頭が悪いメルケル前独首相が敷いたロシア融和路線が、ここに来て完全に転換しそうだ。たとえ退役した対空戦車であっても、ドイツがウクライナに重装備を供与することは大きい。独露の蜜月関係は終わりと言えるだろう。
加えて、フィンランド・スウェーデン両国が、NATO加盟を申請しそうなこと。プーチンには屈辱で頭に血が上ることだろう。
これらに手をこまねいていれば、プーチンの威信を大きく傷つけかねない。だから、世界中から非難を浴びせられても、戦術核を使う可能性は極めて高いと思う。
国内外の敵を次々と暗殺してきたプーチンはいわば人間性欠如したタイプのサイコパス。この手のサイコパスに良心はない。ただし、ウクライナ都市部への使用は思いとどまり、同国東部の平原に落とすのではないだろうか。希望的観測になるが、米欧との核報復合戦は起こらないと予想する。
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2022.4.20
書店のPOP広告「26万部ベストセラー」が目に留まった。出版社は、朝日新聞出版。図書館では入荷予定がない。ブログ管理人(以下、管理人)は、朝日新聞系とは知りつつ誘惑に負けて買ってしまった。
196頁はなかなか含蓄がある。
地政学には批判地政学と言って地政学そのものを批判的に研究している分野が存在する。こうしたアプローチ法が出てきた背景には、「地政学は『地理』という客観的な事実に基づいて世界を分析しているように見せているが、本当に客観的と言えるのだろうか?」という根本的な疑義がある。
中略
マッキンダーに限らず、地政学に関するそのほかの専門家が唱えてきた理論や分析についても、その人の立場や、その人が生きた時代的・空間的文脈の中から紡ぎ出されたものであると言える。特に地政学は政治家や官僚が国際情勢を分析し、自国の国家戦力を考えるためのツールとして使用されてきた側面が大きいため、分析をする際の立場も為政者寄りになりがちだ。『世界史と時事ニュースが同時にわかる 新 地政学』朝日新聞出版、196頁
読後の感想を箇条書きにする。
・21頁。まるまる1頁を使ってシーパワー琉球王国を詳しく解説。シーパワーなら、米国・英国・オランダ・スペインなどを対象にすればよいのに、朝日新聞系の沖縄愛に爆笑した。
・114頁。北方領土が返還されない理由として、ロシアに地政学上のダメージが大きいと解説する。バルト3国が独立したため、ソ連はバルト海に面する多くの港を失った。そのため、国後島や択捉島を失うと冬でも凍結しない国後水道を失うのでダメージが大きいとある。
それは全くの出鱈目で、地政学的な理由は関係なく、元々ソ連(ロシア)に返還する気がまったくないから。地政学に名を借りて、嘘を広めるのは良くないと思う。
それから、監修や著者に問いたい。仮にバルト3国が独立していないなら、返還交渉が進展したのであろうか。日ソ国交回復が1956年、バルト3国の再独立は1991年。この間の約三十五年、何も進展していないではないか。
・142頁。本文では『核の廃棄を実現するには「核による勢力均衡」という思考の枠組みから離れること』とある。それが、見出しでは『核の廃棄を実現するには「核による勢力均衡」の枠組みから離れること』と、“思考の”を三文字を外していて、朝日新聞系の願望を吐露している。
・148頁。「冷戦終結後、社会主義勢力の衰退により敵をなくしていたアメリカは、テロや独裁国家という次なる敵をみつけたわけだ」とある。米国憎悪が滲み出ていて、爆笑する。
・154頁。まず、トランプがメキシコ国境に壁を作り始めたようにミスリードするが、次に引用するとおりトランプ以前から、壁を作り続けてきた。確かに無駄に喚いたトランプにも責任があるが、平気でミスリードしていいのだろうか。
朝日新聞GLOBE
https://globe.asahi.com/article/11529776
なお、米国が麻薬を消費するので中米の犯罪組織が蔓延り、それを恐れた人たちが米国に逃れているとのこと。だから、著者に言わせると不法移民が増えたのは米国のせいらしい。
管理人は貧困から逃れるため不法に移民すると考えていたので、この米国原因説は新鮮であった(笑)
・167頁。『ロシアの膨張主義は地政学的な宿命といってもいいだろう』...、114頁の解説を自ら否定している(笑)。地政学上のダメージが何故か地政学的な宿命に変わっている。
要するにロシアの膨張主義が原因で、たとえるならヤクザがいったん手にした縄張りを簡単に手放す訳がない。
・169頁。東欧諸国をNATO加盟させたから、西欧諸国とロシアの間の緊張関係が高まることになったとのこと。監修と著者によれば、緊張関係が高まった責任は、西欧諸国側のようだ。
以上であるが、管理人は監修や著者が眼光紙背に徹し、自著196頁を深く理解されるよう希望する。
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]]>2022.4.17
ツイッター利用者のなかで、日本維新の会を「降伏実現党」と揶揄することがトレンドのようだ。
橋本徹氏や鈴木宗男氏がいるから、そう呼ばれても仕方がないなと思う。しかし、本家の幸福実現党は巻き添え事故のようでなんだか気の毒と思い、党首のツイートを読んでみた。
そこには、日本維新の会とは違う、さすが幸福実現党という強烈な主張(誰かの霊言でも聞いたのであろう)が展開されていた。少しでも同情した自分を𠮟りつけたい。
とりあえず、モスクワの目と鼻の先にあるバルト3国はNATOに加盟しているとツッコミたい。
岸田首相は「今回の問題はすべてロシアによる侵略が原因」と断定しましたが、バイデン氏と同じ認識。ウクライナのNATO加盟はロシアの安全保障を揺るがす重大な危機で、モスクワの目と鼻の先にアメリカ製ミサイルが並ぶ状況はロシアにとってのキューバ危機、と理解できれば戦争は避けられた。
— 釈 量子 (@shakuryoko) April 9, 2022
党声明です。ぜひご一読を!
— 釈 量子 (@shakuryoko) April 10, 2022
「ロシアに対する追加制裁の撤回を求める」https://t.co/nCYyrYSPOL
ウクライナにNATOのミサイルが並ぶことをロシアは断固許さない。長期的視点で見れば、日露友好こそ日本の国益に適います。日本を戦場にさせないよう、外交の舵取りを誤ってはなりません。
— 釈 量子 (@shakuryoko) April 13, 2022
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]]>2022.4.15
プーチンがウクライナ侵略の目標として掲げたのが「ウクライナの非ナチ化」。その「証拠」となっているのがアゾフ運動。
では、アゾフ運動がナチ的なのか、ブログ管理人(以下、管理人)なりに考察する。結論を先に言えば、ナチというより白人至上主義の運動で、ウクライナのNATO加盟の障害になりかねない。
最初にアゾフ運動の中心人物について考える。次に関連するアゾフ大隊の時系列をまとめる。末尾記載の情報を参考にした。
アゾフ運動の中心人物
アゾフ運動は、極右組織「ウクライナの愛国者」を以前率いていたアンドリー・ビレツキー(以下、ビレツキー)が中心になっている。
2015年、白人至上主義と反ユダヤ主義を否定したようだが、冒頭で「悪名高いネオナチ」と特定されているのは、さすがに笑う。
https://khpg.org/en/1443479556
Even the most notorious neo-Nazi in Ukraine’s parliament recently denied having previously made white supremacist and anti-Semitic utterances
ただ、過去の発言(2010年)から想像するにビレツキーは、やはりネオナチというより白人至上主義者と思われる。
Biletsky has toned down his rhetoric in recent years, but the former Azov battalion commander declared in 2010 that the Ukrainian nation’s mission was to “lead the white races of the world in a final crusade … against Semite-led Untermenschen [subhumans]”
訳すると次のようになるのだろうか。
“(ウクライナの使命は)世界の白人人種を最後の聖戦に導くこと、ユダヤ人が指導した人間以下の劣等人種に対抗して”
念の為、管理人はネット検索で、ビレツキーが英ガーディアン紙の記事(2018年)を直後に否定したという事実があるかどうか調べてみたが、どうしても見つけられなかった。(直後に否定した事実をご存じの方は、ぜひコメント欄でご教示ください。)
ただ、この話を英ガーディアン紙が捏造したとは思えない。それこそ、ウクライナ・英国間の国際問題になりかねない。
これらから、想像するに、その時(2010年)は、むしろ白人至上主義者の「トップランナー」として売名し、人集めや資金集めをしたかったのではないだろうか。
ちなみに、アゾフ大隊(2014年にビレツキーが創設)はほとんどがロシア語を話す正教徒で、カトリック・プロテスタント・イスラム教・ユダヤ教を信仰する人もいれば、無神論者もいる。管理人が想像するに、白人至上主義なので要するに白人ならなんでも歓迎といったところか。
現アゾフ連隊(アゾフ大隊の後身)の役割は国家親衛隊の特別部隊であり、ウクライナ大統領のみに従属する。その大統領のゼレンスキーはユダヤ系だ。
なお、英タイムズでは、a white supremacist とされている。
(アーカイブ保存+URL短縮サービス利用)
アゾフ大隊(現アゾフ連隊)の時系列
2014年 ロシアがクリミアを侵略し、親ロシア分離主義者がドンバス各地で領土奪取を始めたときにアゾフ大隊が結成された。この時は義勇兵がきっかけになった。
2014年6月 マリウポリ奪還に貢献。英雄となる。
2014年11月 ウクライナ内務大臣アルセン・アバコフの署名によってアゾフ大隊は正式にウクライナ国家親衛隊に編入された。この時から正式に「連隊」になったが、数年間はアゾフ大隊と呼ばれていたようだ。
2014年〜15年 CNNは、アゾフ大隊がネオナチのエンブレムを採用していると報じた。(管理人は、国家親衛隊に編入されても、しばらくの間は自律した民兵組織だったと想像している。ちなみに、2021年になっても、国家とは別に新興財閥から資金提供を受けていたようだ。)
2015年3月 アゾフ旅団(注1)のスポークスマンは、USA TODAYの取材のなかで「メンバーのうち10%から20%がナチス」と認めている。個人の信条と、アゾフ大隊の公式イデオロギーとは別かもしれないが、実際そんな信条を持つ人間が相当数いる時点で、世界から批判の的になって当然だ。
2016年 アゾフの軍事部門と政治部門が分離。軍事部門は既にウクライナ国家親衛隊に統合されている。政治部門は「国民軍団党」として設立された(ビレツキーが結成した)。政治部門は、ウクライナ軍では許されない過激な活動をするため、アゾフ運動を立ち上げた。なお、国際人権高等弁務官事務所はアゾフを含むドンバス紛争の双方の武装集団を人権侵害で非難した。
2018年 「国民軍団」は、米国務省からヘイト集団と名指しされた。同政党の国際部門トップがネオナチが主催するフェスティバルに参加した。
2019年 ウクライナの選挙において、アゾフの政治団体「国民軍団」は得票率2.15%。ビレツキーは議席を失う。同政党の国際部門トップがスウェーデンの極右集会で英国のネオナチの人物と一緒に講演した。
以上が、創設者とアゾフ大隊の時系列である。
これから管理人が想像するに、アゾフ大隊も結成時はろくでもない連中もいたが、本当の意味で愛国心に燃えるウクライナ人(管理人注・ただし、アゾフに加わるのだから知性はあまりない)も続々加わり、意外にも親ロシア分離主義者に善戦した。
「悪貨は良貨を駆逐する」ということわざがあるが、このケースは例外的に「良貨が悪貨を抑えた」ことになろう。
ただ、ウクライナ政府もアゾフ大隊の由来を知悉しており、いずれ国際的な問題になりかねないと認識していたはずだ。これは管理人の想像であるが、政府側の強い働きかけで2016年に軍事部門と政治部門を分離させ、国家の軍に編入し懐柔しようとした。
が、それでも今なおアゾフ連隊はアゾフ運動と手が切れていない。2021年の時点で、アゾフ連隊はアゾフ運動の青年指導者の訓練に関わっていたらしい。アゾフ連隊のウェブサイトにはアゾフ運動のYouTuberチャンネルへのリンクが掲載されている。
ただ、英雄化されており、ウクライナ政府としても腫れ物を扱うようなものだろう。
そこをプーチンに「非ナチ化」として狙われた。
大まかにアゾフの成り立ちをまとめてみたが、日本人には分かりにくい。そこで、仮の話でたとえてみたい。
中国が尖閣に上陸作戦を開始した。同時に、日本国内にいる在日中国人が沖縄県は中国領だと分離独立を求めて大騒乱を起こした。沖縄県の警察は人権活動家が怖くて強硬策が取れない。尖閣侵略の対応で右往左往する政府。そこで悪名高い在特会が沖縄入りして分離独立を求める中国人と対峙した。そして、それまで在特会と関係なかったが愛国心に燃える若者が参加し、結果的に分離主義者の中国人を抑え込んだ。その際、相当数の死者が出たこともあり、それまでの悪名とは別に領土を守った英雄となった。しかし、在特会は在特会であり危険なことには代わりがない。いつ何時日本政府に刃を向けかねない。そこで、その民兵を国家の軍隊(懐柔目的もあって国家親衛隊として優遇した)に組み入れ在特会と分離を図ってみたものの、在特会とのつながりは消えない。いったん英雄となった在特会を完全に潰すのは難しく、政府の頭痛の種になっている。
こんな感じだろうか。いずれにしても、アゾフ運動は論外としても、アゾフ連隊自体もウクライナの暗部である。
ただ、プーチンのいう「ウクライナの非ナチ化」は妄言で、アゾフ運動やアゾフ連隊はウクライナの一部であって全てではない。ウクライナ全体がナチ化している訳ではない。だからロシアによるウクライナ侵略は、ロシア側に絶対的な非がある。
再度、たとえてみる。在特会が存在するからといって、日本政府や日本人が在特会化している訳でない。
しかし、プーチンに弱点を突かれているのは事実である。
さて、話はそれるが、在日ウクライナ人で言論活動しているグレンコ・アンドリー氏はアゾフをどう考えているだろうか。次のツイートを見つけた。
ウクライナ専門家の岡部教授は、「ウクライナはネオナチ」というロシアのプロパガンダに反論しています。よかったらご覧下さい。https://t.co/pOFvMCvaAd
— グレンコ アンドリー(新刊「NATOの教訓」増刷決定) (@Gurenko_Andrii) March 30, 2022
紹介されている動画では、アゾフ大隊が内務省の公務員(管理人注・国家親衛隊のことか)になった時点(2014年)でネオナチや極右的人物は排除されたとしている。
しかし、それは間違いだと指摘したい。2015年3月の時点で、「メンバーのうち10%から20%がナチス」とアゾフ旅団のスポークスマンが認めているし、2021年の時点でアゾフ運動とアゾフ連隊の結びつきは消えていない。
では、ここで疑問が出る。
なぜ、グレンコ・アンドリー氏(以下、グレンコ氏)は、アゾフの解説を自ら行わず他人(しかも日本の教授)に丸投げしたのであろうか。ネットの一部では、グレンコ氏とアゾフの関係疑うツイートが流れてくる。
知性のあるグレンコ氏がアゾフと関係があるとは到底思えない。
知性があるからこそ、強くアゾフ運動を嫌悪しているのだと思う。ただ、自国の暗部をさらけ出すのはさすがに辛く、距離を置きたい感情があるのではないか。また、国家存亡の危機において、内輪揉めは敵に利すると判断しているのだろう。
それとは別に、アゾフ連隊の中にいる正しい意味の愛国者ウクライナ人(管理人注・アゾフに加わるのだから知性はあまりないが、ネオナチとは無縁の領土防衛に命をかける兵士)に誇りを感じるので、その点も同氏の心中を複雑にしており、結局一番安易な他人への丸投げになってしまったのではないか。
以上であるが、グレンコ氏には、適切な時期にご自身の言葉でアゾフ運動やアゾフ連隊について語ることを希望する。なお、これはグレンコ氏に対する批判ではなく、同氏の代弁と管理人からの激励である。
閑話休題。
グレンコ氏の『プーチン幻想「ロシアの正体」と日本の危機』(PHP出版、2019年)の61頁以降に、プーチンと欧州右翼の親和性について記述がある。プーチンが反米やEU弱体化のために、欧州の極右や極左と繋がっているという指摘に、管理人も全く同意見である。
管理人は、それに加えてアゾフ運動の人脈とロシアは裏で繋がっていると考えている。確かにアゾフ大隊は親ロシア分離主義者と戦っているが、アゾフ大隊の結成後一番得をしたのは誰か。
それは、前述の時系列のとおり、欧米に少なからず警戒心を抱かせ、さらに「侵略の口実(言いがかりにすぎないが)」を与えている点から、トータルで考えればロシアだ。
現在ウクライナはNATO加盟を望んでいるが、NATOの加盟は加盟国すべての同意が必要なので、メンバーの10%から20%がネオナチであったアゾフ連隊が国軍にいることはマイナスに働くだろう。NATOの東方拡大を望まないロシアにとって、アゾフ運動やアゾフ連隊は”味方”なのだ。
それから、こんな話をすると陰謀論と思われるかもしれないが、あれほど暗殺を得意とするプーチンが、ビレツキーを野放しにしているのは何故だろう。2014年から現在まで一度も暗殺未遂が無いのは、どう考えても不自然であろう。
まとめ
・アゾフ運動は論外としても、アゾフ連隊自体もウクライナの暗部である。
・アゾフ運動やアゾフ連隊があるからといって、ウクライナがナチ化している訳ではない。
・プーチンは弱点をついている。
・管理人の推測では、アゾフ運動の人脈とロシアが裏で繋がっている。
・そもそも論として、今回のロシアは個別自衛権でも集団的自衛権でもなく、安全保障理事会の武力行使容認決議が出ている訳でもない。完全にロシアの侵略である。
参考
CNN
https://www.cnn.co.jp/world/35185777.html
Wikipedia 日本版 アンドリー・ビレツキー
https://is.gd/keNB8I URL短縮サービス利用
Wikipedia 英語版 Andriy Yevhenovych Biletsky
https://en.wikipedia.org/wiki/Andriy_Biletsky
Wikipedia 日本版 アゾフ大隊
https://is.gd/PKZqIj URL短縮サービス利用
Wikipedia 英語版 Azov Battalion
https://en.wikipedia.org/wiki/Azov_Battalion
注1:軍隊の編制で考えてみると、一般的に大隊300人〜1000人、連隊500人〜5000人、旅団2000人〜5000人である。(前述のUSA TODAYの記事によれば、900人のメンバーともある。)
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]]>2022.4.3
ブログ管理人(以下、管理人)が感じる、最近の陰謀論界隈のムーブメント。
凡庸な陰謀論ーアメリカの陰謀・軍産複合体の陰謀・ユダヤの陰謀・国際金融資本の陰謀ーを言っても、旬を過ぎた感が否めない。また、手厳しい反論にあう。
そんななかで、一人気を吐くのが「ディープステートの陰謀」。ディープステートは、トランプ元大統領や当時の高官が使うことで広まったが、要するに大統領の方針や政策に反対する勢力を一括りにしたもの。(管理人は、大統領や高官は陰謀論めいた言葉を使うべきでなかったと思う。)
そして、案の定、そのディープステートは陰謀論好きを虜にし、いま陰謀論界隈ではディープステート(略称はDS)=世界を操る影の政府と解するらしい。しかし、さすがに”世界を操る影の政府”を信じる大バカはごく少数と思う(笑)
そして今、陰謀論は姿を変えつつある。
それが、「〜の陰謀」を使うのではなく、「〜にも一定の責任」と言い換えること。
ロシアによるウクライナ侵略では、「NATOの陰謀」の代わりに「NATOにも一定の責任」が使われている。管理人は、そうした言説を聞くたびに「NATOって、いつロシア領に侵攻したの?」と爆笑している。
こうしたパターンは「ロシアも悪いがウクライナにも一定の責任がある」「プーチンは批判されて当然だが、ゼレンスキーにも一定の責任がある」にも使われるので覚えておきたい。
勿論、日常では「〜にも一定の責任」を使うことが多い。だから、それがすべて陰謀論につながる訳でないのは言うまでもない。要諦は、物事の背景をしっかり理解し、陰謀論の偽装に使われていないかどうか見破ることだ。
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2022.3.31
拙ブログをご覧の方であれば、説明は不要かと思うが念の為記したい。
2014年ウクライナ東部上空、マレーシア航空17便はミサイル攻撃によって撃墜され乗員乗客298人全員が死亡した。
Wikipediaには『オランダ安全委員会(オランダ語版、英語版)(DSB)とオランダ主導の合同調査団(英語版)(JIT)に調査責任が委託され、調査団はウクライナの親ロシア分離主義に支配された地域から発射された地対空ミサイル「ブーク」によって、旅客機が撃墜されたと結論付けた[15][16]。JITによると、使用されたブークは元々ロシア連邦の第53対空ミサイル旅団にあったもので[17][18][19]、撃墜当日にロシアから輸送され、反政府勢力の支配地域である場所から発射され、その後ロシアへと戻った』とあるが、ブログ管理人(以下、管理人)もこの結論に同意する。
ミサイル発射の操作は、ロシア兵の指導の元に行われたのは想像に難くない(もしくはロシア兵が発射した)。ロシアの関与は疑う余地がない。
加えて、管理人の記憶に新しいが、当初ロシア側の主張に「プーチンの乗った大統領機を狙ったミサイルが誤って旅客機を撃墜した」もあったことだ。管理人は、あまりの異常さに身震いした。
そして、2022年ロシアによるウクライナ侵略。
ロシアの行為は国際法に反し侵略そのものである。ウクライナ側の落度といえば、全面的な侵攻はないだろうと油断したぐらいで、絶対的な非は侵略したロシア側にある。
そして、ロシアは、安保理会合において、「ウクライナでの米国の生物兵器開発問題」を議題に、公開会合を2度要請したという。
これも、以前の「大統領機を狙ったミサイルが誤って撃墜した」と同じで、こんな荒唐無稽な子供騙しで世界を牽制できると考えているようだ。
さて、本題だが、こんなロシアのウクライナ侵略に対し「戦争反対」を使う人達がいる。
この「戦争反対」を使う人を大まかに分析すると、(1)あまり物事を考える習慣が無い人(2)多少考える力はあっても国際法を全く理解できない人(3)活動家でなくても憲法九条されあれば世界は平和になると本当に信じている人(4)どちらが侵略したかという事実をぼかしたい人、この四タイプがいると思う。
だから、メディアで今回侵略を語る人間が現れたら、この点に留意しよう。「戦争反対」を使ったら、上記のいずれかだ。そして「戦争反対」の延長で「ロシアだけでなくウクライナも武器を取ることを止めよう」と変わり、侵略されたウクライナにも武装解除を提案しかねない。
実際問題として「戦争を止めるため対戦車兵器のジャベリンなどの供与に反対する」とか言い出しかねない。平気で「戦争反対」を垂れ流すメディアがある以上、日本政府も世論もそうした方向に進みかねない。それを危惧する。
なお、管理人はロシア非難をしているが、すべてのロシア人を謗るわけではない。身の危険がありながら(殺害される可能性がありながら)、ロシア国内でデモを行ったり、反プーチンを語るロシア人YouTuberには敬意を払いたい。
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保守主義にも憲法改正にも全く関係のないエントリである。音楽のことを書くのも最初で最後だと思う。
ブログ管理人(以下、管理人)は、音楽の素養は無いし楽器の演奏はまったくできない。ただ、そんな管理人であっても、ピアノ演奏の動画を少し楽しめるようになった。
それで、気が付いたことがある。
日本人の若い女性ピアニストは大勢いるが、その人なりに似合ったドレスを着ている人は少数で、大半は似合っていない。個人の趣味嗜好と言えばそれまでだが、もう少しヴィジュアルに気を配ったほうがいいのではないか。
加えて、不自然なまでに体を前後左右に揺らして演奏する。それでも卓越した演奏であれば、その人の確立した演奏スタイルだと思う。しかし、それで普通の演奏だと単なる自己陶酔ショーと化す。
何かもったいない。誰か注意してあげればいいのにと思う。師匠と呼ばれる人たちは、そうした点を指摘しないのか。テクニックにしか関心がないのか。いろいろ疑問が湧いてくる。
ここで、二人のピアニストを挙げたい。
偉大なピアニストのひとりであるMartha Argerichの映像を過去から現在に至るまで可能な限り調べてみたが、違和感を抱くことが無かった。
Yuja Wangというピアニストの衣装はとても派手(煽情的かも)だが、自己演出力が非常に高いせいか演奏と合っている。(このピアニストを言語化するのは凄く難しい)
以上である。
なお、ヴァイオリンなど他の楽器演奏者にも変な人はいる。しかし、その数は少ない。ピアノが突出しているのは何故だろうか?
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町内の方が「神社の係をやって欲しい」と自宅を訪ねてきた。話を聞くと「時々集まって神社の掃除をする係」らしい。
自主的にやられることにケチをつける気はない。また区費から寄付として神社に支出されることも異論はない。しかし、そもそも、ブログ管理人(以下、管理人)は氏子なのか?
神社本庁の「氏神と崇敬神社について」が分かりやすい。
https://www.jinjahoncho.or.jp/omairi/jinja_no_namae/ujigami
管理人は、各地の神宮・大社・神社を崇敬し参拝もするが地域の氏神に護られている意識は全く無い。氏子意識も皆目無し。そんな者にも、氏子の真似をさせないと成り立たないのであれば、その氏神神社の「寿命」は尽きているではないか。
こんなことを考えている時点で保守主義失格なのかもしれない。
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前回、邪馬台国宮崎説をエントリしたが、今回は書き洩らしたことを追加する。前回同様に基礎情報は省いてあり、興味ある人向けになっている。
1.狗奴国はどこか
狗奴国は鹿児島と熊本の一部(もしくは全部)。邪馬台国連合は筑後川を最終防衛ラインとした。この点は以前のブログと同じである。
2.吉野ヶ里遺跡
以前のブログでは、投馬国を吉野ヶ里遺跡に比定したが、これは取り下げたい。重要な国であることは間違いないと思うが「其餘旁國遠絶 不可得詳」の旁國の一つだと考える。
ところで、邪馬台国を論じる方々のかなりの割合は「国を守る」という意識が希薄だ。三国時代、呉は長江という大河で魏を防ぎ、蜀は険しい山脈で防いでいた。邪馬台国を考えるにあたり、どこの川で守るのか、どこの山で守るのか、砦をどこにするかなど、もう少し考慮すべきだと思う。
3.邪馬台国における「國」とは?
都市国家を辞書的に「広領域国家や世界帝国の成立する前段階に、中心集落をもつ小地域につくりあげられた政治的共同体」(百科事典マイペディアより)と定義すれば、邪馬台国の「國」と同じと思われる。
この点はブログ管理人(以下、管理人)も以前は曖昧であったが、前回エントリで明確に認識した。邪馬台国連合とは、すなわち都市国家連合といって差し支えないだろう。
4.鉄器の生産
管理人は「鉄器の生産力=国の力」と漠然と考えていたが、前回エントリの前にその考えは捨てた。交易で鉄が入手できれば、それで事が足りる。この点に限れば大和説も有力だ。
5.弥生時代の遺跡数や規模
管理人は絶対視していない。
6.稲作
稲作は重要だが、前述の鉄器の例と同じく交易で米を得た可能性もある。また、卑弥呼の存在から、邪馬台国は宗教都市の性格を有していたのではないか。それであれば、門前町のような経済活動も十分に考えられる。
7.畿内説では方位を南から東に読み替えた。だから…
だから、狗奴国は邪馬台国の東(魏志倭人伝は南)にあったらしい。要するに、一度読み替えたことは二度あるという発想らしい。それで狗奴国を濃尾平野や関東などに比定するらしい。
さすがに無理ではないか。
畿内説でも素直に南とし、狗奴国は熊野としたほうがはるかにマシだ(そのような畿内説もある)。なお、魏志倭人伝では女王国の東に倭種がいるのだが、この東はどうするのだろうか。南を東に読み替えた訳だから、今度は東を北に読み替えるのだろうか。それとも東は東のままだろうか。
なお、魏の使節は日本海ルートで畿内に行ったという説がある。日本海ルートでも瀬戸内海ルートでも構わないが、狗奴国をどう説明するのか。
邪馬台国は畿内で狗奴国は肥後という説もあるが、これだと『女王國東渡海千餘里、復有國、皆倭種』が説明できないと思う。
以上だ。
なお、管理人は宮崎説に固執しない。優れた論が発表される、または考古学的新発見があれば自説を変更したい。
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(今回のエントリは邪馬台国に関心がある人向けで、基礎情報は省略している)
以前、ブログ管理人(以下、管理人)は、大分県・福岡県の豊前市・大牟田市・福岡県の筑後川下流南側(みやま市、柳川市)・久留米市が邪馬台国であると推理した。
しかし、その後、色々な知識を得て今回これを改める。結論を先に言えば、邪馬台国は宮崎にあったと推理する。
その結論に至った理由を述べる。
1.名護屋浦
管理人はGoogleマップを見ていた時、佐賀県唐津市の名護屋城跡が目に留まった。
この城は、豊臣秀吉が朝鮮へ出兵するため築かせた。城を囲むように大名達の陣跡がある。そして、名護屋浦は軍船が停泊していたと思われる。
名護屋浦は、湾入で嵐や波浪に強い地形だ。仮に、魏の使節(以下、使節)の船が停泊するとしたら、優れた湊だったのではないだろうか。
ここを起点にして東には糸島市がある。名護屋浦から見て糸島市の西側(JR九州筑肥線の筑前深江駅付近)は東南だ。
こう考えると、魏志倭人伝に出てくる末盧国をこの一帯(つまり名護屋浦周辺)と比定しても矛盾がない。一大国に比定される壱岐島に一番近い。
論者の多くは、末盧国を唐津湾に面する松浦川周辺に比定するが、これだと糸島市は「東北」の方角になってしまう。だから今まで、管理人はこの比定に強い拒否感があった。が、同じ唐津市であっても名護屋浦ならば方角的に問題はない。また、秀吉が博多湾や唐津湾ではなく名護屋浦を選んだことも重きをおきたい。
こうして末盧国(名護屋浦周辺)を出発した使節は、唐津湾を横目で見ながら糸島市に入る。徒歩の移動は盗賊に狙われる恐れがあるが、一大率のある伊都国から屈強の護衛が派遣されていたと思われる。管理人の想像であるが、筑前深江駅付近から現在の福岡県道49号に沿うように移動したのではないだろうか。
だから、ここを伊都国にしても矛盾はない。さらに、日向峠を越えて(つまり、東南)、福岡市方面へ。ここ一帯が奴国。福岡市・那珂川市に比定できる。
ここで一つ疑問が生じる。方角的に日向峠が正しいにしても、なぜわざわざ山道を選んだのか。仮に、周船寺駅(JR)・今西駅(JR)あたりを進んでいけばもっと簡単に奴国に入ることができるはずだと。
これは「鬼門」を意識したのではないだろうか。Wikipediaによれば、すでに後漢には「鬼門」という概念があったようだ。そうすると、仮に、使節を福岡県道49号付近にあった糸島市内の「迎賓館」に迎え、そこから使節を送り出すと今西周辺は北東になる。つまり、鬼門を避け日向峠に行ったのではないだろうか。日向峠自体、標高247m程度の低山だ。古代の山道であっても一日で山越えできる距離だから、それほど難儀ではなかったはず。
2.四王寺山周辺
魏志倭人伝では奴国の東に不弥国がある。
管理人は、Googleマップを眺めていて、奴国の東にある宇美町を含む四王寺山周辺の重要性に気づいた。その地は太宰府市や大野城市にまたがるだけでなく、日本書紀にも記述された大野城もある。
四王寺山からみれば奴国の動きが手に取るように分かる。そして伊都国と不弥国で、奴国を挟む形になり、いったん乱が始まれば直ちに挟撃できる。そうした体制に感心した使節が国名を書き留めたのではないだろうか。(管理人は、この当時は外国からの防衛拠点というよりも奴国の牽制の役割が強いと想像する。)
こう考えると、不弥国を四王寺山一帯に比定できる。
加えて、不弥国には水運もある。それは、四王寺山西側の御笠川だ。ここから舟に乗れば下流にある現在の博多ふ頭近くに出る。そこから水行で投馬国、水行と陸行で邪馬台国に到達する。
末盧国から東方向に進んできたので、ここから西方向に進むことは理屈に合わず、関門海峡を通って南に水行したと考えるのが合理的だ。
こう考えていくと、邪馬台国が九州東部にあったと推理できる。
3.渡邉義浩氏の論考
管理人は、ネットにある渡邉義浩氏(以下、渡邉氏)の論考「『三国志 』東夷伝 倭人の条に現れた世界観と国際関係」を読んでみた。(次のURLをクリックするとダウンロードする)
https://spc.jst.go.jp/cad/literatures/download/6
渡邉氏は早稲田大学文学学術院教授。中国の三国時代に詳しい。同氏は邪馬台国大和説を主張されているようで、管理人とは立場が違うがとても参考になった。
以下、参考にしながらも管理人の見解である。
当時の中国は魏呉蜀の三国時代。司馬懿が公孫淵を滅ぼし、それにより倭国が魏に朝貢することが可能になった。司馬懿は、曹真による大月氏国朝貢の功績に対抗するため、東に新しい朝貢国を得る実績を欲した。(注1)(注2)
この時代、魏呉蜀は正統性を争っていたので、進んで朝貢する国は貴重であり、それゆえ「親魏倭王」として破格の待遇になった。
その後、魏が禅譲により滅亡し西晋が成立したが、初代皇帝に即位したのは司馬懿の孫の司馬炎。魏志倭人伝をまとめたのは西晋に仕えた陳寿であるから、司馬懿や司馬一族を忖度することはやむを得ない。
ちなみに、同論考によれば「大月氏国の場合は洛陽から16370里」「邪馬台国は洛陽から17000里」。要するに、陳寿は対比させて距離を調整し、司馬懿に軍配を上げたと思われる。
さらに魏志倭人伝の「計其道里、當在會稽東治之東」については、倭国が會稽東冶之東に「在るべし」と陳寿の「理念」が語られているとのこと。
今まで管理人は、この會稽東治之東について、呉の背後を牽制する“創作”だと考えていた。が、魏志倭人伝は呉が滅びた後にまとめられている。つまり、牽制する理由がない。まさに渡邉氏のいう陳寿の「理念」を表現したものになる。この点、管理人は考えを大きく改める。
以上から、距離をあれこれ議論するのも意味がない。
さらに、同論考によると、『後漢書 』列伝七十八西域伝大月氏国の条における大月氏国の戸は十万。魏志倭人伝では、邪馬台国七万戸・投馬国五万戸・奴国二万戸。人口も距離のように対比させたのではないか。
4.人口の考察
そこで、人口について次のように考察してみた。
九州の吉野ヶ里遺跡の人口は、最盛期で外環壕内部におよそ1,200人、吉野ヶ里を中心とするクニ全体では、5,400人くらいの人々が住んでいたと思われる。(注3)
そして、魏志倭人伝には「今、使訳通ずる所は三十国」とあるので、大小あれど30国はあったとする。すると、前述の5,400人×30国=162,000人という試算も、大雑把であるが成立するのではないだろうか。
勿論、吉野ヶ里遺跡は国内最大級の遺跡と考えられているので、邪馬台国と敵対する狗奴国を合算しても16万が最大値となるだろう。(注4)
このように考えると、邪馬台国が5,000人程度のクニであった可能性も十分有り得る。むしろ、この程度の規模と考えたほうが妥当ではないか。
管理人が以前推理した邪馬台国は、この人口に対するアプローチがまとまらず、七万戸という戸数の大きさに引っ張られて、筑後川流域という広範囲の国になってしまった。これは誤りなので認識を改める。
これに関連するが、卑弥呼に仕えた婢の人数「以婢千人自侍」、卑弥呼の墓の大きさである「徑百餘歩」、殉死者の数「徇葬者奴婢百餘人」なども、結局陳寿の忖度や理念があったと思われるので信用できない。(注5)
4.各説を「渡海」「水行」及び方角の面から検討してみた
まず、「南至投馬國 水行二十日」「南至邪馬壹國 女王之所都 水行十日陸行一月」について考察したい。
魏志倭人伝の特徴として「渡海」「水行」の二つが使われている。その意味は渡海は海を渡ることであり、水行は海岸沿いに湊に停泊しながら移動することだと考えられる。
ただし、水行について注意を要する。それは魏志倭人伝には「循海岸水行」ともあるので、例えば川の岸辺に沿って船で進むことも「水行」としている可能性がある。これも考慮しながら、各説を検討したい。
・邪馬台国熊本説
いくつかの川を使い、最後は筑後川に出てそこから下っていった(つまり、南に水行した)可能性はある。しかし、熊本説は「女王國東 渡海千餘里 復有國皆倭種」にあるような東に渡海できない。渡海できない以上、熊本説は消える。
ただし、熊本〜宮崎、熊本〜大分にまたがる邪馬台国であれば話は別になるので、管理人なりに検討してみたい。(九州山地を跨ぐ邪馬台国はさすがにイメージできないが)
・邪馬台国鹿児島説
同様に筑後川から下っていた可能性がある。しかし、魏志倭人伝に「其南有狗奴國」とあり、鹿児島に邪馬台国があるなら狗奴国は南の海上に飛び出してしまう。南の海上に狗奴国があるはずがない。だから、この説も消える。
では、仮に魏志倭人伝の方角が間違っていた場合、もしくは陳寿が恣意的に操作した場合、つまり東に邪馬台国があった場合を考える。
・邪馬台国畿内説
・邪馬台国大和説
仮に、畿内や大和に邪馬台国があったとする。しかし、「女王國東 渡海千餘里 復有國皆倭種」に合致しないので、この時点で消える。伊勢湾を渡るという説もあるようだが、これは「渡海」にならない。なぜなら、海岸沿いを水行できるからだ。
ところで、大和説を主張される方は、どうして大和から九州の土器がほとんど出ていないことに言及しないのだろうか。伊都国・奴国と交流があるのなら、当然九州の土器が一定の割合で見つかってもいいはずだ。(注6)
・邪馬台国徳島説
比較的新しい説であるが、確かにこれだと四国から畿内へ渡海となる。しかし、この説の弱点は、この説であっても末盧国や伊都国が九州にあることで、九州から四国に渡海しなくてはならないが、魏志倭人伝にそうした記述は無い。
ただし、いろいろな説があるなかで、この徳島説を完全論破するのは殊のほか難しい。畿内説・大和説を否定するほうが容易い。
ところで、徳島説を主張する方は、残念なことに変な根拠を付けてしまう。例えば、魏志倭人伝に出てくる丹(辰砂)から徳島の採掘遺跡を根拠とする。辰砂が採れるのは徳島だけではないのに。(これについては、Wikipediaの「丹生鉱山」の項目が詳しいので、そちらを参照して欲しい)
こうして、代表的な説を水行と渡海等で一つひとつ検討すると、結局矛盾の少ない地は九州東部になってくる。(注7)
5.地政学で考える「邪馬台国は大分か、宮崎か」
邪馬台国の南に狗奴国があることを考えると、福岡東部は考えにくい。なぜなら、大分・宮崎・鹿児島・熊本(すべてか一部)が狗奴国になってしまい、巨大すぎる国になってしまう。だから大分か宮崎のどちらかにあったと考えるのが合理的である。しかし、どちらかに決めるのは難しい。
そこで地政学で検討したい。
仮に、宮崎に邪馬台国があれば、狗奴国が日向灘を制し豊後水道を超えるのは難しいだろう。だから周防灘や伊予灘の海上の安全は確保されるだろう。
それに引き換え、邪馬台国が大分だとすると、日向灘は狗奴国が制し、豊後水道は邪馬台国と狗奴国が争うことになるだろう。周防灘や伊予灘の安全も確保できない。
このように地政学的に考えれば、宮崎に邪馬台国があった蓋然性が高い。加えて、大分に投馬国があり、邪馬台国と投馬国が利益共同体として固く協調し、狗奴国の北上(海路、陸路とも)を阻んでいた可能性がある。
ただし、投馬国は福岡東部にあり、大分県には「其餘旁國遠絶 不可得詳」の国があった可能性もある(複数の国も考えられる)。
6.卑弥呼の居館はどこか。そして墓はどこか。
卑弥呼は使節を接見しただろうか。管理人は、使節は伊都国に常駐し、そこで卑弥呼や邪馬台国の話を聞き取ったものと考える。奴国や不弥国には訪れたと想像するが、そこまでであろう。
例えば、壱与については「復立卑彌呼宗女壹與年十三爲王」のとおり、実際の年齢まで詳しく記されているので、使節の張政が直接会ったと推測できる。(壱与は邪馬台国から出向いて、伊都国で直接交流したのではないだろうか)
卑弥呼については「年已長大」で年齢が曖昧なのだ。この記述の差から、管理人は直接会っていないものと推理する。その上、陳寿の忖度。前述の「理念」も加わる。だから、正確な居館について、よほど考古学的な発見が無い限り、特定するのは難しいと思われる。
ただ、狗奴国から侵攻に備えるとすれば、やはり宮崎を流れる大淀川と一ッ瀬川を天然の要害とするはずだ。そう考えると、現在の航空自衛隊新田原基地付近だったら面白いと思う。近くには新田原古墳群もある。
卑弥呼の墓については、以前のブログでも述べたように、必ずしも邪馬台国出身の女性だとは断定できない。そのため、宮崎にあるかどうか不明。しかも、前述したように、陳寿の“曲筆”があると思うので墓の大きさも分からない。
したがって、墓の所在はよほどの画期的な発見、例えば墓から親魏倭王の金印が出てくる等がない限り無理と思われる。(出てきても確定ではないが)
7.官と副から見えてくること
魏志倭人伝に記述されている官と副は次のとおりである。
對馬國→其大官曰卑狗、副曰卑奴母離
一大國→官亦曰卑狗、副曰卑奴母離
伊都國→官曰爾支、副曰泄謨觚・柄渠觚
奴國→官曰兕馬觚、副曰卑奴母離
不彌國→官曰多模、副曰卑奴母離
投馬國→官曰彌彌、副曰彌彌那利
邪馬壹國→官有伊支馬、次曰彌馬升、次曰彌馬獲支、次曰奴佳鞮。
これを見て気づくのは、對馬國と一大國は同じということ。これは邪馬台国連合によって官(おそらく長官の意味か)と副(副長官)を送り込まれたと考えられる。そして、奴國・不彌國には副に卑奴母離とある。これも邪馬台国連合が定めたと思われる。
だから、卑奴母離さえいない投馬國は別格であったような気がする。
なお、末盧国には官や副が無い。これは想像であるが、一大率の配下が末盧国に常駐しており、小高い場所(例えば前述の名護屋城跡付近)から海を見張っていたのではないだろうか。一大率の配下がいるので、官や副が不要であったと推理する。また、王も不在であったと思われる。
8.魏が邪馬台国連合を選んだ理由
邪馬台国畿内説や邪馬台国大和説の論者は、既に大和朝廷があるから九州の豪族に親魏倭王を与えるはずがないと考えているのではないだろうか。
しかし、これには魏の情勢に基づいて反論できる。
司馬懿は179年生れで、公孫淵掃討は238年。つまり59歳の時に出陣した訳で、当時としてはかなりの高齢。残された時間は少ない。
そして皇帝の一族(曹家)は健在。当時の権力争いの敗者は「族滅」も珍しくないので、司馬懿もかなり焦っていたと思う。
そこで、司馬懿は、急いで九州の倭国(つまり、邪馬台国連合)と接触したと想像する。当時の日本国内の事情を詳しく調べることもなく、朝貢の手柄作りを急いのだと思う。ちょうど倭国からの使者もいたので、もっけの幸いと利用した。
それどころか、畿内に大きな勢力(つまり、大和朝廷)があることを知りつつ、外交に時間がかかることを恐れて九州の邪馬台国連合を選んだ可能性さえある。
これが真相だと思う。
9.神武東征と邪馬台国
以前、ブログで少し触れているが、九州南部は火山によるシラスが広がっている。保水性に乏しいので稲作は不向き。弥生時代、まず九州北部に広がった稲作作りも南部では思うようにできない。保水性が悪いので土壌もやせていて干ばつにも弱い。そして、土砂崩れも多い。
食料生産に苦労するのに、さらに台風が多い地域。そんな地域であれば、食料や食料生産をめぐって紛争が起こるのは火を見るよりも明らか。
そこで、宮崎のある一族が意を決して、噂で聞いた災害が少なく土壌も良い大和を目指した。これが神武東征だ。その200〜300年後に、邪馬台国が宮崎で成立したと考えられる。
大和朝廷と邪馬台国、並立して存在していても矛盾はない。
10.邪馬台国の滅亡
以前のブログでは、優秀な人材の大和への流出を挙げた。しかし、今回滅亡理由を追加したい。
それは、ずばり疫病。次に記事は、三国時代の疫病について良くまとまっている。朝鮮半島と往来があった九州だけに可能性は高い。
https://www.rekishijin.com/8784
これにより、劇的に衰退し邪馬台国は消えたのではないか。残された者も世代が変わることで記憶が薄れ、歴史に埋もれていったのではないか。(邪馬台国だけなく、邪馬台国連合の国々も疫病は広がったのではないだろうか)
こうして邪馬台国連合は瓦解し、邪馬台国や多くの国は必然的に大和朝廷に従属するようになる。それと並行して、前方後円墳が九州各地で作られるようになる。後年、景行天皇の九州巡幸で反対勢力が一掃され、九州の支配が完成する。
こうした流れが想像できる。
11.結論
縷々述べてきたが、云わば邪馬台国の“思考実験”であり、管理人の妄想でもある。
注1 三国志演義では、諸葛亮孔明や司馬懿仲達の引き立て役・噛ませ犬になっているが、実はかなり有能な将軍。孔明の第一次・第二次の北伐を退けたのは曹真の手柄。
注2 大月氏国はクシャーナ朝である。『三國志 卷三 魏書三 明帝紀第三』には親魏大月氏王と封じられている。三国志には出てこないが、曹真の功績と思われる。
注3 吉野ヶ里歴史公園ホームページ参照のこと。
注4 倭国大乱により人口が大きく減少していた可能性がある。さらに、気温が今より1℃ほど低いと考えられており食料不足になっていた可能性もある。だから、10万以下の人口であったことも十分考えられる。
注5 ちなみに、仮に卑弥呼に千人が仕えたとし、かつ管理人の仮説が正しいとしたら、現在の人口に換算するとと少なくとも80万人になる。非現実的な人数だ。
注6 Wikipediaの『纏向遺跡』が詳しいので参照のこと。
注7 陳寿であっても、渡海、水行、「女王國東 渡海千餘里 復有國皆倭種」「其南有狗奴國」などは忖度したり理念で記述したとも思えない。なぜなら動機が無い。
ブログ更新が滞っているにも関わらず、ご覧いただき有難うございます。
実はブログ管理人は体調を崩しており、今後更新だけでなくコメント承認もできなくなりそうです。復活する気はあるのですが、その日がいつになるか現時点では不明です。
以上、ご賢察の上、お許しください。
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NHK受信料の未払いを始めてから、一年が経過した。
そして、とうとう訪問員がやってきた。(正式呼称はNHK訪問員のようでもあり、以下、単に訪問員とする)
コロナを理由にしたらどのように対応するか見たかったので、試してみた。すると、そうであれば今すぐの支払いは求めないので、口座振替依頼書に署名押印が欲しいとのこと。どうやら上司からそのように指示をされている様子。
そんな話は応じる訳もなく、「NHKは儲け過ぎでは」と嫌味を言いつつ対応を見ていたが、とりあえずその日は帰っていただいた。訪問員は再訪を告げる。
そして二度目。「裁判してください」と言うと、訪問員は驚きながらも直ちに引き下がる。
こうして、法的手続きは始まるのかなと待っていたら、また単なる支払いの催促状が郵送されてきた。
ちょっとがっかりするも、長い対決になりそうで少なからず期待が膨らむ。
なお、拙ブログは裁判を通して法律上の主張をすることが目的であり、未払いを煽ったり政治運動化するものではない。拙ブログを引き合いにして未払いを正当化することはお断りである。
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2020.8.5
北野たけし監督作品『アウトレイジ』のキャッチコピーは「全員悪人」だった。なかなか面白い映画だったので、それをオマージュしたい。今回のエントリーに登場する著名人は全員反面教師だ。
先日、ブログ管理人(以下、管理人)は次の反論文を見つけた。これが抱腹絶倒。井沢元彦氏に胡散臭さを感じる人は快哉を叫ぶはずだ。
講談社webメディア 2019年6月13日
「俗流歴史本」の何が問題か、歴史学者・呉座勇一が語る
そして、この後の再反論にも爆笑した。めった斬りだ。
講談社webメディア 2020年7月29日
呉座勇一の直言「再論・俗流歴史本−井沢元彦氏の反論に接して」
爆笑しながら、呉座勇一氏にも得体が知れない何かを感じてしまった。そこで、呉座氏を批判する論考を探していたら次が見つかった。論旨不明な個所もあるが、引用部分は共感する。
谷田川惣のコラムブック
呉座勇一氏はなぜ歴史学界を代表して弁護しているのか
http://web.kyoto-inet.or.jp/people/ytgw-o/310429.html
このような発想になるのは呉座氏が中世史の専門家だからかもしれない。
史料が乏しくて解答を留保するなら、
そもそも古代史の研究はできないのではないか。
百歩譲って古代史では解答を留保する分野が多くなるのなら、
それはそれで良いとしても、
古代史を専門とする学者のほとんどは、
史料の乏しいものは存在しないかのごとく扱っている。
その典型が初代神武天皇をはじめとする
太古の時代の天皇は実在しなかったと結論付けていることだ。
その理由は乏しい史料からの推論ではなく、
史料が乏しいことそのものが根拠となっている。
典型的な実証主義歴史学である。
呉座氏はこれについても歴史学界を背負って反論するというのか。
管理人注 読みやすくするため改行を減らした
谷田川惣氏は、歴史学界の問題点を指摘する。史料が乏しいから回答を留保するのならともかく、史料が乏しいことで太古の天皇を非実在と結論づけたことが、学界の大勢になっていると。それと同時に代表面する呉座氏を痛烈に当てこすった。
この件に限っては、谷田川氏に軍配を上げたい。呉座氏の考えに沿えば「古代の天皇は非実在の可能性がある」と留保すべきであり、それができていない現状では矛盾をつかれてもしかたがない。(この件の呉座氏の反論を探したが見つからない。ご存じの方がいればご教示いただきたい)
しかし、その谷田川氏であるが、拙ブログで過去散々批判しているのでそれを参考にして欲しい。谷田川氏も、いろいろな意味で反面教師なのだ。
http://kenpoukaisei.jugem.jp/?eid=257
さて、前述のコラムブックに、八幡和郎氏の名前が出てくる。管理人は、八幡氏の人となりを知らなかったので今回改めて調べてみた。
すると、早々に次の論稿を見つけた。敗北主義の最たるもので腹立たしくさえ感じる。
アゴラ 2016年08月26日
女系天皇の是非は悠仁さまのあとまで封印を
以上だ。
全員反面教師と呼んでも、不都合はないと思う。
]]>2020.5.3
最初に、拙ブログでは新型コロナウイルスと呼び、以下、コロナと略する。武漢ウイルス・病名「COVID-19」・ウイルス名「SARS-CoV-2」のいずれかを使うべきか色々迷ったが、執筆上の都合でコロナとした(注1)。
さて、コロナについて、ブログ管理人(以下、管理人)の考えを述べたい。
管理人自身は仮にコロナに感染しても運命だと思うから、死生観上の恐れはない。だが、社会生活上は恐れる。それは、自分が感染すれば医療従事者に多大な労力と緊張を強いることになるからだ。これは何としてでも回避したい。(罹患しても病院に行かないという選択肢もあるが、さすがにそこまで悟りを開いていない)
それとは別に、管理人は日頃40人ぐらいと接している。その中には大病を患った者もいるし、子供も高齢者もいる。また介護施設に入所した者もいる。
自分が感染してこの方々に移すことを非常に恐れる。だから、政府の要請に唯々諾々と従うのではなく、本来の意味の“自粛”をしている。
ところで、ここ数日、管理人のTwitterのTLに「緊急事態宣言の延長反対」が流れてくるようになった。保守主義者、自由主義者を標榜する方々(以下、標榜する方々)のツイートであり、様々な理由が付されている。
要約した上で、その一つひとつについて、管理人の意見を述べたい。
1.放射脳ならぬコロナ脳で議論が非科学的だ。
放射線被曝なら国際的な基準もあるが、コロナはそれ自体がまだよく分かっていない。それでコロナ脳と非難するのは誹謗ではないだろうか。
2.従来のインフルエンザでも多くの人が死ぬ。だからゼロリスクはナンセンスだ。
インフルエンザはワクチンも治療薬もあるがコロナには無い(2020年5月3日現在)。コロナのワクチンや治療薬(以下、単に新薬)があるなかで罹患したり病没するのなら、それは“摂理”の範疇であると思う。多くの人はゼロリスクなど望んでいないと思う。
3.重症化が予想される高齢者や基礎疾患を有する人が人と接触せず自粛すればいい。ごく少数の者のために、働き手を潰すつもりか。
家族は自然的に成長した「中間組織」であり、大切にしなければならない。これは、保守主義の根本のはずだ。高齢者や基礎疾患を有する人も当然家族の一員だ。(仮に周りにそうした人がいなくても、想像すれば分かると思うが)
4.集団免疫の獲得を優先させろ。
コロナの場合、六割〜七割が感染すれば集団免疫を獲得でき感染が急速に終息するようである。しかし、免疫を持たない高齢者や基礎疾患を有する人は重症化しやすいことは変わりない。つまり、新薬もない現状で、これらの人を犠牲にすることと同義ではないか。
5.コロナで死ぬより家計困窮の自殺者が多くなる。
家計困窮で自殺者が増える云々はリフレ派がよく使う手法だ。それを批判してきたのは標榜する方々ではなかったのか。ちなみに、バブルの踊った時代(1986年〜1991年)でも相当数の自殺者がいたのを忘れたのであろうか。
6.このままでは経済破綻するぞ。
そのような脅迫紛いの思考こそ、標榜する方々が「誤りだ」「卑しむべきだ」と批判してきたのではないか。
以上だ。
管理人は、新薬が無い状態で感染対策を中座することに反対である。新薬ができないまでも既存薬で代用でき一定の効果が確認できることが、緩和の条件と考える。
それまでは我慢だと思う。(注2)
なお、新薬開発のスピードを凌駕して感染拡大する可能性も高い。望むと望まざるに関わらず、事実上の集団免疫を獲得することも想定される。
そうしたことを理解しつつ、それでも新薬が開発されるまでの“時間稼ぎ”として自粛することは、篤行だと思う。
注1
コロナと呼ぶと「中共隠しだ」と批判が出そうだが、管理人は武漢ウイルス研究所からの漏出を強く疑っている。さらに、中国共産党は「このウイルスは731部隊が作り出した極秘ウイルスだ」「それが漏れだして感染したのだから日本は世界に賠償せよ」とか言い出しかねないことを恐れる立場だ。これは決して冗談でない。何せ中国共産党のやることだから、そのぐらい警戒しておくべきだ。
注2
コロナ対策として、公園を閉鎖する意味が分からない。密閉した空間ではないので、感染リスクは非常に低いはずだ。公園閉鎖など“自粛疲れ”を引き起こすだけだ。また、屋外でするスポーツは、新薬開発に関わらず一定の条件(ミーティングをしない・無観客等)を付けるものの、できる限り解禁すべきだと思う。
附記(2020.5.4)
このブログをアップして四時間後に、特定警戒都道府県でも公園や博物館、それに図書館や美術館の活動再開検討のニュースが流れた。三密の主旨を考えれば、当然である。多くの国民は公園でもマスクを着用するから、一日も早く開放して欲しい。
追記(2020.5.4)
高温多湿になればコロナが収束するとの予想もある。この予想どおりになれば、大幅な緩和はできるだろう。しかし、シンガポールは年中高温多湿であるが感染は拡大した。だから予断を許さない。(反対に、シンガポールについては高温多湿がゆえに感染が拡大しても「感染爆発」に至らないという考え方もある。)
JUGEMテーマ:憲法改正
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2020.4.8
私権制限がある緊急事態宣言が出された。
では、私権制限とは何か?
公権に対する概念とはいえ、次の引用を素直に読めば、「国民の権利」と同義である。(注1)
コトバンク
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
私法関係において認められる権利をいう。公権に対する概念である。この公権と私権の区別は,私法と公法との中間区域として社会法が出現拡大しているため,次第に意義を失ってきている。かつては,私権の行使は絶対的に自由だとされていたが,近時,私権も法秩序の一部であることが強調され,公共の福祉を理由とする制限が広く承認されることとなった (民法1条1項) 。私権は,その内容の点から財産権,身分権 (親族権) ,人格権,社員権,その作用の点から支配権,請求権,形成権,抗弁権,効力範囲の点から絶対権,相対権,一身専属権,一身非専属権などに分類される。
「国民の権利の制限」と説明すると国民的合意が得られにくい。だから「私権制限」に置き換えたと思われる。日頃「権利」「権利」と騒ぐ連中の批判を躱すためだ。
ここで誤解の無きよう明確にしておきたい。
ブログ管理人(以下、管理人)は、緊急事態時に「国民の権利」が制限されるのはやむを得ないと考える。分かりやすい例を出せば「軍隊の陣地を自分の敷地に作るな!」と言い出したら、自衛隊は塹壕ひとつ設営できない。緊急事態時に、財産権等が制限されるのは世界の“常識”である。
ただし、こうした国民の権利の制限に歯止めをかける規定も重要だ。歯止めには、国会の事前事後の承認などが必要だ。これが無ければ、為政者に白紙委任状を渡すことになる。
それとは別に、日本国憲法に「緊急事態」が規定されていないため、緊急事態への対応の遅れが危惧される。特別措置法を検討している最中に、手遅れになりかねない。それが原因で国民の多数が死亡する可能性さえある。
このように、憲法典に規定が無いと「歯止めがかからない」「即応できない」という危機管理上の大問題が出てくる(注2)。
注1
「国民の権利」と「人権」の違いについては、拙ブログの下記参照。約六年前にアップしたが、基本的な考えは変わっていない。
人権、それは危険な概念
http://kenpoukaisei.jugem.jp/?eid=15
注2
管理人は繁文憲法を了としない。ただし、緊急事態条項は憲法典に明記して、政府を縛る必要があると考える。
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2020.4.6
新型コロナウイルス(以下、コロナ)を封じ込めるため、緊急事態宣言が出されようとしている。使用制限されたり自粛を要請できる業種を挙げれば、規模によるが映画館・劇場・百貨店・スーパーマーケット・ホテル・旅館・図書館・ナイトクラブ・学習塾など。小中学校・高校・保育所・社会福祉施設は規模の大小に関わらず対象になりそうだ。
コロナの感染拡大に目が奪われているが、緊急事態宣言とは国民の権利を奪う恐ろしいことだ。憲法典に何の規定がないのに、政府により国民の権利が侵害されることは絶対にあってはならないことだ。
コロナだから仕方がないと思われるかもしれない。
しかし、やり方によっては緊急事態宣言を長期化させるのは難しくない。コロナにしても「収束を目途」と曖昧にしておけば、相当に長い期間、国民の権利を事実上停止するのも可能だ。
以前から、そうしたことを憂慮して憲法典に「緊急事態条項」を規定しようという考えがあった。が、バカの安倍晋三は何ら手をつけなかった。
勿論、国民注視のなか、バカの安倍に悪用できる知恵も無いし度胸もないだろう。しかし、日本共産党が政権を取ったら、これは“現実”の問題となる。
コロナの治療薬や予防接種が確立し落ち着いた時点で、後顧の憂いを無くすため、憲法を改正して「緊急事態条項」を加えることを願うばかりだ。(なお、拙ブログの憲法改正試案(2018.4.8改訂)では、当然であるが規定してある。第十四章参照のこと)
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邪馬台国を調べているなかで、あれこれ考えたことを備忘録として残す。ほとんどが仮説。そして妄想。
1.史料批判について
コトバンク・ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説が分かりやすい。
史料学とともに歴史学に付随する重要な基礎部門。収集された史料は厳正かつ適正に批判されなければならないが,批判は外面的批判と内面的批判に分れる。外面的批判とは史料の外面的性質ないし価値について検討するもので,そのおもなものは,当該史料が意識的な偽作であるかないか,無意識的な誤認や錯誤ないし部分的な竄入や変形の有無などを吟味する「真実性の批判」,当該史料の製作年代,場所および作者について精緻な吟味を行う「来歴批判」,当該史料がオリジナルなものか,あるいはその他の史料に基づいて作製されたものかを分析解剖する「本原性批判」の3つである。内面的批判とは外面的批判を経た史料の内容についてその信憑性を決定する仕事であり,これが歴史学そのものの任務である。
2.魏志倭人伝の里数
辞典には後漢414.72m、魏434.16m、隋531.18mとある。いろいろ理屈をつけても、短理説(75m)はどうしても納得できない。
それはさておき、魏志倭人伝の里数はあてにならない。陸行・水行も誇張されているので参考にならない。
次の個人ブログは実に分かりやすい。
陳寿にはめられた日本人(4/4) −大国として描かれた南国の倭国−
https://katana04.blog.fc2.com/blog-entry-866.html
3.黒齒國
魏志倭人伝には次の一節がある。
女王國東渡海千餘里、復有國、皆倭種。又有侏儒國在其南、人長三四尺、去女王四千餘里。又有裸國、黒齒國、復在其東南、船行一年可至。
そして、前述サイトの別のページを読んでいるとき閃いた。
広輿図におさめられた東南海夷図である。
https://katana04.blog.fc2.com/blog-entry-1474.html
東南海夷図
https://blog-imgs-129.fc2.com/k/a/t/katana04/2019082109375559c.jpg
東南海夷図と魏志倭人伝、二つの史料とも黒齒國が九州のほぼ南にある。
4.魏志倭人伝のなかの邪馬台国、女王国、倭国に違いはあるか。
魏志倭人伝では、邪馬台国・女王国・倭国の三つが使われている。
倭国3回。
女王国5回。
邪馬台国1回。
女王国は卑弥呼に由来する通称国名だろうか。
魏志倭人伝を普通に読めば倭国=女王国=邪馬台国となる。これに異を唱える説もあるが、文脈からはこうとしか読めない。
想像だが、倭国大乱を通じて多くの環濠集落が合従し邪馬台国を形成していったと思われる。だから、後述するように九州の東西に国が広がった。
それとは別に、合従によって力が増した邪馬台国に、伊都国・奴国・不弥国・投馬国や21ヵ国などがなびき、邪馬台国連合(=倭国連合)が出来ていたと思う。
修正(2021年7月2日)
ブログ管理人の読解力不足により、魏志倭人伝を正確に理解できていなかった。その為、次のように修正する。
女王国=邪馬台国。邪馬台国は、倭国を構成する一国である。邪馬台国+(狗邪韓国・対馬国・一大国・末盧国・伊都国・奴国・不弥国・投馬国)+20国(重複する奴国を除く)=29ヵ国=邪馬台国連合=倭国とする。なお、狗奴国は倭人の国のひとつであるが、邪馬台国連合と敵対する。
5.東に海を渡れるところ
前述の「女王國東渡海千餘里、復有國、皆倭種。又有侏儒國在其南」を改めて考察してみる。
例えば、諫早市で有明海を渡ったとすると、突然九州に別の国が出現することになる。これは魏志倭人伝の文脈上あり得ない。九州の東海岸であれば、本州又は四国に渡って、そこに別の国があって倭種(倭人の一種)がいても矛盾はない。
だから、女王国(=邪馬台国)は九州東海岸を有することは確実だと思う。
管理人は邪馬台国は九州北部にあったと考えているので、北九州市〜豊前市〜中津市〜宇佐市あたりが該当してくるだろう。しかし、後述のように大型帆船であれば北九州市はすぐに立ち寄れる距離だ。魏志倭人伝の里数 や水行・陸行は全く当てにならないにしても、さすがに近すぎる。だから、北九州市は邪馬台国の一部とは考えられない。除外する。
6.九州に渡ってきた船の種類は?
これに触れる論者は少ない。
魏の時代であるから、当然三国志の赤壁の戦いに見られるとおり、帆船と思われる。しかも外交使節を送るのであるから、それなりの大型帆船と思われる。そうであれば、壱岐島から松浦に行くのは間違い。準構造船なら1mでも距離の短い到着地を選ぶかもしれないが、大型帆船だから多少は余裕がある。
それ以上に、外交使節の往来であるから陸地を歩く危険を避けるはずだ。下賜品が強奪されでもしたら、使節全員死刑になりかねない。盗賊を避けるため帆船を使って博多湾から上陸する一択のみ。
だから、末廬国=博多港。河川の沖積作用により海岸線が後退しているので、現在の美野島あたりか。
現在、音写から松浦を末廬国をする説が有力。唐津市・東松浦郡等が比定される。しかし、昔の博多湾には「白浜青松」と呼ばれるほど松原が広がっており(千代の松原など)、仮に音写であれば次も考えられる。
松原→まつばら→まつら→末廬。
松浦→まつうら→まつら→末廬がOKなら、松原が駄目な理由がない。
末廬国を唐津市・伊都国を糸原市に比定する説があるが、伊都国が南東どころか北東になる。東松浦郡でも、南東ではなく東である。
関連して、古事記の「末羅県」と末廬は別物と考えるべきだ。
7.伊都国・奴国・不弥国・投馬国はどこにあったのか。
前述のとおり里数 は全く意味をなさない。しかし、方位だけは正しいはずだ。これが誤っていれば外交使節は到着できない。
伊都国。
博多港から東南にあって九州で外交を取り仕切る場所、それは大宰府付近である。それから、後述するが奴国を監視するのにも最適地と思われる。だから一番相応しいのは現在の太宰府市である。
伊都国には、一大率をおいて取り締まりをさせていた。警察・司法の役割である。この点も大宰府と似ている。
奴国。
博多港から東南にある春日市。須玖岡本遺跡・須玖タカウタ遺跡など重要遺跡が並ぶ。ただし、ある時期から、その中心が春日市の隣にある那珂川市に移動したと思われる。安徳台遺跡は弥生時代中期の大集落跡がある。
魏志倭人伝の頃には奴国の力が弱まっているが(外交権の剥奪、一大率による監視)、太宰府市と那珂川市で奴国内の旧勢力を抑えていたと想像する。
不弥国。
博多港東の宇美市の可能性があるが、はっきりしない。宇美八幡宮近くに遺跡が集まっている。博多港からは距離があるが、飯塚市は立岩遺跡があるので有力候補だ。どちらかだと思うが、現時点では五分五分。
投馬国。
吉野ケ里遺跡。博多港からほぼ真南に存在する。最盛期、外環壕内に1,200人、クニで5,400人の人口を有したようである。後述するが、こうした強力な友好国によって筑後川の安全が守られたのだろう。
宮崎県の都萬(つま)の音写から、宮崎県の可能性も捨てきれないが、筑後川の重要性を考えると吉野ケ里遺跡のほうが相応しいと感じる。
以上が、伊都国・奴国・不弥国・投馬国の比定地に関する「最適解」だ。連続説も伊都国放射説も採用しない。最適解が得られないからだ。その代わり、博多港起点説(管理人のオリジナル)とし、かつ弥生時代の遺跡を重視すると比較的容易に最適解が出た。
8.現在の県に置き換えてみる。
大分県、福岡県の豊前市、大牟田市・福岡県の筑後川下流南側(みやま市・柳川市)・久留米市が邪馬台国。平塚川添遺跡も邪馬台国に含まれる。
福岡県の博多港(末廬国)に近い範囲に伊都国・奴国・不弥国。北九州市は邪馬台国連合の一国。
鹿児島県・宮崎県は狗奴国。邪馬台国の南にあって敵対している。
熊本県は邪馬台国と狗奴国が勢力を競っている。北半分が邪馬台国・南半分が狗奴国。
佐賀県・長崎県に、邪馬台国から北に位置する21ヵ国のうち相当数がある(邪馬台国連合に含まれる)。
筑後川は狗奴国に対する最重要防衛ライン。友好国である投馬国(吉野ケ里遺跡)と協力して防衛する。
熊本市から東西に線を引き、線の北側に邪馬台国とそれに連合する国。南側に狗奴国。これが事実上の国境となる。
地図に邪馬台国を記すと次となる。
赤色で囲った範囲が邪馬台国。
地図は次のサイトを利用
9.人口について
邪馬台国の人口を考えるにあたり、弥生時代の人口に関する資料を探していた。すると、鬼頭宏氏の名前がよく出てくる。鬼頭氏のプロフィールを調べると日本経済史、歴史人口学が専攻。そこで氏の『人口から読む日本の歴史』(講談社学術文庫、2000年)を購入して読んでみた。
一読して、ゴミ箱に放り込みたくなった。
理由は、魏志倭人伝の戸数から西日本の人口180万人。東日本の人口分を加えて当時の日本の人口は「220万人内外」とのこと(52頁)。疑いもなく魏志倭人伝畿内説、しかも魏志倭人伝の戸数をそのまま鵜呑みにし、戸数×10人という大雑把な計算で導き出しているのだ。
これで学者なんて信じられないほどのお粗末な推計。
そのくせ、51頁では「また六世紀から八世紀の人口として、聖徳太子や行基が教えたという伝説的人口がいくつか伝えられているが、多くは仏教思想に基づく架空の数値のようで、採用することができない。ここでもやはり歴史人口学の手を借りるほかなさそうである」と宣う。
ちなみにWikipediaが正しければ、鬼頭氏は2011年 厚生労働省社会保障審議会人口部会委員であった。開いた口が塞がらない。
10.鉄器について
川越哲志編『弥生時代鉄器総覧 (東アジア出土鉄器地名表2)』( 広島大学文学部考古学研究室. 2000年) が詳しいらしいが絶版。かつ県の図書館にもない。非常に残念である。孫引きになるが、熊本県で九州北部と同じ程度の鉄器を生産していたとのこと。興味深い。
11.卑弥呼の居館
大分県日田市にあったかもしれない。
理由1
大分県日田市にあったとされるダンワラ古墳から金銀錯嵌珠龍文鉄鏡が出土したから。七支刀と同じくらいの価値があるのではないか。
理由2
筑後川の奥に位置し有明海に抜けられる。豊後水道を渡って届いた物資を運ぶ際の要衝となる。そして北・南・東が山で囲まれ自然の要害になっている。日田盆地を横切る川が流れているので、川の北側に兵を置けば守りは相当堅い。
以上から、卑弥呼の居館が小迫辻原遺跡もしくはその周辺にあったとしても矛盾がない。吹上古墳からも多数の副葬品が出土しており、かなりの権力者がいたと思われる。
12.卑弥呼の墓
拙ブログにおいて、卑弥呼の墓が分かれば邪馬台国に所在地も分かるようなことも書いたが、これは訂正する。
なぜなら、卑弥呼は倭国大乱の後共立されたが、邪馬台国出身でない可能性もある。人材を邪馬台国以外の連合に求めたかもしれない。そうすると、邪馬台国以外の国に墓があってもおかしくない。(死後、出身地に葬られる可能性がある。)
だから卑弥呼の墓が分かっても邪馬台国の所在地は分からない。
以上。
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2020.2.12
まずは、引用する。
この墓は、他の伊都国王の墓と比べて、武器が少なく、鏡が多く、棺内から女性の装飾品が多く発見されたことから、従来は伊都国の女王の墓と考えられた。
週刊スパ2020年1/14・1/21の合併号のゴーマニズム宣言70頁
伊都国を糸原市と比定するのは小林氏の勝手だが、これだと定説のような書きっぷりだ。いまだに論争が続いているのに。「他の伊都国王の墓」とあるが、前述と同様だ。いつ誰が特定できたのか。これが特定できているのなら、邪馬台国論争は決着がついているはずだ。
さらに、次も疑問だ。
・武器が少ないとなぜ女王の墓になるのか。
・女性の装飾品とは具体的に何か。女性の装飾品が多いと女王の墓になるのか。
小林氏を含む邪馬台国論者の女性観は、固定観念に囚われているのではないか。古代であっても女性は自分を美しく飾りたいと、思い込んでいる。
部族を守るリーダーであったら、女王であっても武器を一緒に埋葬してもおかしくない。その逆に男性の王が女性の装飾品を一緒に埋葬したとしても、何かおかしいだろうか。それに、鏡が祭祀に使われたと仮定して、男の墓に多数埋葬されていても矛盾はない。男は祭祀に関われなかったのだろうか。
加えて、卑弥呼が鬼道に通じたシャーマン的な人物であれば、普通の女性と違っていても不思議ではない。思考・行動様式が同じと思わないほうがよい。
こうした誰にでも想像できることを考慮せず、あれは女性の墓だ女王の墓だと極め付けることは愚かだと思う。
JUGEMテーマ:憲法改正
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2020.2.10
小林漫画71頁に、小林氏が女系天皇論で教えを乞うた田中卓氏の名前が出てくる。1回だけだが、逆にブログ管理人(以下、管理人)は何かしら不自然さを感じた。
早速調べてみた。
すると、田中氏は邪馬台国関連の論文を出していた。しかも、国書刊行会が2012年9月12日、『日本建国史と邪馬台国(続・田中卓著作集)』という著作集を復刻出版していた。
小林氏は冷たいと思う。
女系天皇論では、田中氏に散々お世話になったはずだ。なぜ、田中氏が邪馬台国に取り組んでいたことを強くアピールしないのだろうか。
小林氏には、ぜひ田中氏の邪馬台国九州論についても論じてもらいたいと思う。
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]]>2020.2.8
週刊スパ2020年1/14・1/21の合併号のゴーマニズム宣言(以下、小林漫画)のクライマックス、それは次のシーンだ。
「世紀の大発見」という文字が、前回でも取り上げた原田大六氏の名前とともに躍動している。
そこで、ブログ管理人(以下、管理人)は、原田氏の著書『卑弥呼の鏡』(六興出版、1978年)を読んでみた。
まず、重要な点について記したい。
小林漫画では、この第1号墓に埋葬されたのは卑弥呼としか考えられないとした(小林漫画71頁)。が、原田氏は、卑弥呼の墓が箸墓古墳と述べている。
...舶載鏡が、平原遺跡に比較しても百面を越して副葬されているに違いない。でないと、鏡で判明してきた限り、最高権力者たる女王卑弥呼の墓ではありえない。
卑弥呼の墓を私は奈良県桜井市箸中の倭迹迹日百襲姫の陵と伝えている「箸墓」であると前著書(『卑弥呼の墓』六興出版刊)で述べてきた。
前掲書273頁
こうした事実を、小林氏は知っているのだろうか。
さて、次の重要な点として、原田氏は三人の天照大神がいたと主張する。
時代を別にする三人の天照大神は、太陽の妻であって、世襲し、夫は無かった。日本神話では最高の存在になり、天皇のスメラミコトよりも上位に考えられた。最高神であると共に最高の巫女王として、天下に君臨したのである。
前掲書316頁
神様が三人?
奇想天外な論である。ただ、好意的に意訳すれば「天照大神と似ているシャーマン的女王」が三人存在したとの意味だろう。
ではこの祭政一致の掌握者は誰であったろうか。それは大鏡が八咫あることからしても、副葬品に武器が少なったことからしても平原の方形周溝墓であったろう。
この被葬者は単身で太陽の象徴である大鏡を持つことからしても、「大日孁貴」と称され「天照大神」の別称を得つ、第一代の太陽+巫女王その人であったと考えられる。
前掲書267頁〜268頁
これに加え、315頁で壹與(台与のこと)も巫女王としている。同315頁で平原遺跡の被葬者も「名こそ判明していない」としている。それから、原田氏は邪馬台国畿内説。353頁には「もちろん私も同意する者であり」とある。以上から、原田氏の考えを次の表にまとめてみた。
墓 | 埋葬者 | 邪馬台国 | |
---|---|---|---|
天照大神第一代 | 平原遺跡1号墓 | 不明 | |
天照大神第二代 | 箸墓古墳 | 卑弥呼(=倭迹迹日百襲姫) | 畿内 |
天照大神第三代 | 不明 | 台与 |
これが、原田氏の主張である。
小林漫画は、原田氏と同じように「卑弥呼=天照大神」であっても、そこだけ借用しているのであって、平原遺跡1号地の埋葬者及び邪馬台国の所在地は別物である。それから、第一代と第二代の違いもある。
原田氏も草葉の陰で苦笑しているだろう。
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2020.2.7
前々回エントリー『小林よしのり氏「卑弥呼こそ天照大神である」を批判する3』の本文中で、次を追記した。
2020.2.3追記
平原遺跡の現地案内看板には「東古墳(殉死溝) 双円墳。16人を埋めたと思われる殉死溝をとどめている」とある。これは管理人の見落としである。よって、この「9.卑弥呼の墓はどこか?」は保留する。なお、発掘者の原田大六氏(故人)には悪い評判がある。これについて、後日ブログにまとめたい。
この件を調べたので今回アップする。なお、小林漫画に大きく関係があるので、このシリーズの一つに加える。
最初に拙ブログ読者に御断り。原田氏の悪い評判については、故人の名誉に関わるので取り上げないことにした。ただし、原田氏の著書の疑問点等は改めて取り上げたい。
では本題である。
この殉死溝について調べた結果、現地案内看板は民間人による設置と判明。原田氏の著作で殉死溝とされたようだが、公認されていない。
出土品が国宝になったのにも関わらず、このギャップは何だろうか。自治体が放置しているって何故だろうか。卑弥呼の墓が定説になれば、古代史ファンのみならず観光客が押し寄せるスポットになるはずなのに。
不思議すぎる。大人の事情でもあるのだろうか。
附記
どうやら原田氏は箸墓古墳でも 殉葬の跡を見つけたようである。
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]]>2020.2.3
前回エントリーで、ブログ管理人(以下、管理人)の見解を述べた。今回から、週刊スパ2020年1/14・1/21の合併号ゴーマニズム宣言(以下、小林漫画)の矛盾を斬っていきたい。
小林漫画では(前掲70頁)、福岡県の平原(ひらばる)遺跡第1号墓を「だがこの古墳からは、40面もの銅鏡が出土している!」「ひとつの墓からの出土数としては現状、日本で2番目。」などと強調する。
では、日本で銅鏡出土数1番目の墓はどこか?
それは、奈良県の桜井茶臼山古墳で81面。九州ではなく畿内にあるのだ。
畿内説では必ず言及される箸墓古墳・纏向遺跡だが、桜井茶臼山古墳と箸墓古墳の距離は直線距離約3.3?。箸墓古墳から纏向遺跡まで約800m。
小林氏は何か伏線でもはっているのだろうか。
伏線とすれば、桜井茶臼山古墳は台与の墓とか。また、小林氏が実は畿内説支持であるとか。
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]]>2020.2.2
小林漫画を批判するにあたり、ブログ管理人(以下、管理人)の邪馬台国・卑弥呼に関する見解を述べる。この見解自体が小林漫画及び安本説の批判でもある。
1.神武天皇をはじめ、古代の天皇はすべて実在した。
管理人は、欠史八代と言われる古代天皇はすべて実在したと考えている。欠史八代どころか神武天皇非実在説さえあるなかで、理論が正しいかどうかは別にして、安本説は実在説を取っている。この点は同意だ。後述するように、実在説は管理人の考えの根幹をなす。
2.邪馬台国は実在した可能性が高い。
邪馬台国非実在説もあるが、管理人は実在した可能性が高いと考えている。理由は邪馬台国をでっち上げて得をする者もいないから。
3.邪馬台国は九州で有力部族の支配地だった可能性が高い。
魏志倭人伝に「今使譯所通三十國」との記述がある。
当時の国は現在の市町村ぐらいの大きさと思われるから「九州で30国」と考えるのが妥当だと思う。魏志倭人伝における倭国とは畿内〜中国〜四国〜九州という広いエリアとは考えられず九州限定だと思う。よって、管理人は邪馬台国九州説である。ただし、将来、奈良の纏向遺跡等で画期的な発見があれば変更する。固執する気はない。
なお、著名人の名前を出して自説を補強するの気がひけるが、本居宣長は邪馬台国九州説だ。これに対する坂本太郎氏の評価は興味深い。(勿論、前回エントリーでも述べたが、ビッグネームでも誤りがあることを忘れた訳ではない。)
本居宣長記念館
http://www.norinagakinenkan.com/norinaga/kaisetsu/yamataikoku_doko.html
邪馬台国はどこ? 宣長の説
「「馭戎慨言」は全篇を貫く尊内卑外の精神によって誤解される面もあるが、歴史事実の考證にかけてはすこぶる的確で、今日なお生命を持つ学説が見うけられる。有名な魏志倭人伝の耶馬臺国の九州説が立てられているのはこれであり、そこには不弥国を宇美に、投馬国を日向の妻に当てる説までが述べられている」
「本居宣長と国史学」坂本太郎 (『本居宣長全集』月報13)
4.場所の比定は非常に難しい。
一口に邪馬台国九州説といっても候補地は数多い。管理人の知識では比定は困難。が、九州北部の一部が合理的だと思う。後述5・6のように、九州北部は比較的豊かであり、反対に九州南部は自然災害等で疲弊していたと思われるからだ。
ところで、安本説では、弥生時代の鉄のやじりの出土数等をもって畿内説が誤りとするが、それは九州が先進地域であった証にこそなれ、邪馬台国が九州にあった証にはならない。しかも、安本説によると邪馬台国の福岡県確率が99.8%らしいが、確率を求める前提条件が変なのではないか。
5.邪馬台国は東遷する理由がない。(安本説では邪馬台国が東遷して大和朝廷になったとする)
魏志倭人伝によれば、邪馬台国には7万余戸。すなわち、それだけの人口を養えるだけの食料が生産できた。また倭国大乱を乗り切るだけの兵力もあった。朝鮮半島から文化や技術が伝わりその恩恵もあった。その上、魏から親魏倭王の称号(封号)を与えられた。だから、常識的に考えて、この地を去る理由がない。安本説は邪馬台国が東遷したとするが、東遷した理由については触れない。
安本説では、台与率いる邪馬台国勢力が東遷し大和朝廷になったとする。が、卑弥呼の死後、男の王が立ち国が乱れたが、台与が共立されたことにより再び邪馬台国は安定したはずだ。やっと安定したのになぜ東遷しなくてはならないのか。
この点は、前回の「人を神に置き換えたとして、その理由が説明できていない」と同様に、安本説の大きな弱点だ。
6.神武東征は理由がある。
九州南部では常に自然災害と背中合わせだった。古事記によれば、神武東征は日向から船出しているが、それは宮崎県の日向と比定されている。その宮崎県は、今でも台風銀座と言われている。治水が発達していない古代では深刻な水害が発生したはずだ。そして火山。宮崎県には霧島山という火山があり、有史以来火山活動が続きたびたび噴火している(近くには鹿児島の桜島もある)。噴火も恐ろしいが、火山灰で土地がやせている。
それに加えて、部族間の争いも多かったはずだ。もともと土地がやせているのに災害がおこれば忽ち食糧不足となる。生き残るため日常的に緊張状態であったことは想像に難くない。
だから、神武東征が起こった。東に行けば食料もあるし争いも少なそうだ。東征したくなる条件は揃っている。
管理人は、九州南部の部族の一部(以下、南部部族。管理人の造語である)が東征し大和朝廷を立てたと考える。すなわち、邪馬台国と大和朝廷は別系統と考える。
なお、自明であるが、神武東征は卑弥呼の時代よりも先に行われた。新天地を求めた南部部族だったが、大和地方で二世紀から三世紀頃に急速に力を得たと思われる。三世紀前半は卑弥呼の時代と重なる。
実は、前述3に出てきた坂本太郎氏は『日本歴史全集2 国家の誕生』において、管理人と似たようなことを言っている。ただし、邪馬台国の一部族(坂本氏)と南部部族(管理人)の大きな違いは歴然としている。なお、坂本氏は天孫降臨した一族として天孫族も使っている。前掲書を読む限り、邪馬台国の一部族=天孫族として使っている。
...わたしは九州にあったと、自信を持って答える。そして、神武東遷物語の核心になっているものは、邪馬台国が東遷して畿内大和に都を作ったことではあるまいかと、考える。
(中略)
邪馬台国では、女王卑弥呼が栄えた時期は三世紀だから、それ以後に東遷したとすると、そろそろ大和統一国家が成立した、四世紀の初めに近くなる。そこでわたしはむしろ卑弥呼より、前の二世紀のころ「倭人の国が乱れ国々の攻防があいついだ」(倭人伝)時か、その少し前のころに邪馬台国の一部族が、東に新天地を求めてうつった、と見てはどうかと思う。
坂本太郎『日本歴史全集2 国家の誕生』講談社、1968年、91〜92頁。
ちなみに、坂本太郎氏は分類すれば邪馬台国東遷説となる。ただし、台与のもと邪馬台国勢力として東遷し大和朝廷となったする安本説とは、かなり異なる東遷説だ。
7.なぜ神武東征は成功したのか。
これは想像であるが、大和の豪族たちと協調した結果と思われる。具体的には婚姻で豪族と結び、できる限り戦いを避けたことが功を奏したのではないか。
拙ブログにおいて欠史八代に触れたことがあるが、この八代の事績として婚姻があると述べた。こうした事績は、婚姻戦略の一環であったと思われる。
8.なぜ邪馬台国は歴史の表舞台から消えたのか。
それは、大和朝廷の成功と関係する。そうした噂話は九州まで届き、九州にいた優秀な人材が近畿地方に流出したと思われる。(国そのものが東に移動することはなかったが、人材は移動した。)
流出の最大要因は、卑弥呼の死に伴う内乱だろう。
魏志倭人伝によれば、卑弥呼の死後、男の王が立ったが国中が従わず殺し合いがおき1000人ほどが殺されたとある。こうした混乱を嫌って人材の大量流出が起きたと思われる。(現在と比較して人口が格段に少ない古代での1000人。相当に大きな内乱であったはずだ)
その流出の受け皿は、南部部族の大和であったことが容易に想像できる。北部と南部の違いはあれど同じ九州出身の親近感やよしみもあったはずだ。
関連するが、九州北部が中心であった鉄器生産も各地で行われるようになった。纏向遺跡でも平成24年纏向遺跡174次調査で鞴(ふいご)の羽口や鉄滓など、鉄器生産の示す遺物が出土した。九州北部が中心であった鉄器生産も三世紀の纏向で行われるようになっている。
人材流出が、邪馬台国を自然消滅させたと考える。
9.卑弥呼の墓はどこか?
2020.2.3追記
平原遺跡の現地案内看板には「東古墳(殉死溝) 双円墳。16人を埋めたと思われる殉死溝をとどめている」とある。これは管理人の見落としである。よって、この「9.卑弥呼の墓はどこか?」は保留する。なお、発掘者の原田大六氏(故人)には悪い評判がある。これについて、後日ブログにまとめたい。
これが分かれば、邪馬台国の位置は自ずと決まってくる。しかし、これも難しい。
卑弥呼が没したのは諸説あるが247年頃。魏志倭人伝の記述が正しければ、卑弥呼が没した時、一緒に殉葬された奴婢100余人の墓があるはず。しかし、平原遺跡第1号墓では見つかっていない。(畿内の古墳でも見つかっていない。)
殉葬時は墓を作らず生き埋めしたと思われるので、おそらく今後もそうした人骨は見つからないはず。そこにまとめて葬る大きな穴を掘れば殉葬の跡が分かると思うが、個々の穴を掘っていたらその痕跡を見つけることは難しいだろう。
参考URL
http://museum.city.fukuoka.jp/archives/leaflet/441/index.html
なお、生き埋めについては、次に記した日本書紀垂仁天皇二十八年条から類推した。
(参照URL http://www.seisaku.bz/nihonshoki/shoki_06.html)
「廿八年冬十月丙寅朔庚午、天皇母弟倭彥命薨。十一月丙申朔丁酉、葬倭彥命于身狹桃花鳥坂。於是、集近習者、悉生而埋立於陵域、數日不死、晝夜泣吟、遂死而爛臰之、犬烏聚噉焉。天皇聞此泣吟之聲、心有悲傷、詔群卿曰「夫以生所愛令殉亡者、是甚傷矣。其雖古風之、非良何從。自今以後、議之止殉。」
10.卑弥呼とは何者なのか。
この問いに学者だけでなく作家や市井の研究家がいろいろ考察しているが、大別して次の四つになる。
(1)倭迹迹日百襲姫命
邪馬台国畿内説では、しばしば「卑弥呼=倭迹迹日百襲姫命」と比定される。纏向遺跡・箸墓古墳はロマンを感じさせるし、纏向から直線距離約5?の「唐古・鍵遺跡」は弥生時代の遺跡として非常に注目している。
しかし、管理人は前述したように邪馬台国九州説なので、大和にいたであろう倭迹迹日百襲姫命が九州北部の卑弥呼と同一人物であった可能性は零と考える。
(2)天照大神
邪馬台国九州説で「卑弥呼=天照大神」とする説は意外なほど多い。この説の支持者に対しては、小林漫画と元になる安本説と同じことを問い質したい。人を神に置き換えた理由は何か? 天照大神の神話を先にし、それから卑弥呼の順にして何の不都合があったのか。管理人を納得させて欲しい。
(3)女指導者
表現はいろいろあるが(女酋長、女首長、豪族、巫女等)、神話や皇室に無関係な人物像で共通する。管理人は、九州北部にあった邪馬台国の女指導者でシャーマン的な術を使ったと考えている。
ちなみに、ネットからの受け売りであるが、本居宣長は熊襲の酋長を唱えた。この酋長が神功皇后を騙ったらしい(熊襲偽僭説)。しかも女性ですらなかったらしい...。
(4)神功皇后
畿内説にしろ九州説にしろ、卑弥呼を神功皇后に比定する説は多い。これについては、次のように考える。
・神功皇后は実在した。
神功皇后非実在説があるが、これは好太王碑・七支力から実在は明らか。七支力は日本書紀から明らか。
・しかし、七支刀が献上されたのは372年で、神功皇后と卑弥呼の時代(三世紀前半)が重ならない。重ならないのに、日本書紀には明らかに卑弥呼と思われる記述がある。
●魏志倭人伝
景初二年六月 倭女王遣大夫難升米等詣郡 求詣天子朝獻 太守劉夏遣吏將送詣京都
●日本書紀
神功皇后三十九年条
卅九年、是年也太歲己未。魏志云「明帝景初三年六月、倭女王、遣大夫難斗米等、詣郡、求詣天子朝獻。太守?夏、遣吏將送詣京都也。」
卑弥呼は九州北部に三世紀前半、実在した。神功皇后は大和地方に4世紀後半、実在した。
この年代の差をどう考えばよいのか。
ここからは、トンデモ説と言われても仕方がないので、その点を考慮いただきたい。
管理人の推理は、誰かが意図的に神功皇后と卑弥呼を同一にしたと考える。わざと混同するように仕向けた。
犯人は、日本書紀の編纂を命じた天武天皇と編纂を主宰した舎人親王。
動機は、秘かに唐と関係改善を図ろうとしたため。
白村江の戦いで、唐・新羅連合軍に敗北した。そこで、大和朝廷は秘かに唐と関係改善を図ろうと考えた。遣唐使によって文化を吸収していたのでこれを途絶させたくない。しかし、関係改善のきっかけが難しい。さらに表面上の改善ではなく、継続できる体制にしたい。
それとは別に国内も難しい。607年、隋の皇帝煬帝を激怒させた「日出處天子致書日沒處天子無恙云云」という国書を送っている。唐に必要以上に謙れば、大和朝廷内に抵抗を示す勢力がいるだろう。
そこで、卑弥呼・神功皇后を混同させることを思いついた。
・神功皇后は三韓征伐した女傑である。しかも、九州の地を踏んでいる。
・232年頃、倭軍が新羅に侵攻。神功皇后による三韓征伐のイメージと重なる。
・魏志倭人伝からの「引用」の形式が取れる。引用であれば、後日問題化しても引用だからと言い逃れしやすい。
・神功「皇后」がやったことだから、天皇は直接関係しないという言い訳もできる。
・卑弥呼は親魏倭王の封号を得ているが、厳密には朝貢していない。
これで、過去の話ではあるが、中国王朝と良好な関係をアピールできる。しかも、厳密には卑弥呼は朝貢していないので大和朝廷の矜持は守られる。加えて、天皇と皇后の違いを生かせる。これが倭の五王であれば、天皇の名が表に出るので国内的にまとまらない。
だから、わざと神功皇后と卑弥呼を混同させ、日本書紀に載せた。唐の高官が日本書紀を読めば、こうした裏が分かるかどうかは別にしても“シグナル”は伝わったことだろう。
以上から、「卑弥呼=神功皇后」ではない。外交上の方便である。
さて、ここからは管理人とは違う見解だ。前述の坂本氏の見解だ。
...そのうえ、このところは、皇后を邪馬台国の卑弥呼に見たてて、皇后の時代を卑弥呼時代と一致させようとした気配までうかがえるのだ。
(中略)
「百済記」にあったものをそのままのせてしまったのだろう。
赤い部分・青い部分、ともに管理人が付けた。
前掲126頁
赤い部分は、管理人と同じ問題意識だ。しかし、青い部分で管理人の推理は揺らぐ。説明が難しいが、百済記が原因で120年のタイムラグが生じている。だから、「卑弥呼≠神功皇后」は管理人と同じだが、あくまでも百済記に問題があったとする。
ただし、坂本氏の主張が正しいとすれば、わざわざ神功皇后の事績に魏志倭人伝を引用したか説明がつかない。舎人親王は何か勘違いしたのだろうか。
管理人はそれは無いと思う。日本書紀とは、国家の正式な歴史を記し国外にアピールするために編纂されたというのが定説。当然正確を期している訳で、地方王国の女指導者のことなど無視すればよいだけである。
それをあえてしなかったのは、やはり意図があったからだと思う。
11.前回エントリーのおさらい。
安本説によると古代天皇の平均在位期間は約10年。だが、倭国大乱の後、卑弥呼は共立されたが、没するまでかなりの期間(40年ぐらいか)、その地位にあり続けたはずだ。それを言わないのは、かなりの反則だと思う。
前回エントリーでは、安本説に一部同調できる部分あると書いたが、結局?古代天皇はすべて実在した?邪馬台国は存在する?邪馬台国は九州にあった―、この三つ以外に同調できる点はなかった。
これで管理人の見解は終わる。ミイラ取りがミイラにならないように気をつけたが、果たして...
(次回に続く)
JUGEMテーマ:憲法改正
]]>2020.1.28
週刊スパ2020年1/14・1/21の合併号ゴーマニズム宣言(以下、小林漫画)は、安本美典氏の説(以下、安本説)を中心に描いている。
安本氏は古代史関連の著書を数多く出しているが、基本となる論考は次のサイト(邪馬台国の会)で読むことができる。この会は安本氏と密接な会であるが、偏ることなく他説を取り上げ考察を行っている。同会の名誉のためにも、こうした点は強調しておきたい。
それから、小林氏が安本説を取り入れなければ、管理人は特に安本説を深く知ろうとは思わなった。その意味で、安本氏にとっては「もらい事故」のようなものである。が、安本氏自身季刊邪馬台国110号で『なんだか、「邪馬台国=畿内説村」の論理は、「原子力村」の論理に似てきているように思える』などの挑発的発言もあるので、当方が責任を感じることはない。
邪馬台国の会
このデータを小林氏は参考にしている。
http://yamatai.cside.com/tousennsetu/yasumotosetu1.htm
この動画も必見だ。(聞き取りにくいところが多いが)
資料や動画を見ると、安本説は、発表以降現在に至るまで一定の支持を集めてきたことが確認できる。実は、管理人も安本説に一部同調できる点もある。管理人は邪馬台国畿内説一辺倒ではない。(注1)
しかし、卑弥呼が天照大神であることはない。むしろ安本説であればあるほど、そのように考える。(注2)
理由は次だ。
安本説は、卑弥呼が神格化され天照大神になったと考える。古代天皇の在位期間は平均約10年で、それを遡っていくと神武天皇の5代前の天照大神と卑弥呼の生きていた時代が重なるとする。
しかし、わずか50年前(神武天皇の5代前、10年×5代)に実在した人間を、神に置き換えることは不合理の極み。人と神は根本的に異なる。偉人は神格化されることが多いが(例えば徳川家康)、神そのものではない。
最大の弱点は、人を神に置き換えたとして、その理由が説明できていない。
仮に、正統性を作るため神話が必要なら、始祖を卑弥呼とし、その前に神話を置けばよい。天照大神(神話)→卑弥呼(皇統の始まり)→神武天皇とすれば何も不都合はないはずだ。 |
神話の定義として、管理人は、超自然的な存在の神を中心として民族の古い記憶・教訓を伝えられた物語だと考えている。そうした神話が生まれ現代まで伝承した事実を尊重し、後世に伝える義務があると思う。
しかし、あくまでも神話である。神話は神話として理解するのが正しい在り方だと思う。
こうした管理人の主張には、安本説と同様な考えをしていた和辻哲郎の例を出して反論があるかもしれない。管理人が思うに、ビッグネームが常に正しいとは限らない。
さらに次の反論が予想される。(安本氏も同様な反論をされている)
“ホメロスの神話伝説で実在しないと思われていたトロイア遺跡は、シュリーマンに発掘されたではないか”
それを言うなら、トロイ戦争にはゼウスが関わっているが、シュリーマンはゼウスの正体を解き明かしたのだろうか。誰に比定できたのか。有形の遺跡を見つけたからといって、神は手つかずではないか。
(次回に続く)
注1
長文になるので、次回にまとめたい。
注2
天照大神とは別に、従来より「卑弥呼=神功皇后」説がある。これについても、次回で述べたい。
JUGEMテーマ:憲法改正
]]>2020.1.27
小林よしのり氏は、週刊スパ2020年1/14・1/21の合併号のゴーマニズム宣言(以下、小林漫画)で、福岡県糸原市の平原遺跡第1号墓を描きながら「卑弥呼こそ天照大神である」と主張した。
かつて、ブログ管理人(以下、管理人)は卑弥呼について次のように書いた。
古代史考
http://kenpoukaisei.jugem.jp/?eid=452
邪馬台国や卑弥呼が有っても無くても、日本のアイデンティティを損ねたり皇統の威厳を傷つけるものでないと思う。要するに古代史のオマケみたいなものだ
このぐらいの心構えで邪馬台国や卑弥呼を考えれば、どんな説であっても愉しめる。しかし、小林氏が「つまり、卑弥呼こそが天照大神なのである!!」(前掲73頁)と断じたことで、そうした思いは吹き飛ばされた。
小林氏の過去から、これは女系天皇の世論誘導と思われる。これを放置することは皇統断絶につながりかねない。そこで、管理人なりに小林漫画を批判することにした。
今回のエントリーでは、小林漫画で分かったことを伝えたい。それは、朝日新聞の狙いである。管理人のエントリーを振り返る。
古代史におけるNHK・朝日新聞の狙い
http://kenpoukaisei.jugem.jp/?eid=449
その狙いは、卑弥呼押しで煽って陵や皇族墓を発掘調査させたいのだ。もしくは陵墓に立ち入る制限を大幅にゆるめさせて、神聖な陵墓を“人民”の足で踏みつけさせたいのだ。
以前、新田均氏らに完全論破された小林氏であるが、実に懲りない男である。しかし、その懲りないお蔭で、朝日新聞の卑弥呼押しのもう一つの狙いが分かった。
朝日新聞は「陵墓荒らし」だけでなく、卑弥呼を押して女帝誕生の期待感を醸成させているのだ。卑弥呼を内政だけでなく外交もこなせた“輝く女性”の象徴としたいのだ。その暁には勿論、女系天皇だ。
管理人は皮肉を込めて、小林氏に感謝する。
(次回に続く)
JUGEMテーマ:憲法改正
]]>2020.1.21
ブログ管理人(以下、管理人)は、週刊スパ2020年1/14・1/21の合併号を購入した。倉山氏のコラム「言論ストロングスタイル」(30〜31頁)を読んでみた。
安倍内閣に人事を介入された検察庁が、内閣を潰したがっているそうだ。そういう考えもあるのかと読み流すと、次が出てくる。
では、安倍首相に代わる人物は、誰がいるだろうか。
(中略)
ただ、イデオロギー抜きで「茨の道を歩んでいる」という基準ならば、三人あげられる。馬淵澄夫、山本太郎、そして渡辺喜美である。いずれも大政党で生きる道を捨てて、苦しい道を歩んでいる。また、経済政策への識見も確かだ。
前掲書31頁
「この三人って冗談キツイな」と思いつつも、なぜこの三人なのか共通点を調べてみた。それは、消費税増税反対とすぐに判明した。
・馬淵澄夫
野田内閣の時、消費税増税に反対。
・山本太郎
消費税廃止。
・渡辺喜美
消費税増税凍結。
参考URL https://gen-ron.com/archives/1392
ここから、倉山氏の「経済政策の識見」とは消費税増税反対だと分かる。反対であれば誰でも良いのだ。もしも国会議員が倉山氏の薫陶を受けようとしたら、消費税増税絶対反対の政策に掲げればよい。総理候補にしてくれるはずだ。
なお、税金に関する管理人の考えは以下である。
http://kenpoukaisei.jugem.jp/?eid=411
管理人は、倉山氏が「7.防衛費増+公営社会保障削減せず+PB赤字でも構わない+増税反対」に該当すると思う。
蛇足ながら、馬淵澄夫氏に関する別の論稿も首をかしげる。「馬淵首相」が誕生すれば、皇室典範は改悪されるに決まっているではないか。馬淵氏は女性宮家賛成である。
https://nikkan-spa.jp/1616802/2
「馬淵首相」ならば、政権交代させても、何も問題ないのではないか? 少なくとも、経済政策は安倍内閣よりもマトモだ。皇室典範とて、「改悪阻止」くらいはできよう。既に安倍内閣で、「改正」などと高望みできないのだから。
JUGEMテーマ:憲法改正
]]>
2020.1.15
ブログ管理人は、稲垣吾郎氏のことをよく知らないので両論を併記した。なお、こうした両論があると、どちらかが正しいと思いがちだが、両論とも誤りの場合があるので慎重に検討すべきだ。
お前がすり寄ってるのがその大きなものだよ。自覚ないんかい? https://t.co/qmC5R6csiS
— 上念 司 (@smith796000) January 11, 2020
倉山満の砦
稲垣吾郎さんが言うから意味がある
https://office-kurayama.co.jp/?p=90129
もっとも、少しでもテレビの世界をかじったことがある人間なら、「司会としてでしょ」と第一感で思うけど、そういう理屈が通じない二流三流の人間も多いので、よくやったなあと思う。
(中略)
私はすべて知っている。
新しい地図の3人は、あえて茨の道を選んだので、芸能人としては相当に勇気があったと思うし、あの状況で吾郎ちゃんたちを支えたファンには感動すら覚える。
それにしても私は、世渡り上手を気取りながら、結局は権力者に尻尾を振る人間が大嫌いなようだ。
JUGEMテーマ:憲法改正
]]>2020.1.8
著者の森口朗(もりぐちあきら)氏は、元東京都職員で自治労の実態に詳しい。ブログ管理人(以下、管理人)は「自治労は極左が多い」という認識があったが、この著書で理解を深めることができた。
極左の“基盤”を晒したという点で痛快である。名著だ。
“個人独裁を正当化する主体思想”と”極左幹部はなぜ「主体思想」に魅入られるのか”(63頁〜67頁)において、極左幹部のメンタリティを分析している。
管理人が考えるに、拉致事件を知りながら主体思想を信じている者は人間ではないと思う。どうやら、そうした人間もどきが、自治労内には相当生息しているようだ。
それから、管理人は、この著書で日本維新の会が大阪で強い理由を改めて確認できた。公務員労働組合と対決し、成果を出しているからだ。(公務員労働組合のなかで、立憲民主党系が自治労。共産党系は自治労連。)
公務員労働組合の対決というone-issue(ワンイシュー)のみで、国政政党を維持できているのは感心する(注1)。その意味で、創設者の橋下徹は知恵者だと思う。
自民党もこれを学んで欲しい。公務員労働組合を徹底的に追及すれば(するだけで)、票は集まるのだ。国家社会主義的政策など不要なのだ。
さて、そんな名著であるが、経済に関してはリフレ派と同じレベルだ。残念の一言。
私は、自国通貨で国債が発行でき、ユーロ諸国のように通貨発行権が制約されている訳でもなく、その上、国債金利が0.1%に満たない日本国の財政破たん(原文ママ)などまったく心配していませんが...
森口朗『自治労の正体』扶桑社新書、2017年、154頁
森口氏も得意の分野で勝負されたほうがよいと思う。
注1
日本維新の会の政策には、少なからず小さな政府を志向する政策が掲げられている。しかし、鈴木宗男が所属していることから北方領土全島返還の意思を感じない。また、憲法改正に教育無償化を入れ込むという小さな政府とは相反する原案を掲げている。結局、one-issue(ワンイシュー)の政党なのだ。
JUGEMテーマ:自分が読んだ本
]]>2020.1.7
最近、ロシアの新兵器がやたらと目立つ。アイドルの新曲発表のように続いている。そこで、ブログ管理人(以下、管理人)の見解も加えて整理してみた。
最初に次の記事を読もう。村野将氏の寄稿で内容は濃い。
WEDGE Infinity
やっと発表、米「ミサイル防衛見直し(MDR)」を読み解く
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/15242?page=2
以下の報告も読んでおきたい。(誤りがあるが)
防衛省・自衛隊
https://www.mod.go.jp/j/approach/surround/index.html
我が国周辺におけるロシア軍の動向について
https://www.mod.go.jp/j/approach/surround/pdf/rus_d-act_a.pdf
管理人注 ※以下は防衛省の誤記と思われる。まず、カリブルは「艦艇発射型」「潜水艦発射型」「陸上発射型」があるはずだから、艦艇発射型と限定するのは誤り。また、SS-N-30は潜水艦発射弾道ミサイルで巡航ミサイルではない。それから「対艦型SS-N-27」の記述もおかしい。カリブルの中で、艦船発射型のNATOコードネームをSS-N-27というが、SS-N-27には対艦型だけでなく対地型もある。おそらく同報告を記述した担当者が混乱している。
※巡航ミサイル「カリブル」: 艦艇発射型の長距離巡航ミサイル。対地型SS-N-30の射程は1、500km(水上発射型)又は2、000km(潜水艦発射型)、対艦型SS-N-27の射程は 660km。シリアでの軍事作戦でロシア海軍艦艇からの攻撃に使用した実績がある。通常弾頭のほか、核弾頭も搭載可能と指摘される
1.超音速巡航ミサイル「P-800」
このミサイルを元に、ロシア・インド共同開発の超音速巡航ミサイル「ブラモス」が誕生した。ブラモスは、ロシアが推進システムを提供しインドが誘導システムを設計し、射程300?で艦船・航空機・潜水艦・地上移動発射台から発射できるミサイルだ。
つまり、インドが開発に加わっているので、カタログスペックに近い性能があると想定できる。通常、ロシアの兵器はカタログスペック通りの性能を発揮しない場合が多いと思われるが、ブラモスで実証されたP-800の“価値”は高い。
このミサイルから艦を守るには、基地や空母から早期警戒機を飛ばし発射母機(航空機や艦船)を少しでも早く発見することが肝心だ。迎撃や回避の遅れは許されない。早期警戒機が無い場合、このブラモスの餌食となるだろう。
現時点で米国に超音速巡航ミサイルは存在しない。そのため、米国も急いで極超音速巡航ミサイルを開発中だ。ラムジェット・スクラムジェットエンジンの技術は既にあるので、早期に完成するだろう。
なお、このP-800の地上発射型がバスチオンだ。バスチオンは2016年、北方領土の択捉島に配備された。
2.長距離地対空ミサイルシステム「S-400」
弾道ミサイルや航空機、巡航ミサイル迎撃のため設計されたシステム。既に中国に導入され、トルコは導入をめぐって米国と緊張関係になっている。高性能なのは間違いなさそう。しかし、米国のイージスシステムとTHAADとパトリオットPAC-3を足したぐらいの高い評価になっており、眉に唾を付けたくなる。そこまでの性能は無いと思う。
3.巡航ミサイル「カリブル」
輸出仕様(中国等向け)の3M54E1は迎撃可能だが、3M54Eは迎撃困難と言われる。改良型ステレグシチー級フリゲート等に配備とあるが、3M54Eが配備されればかなりの脅威になるだろう。
4.極超音速滑空ミサイル「アバンガルド」
マッハ20以上で滑空しながら飛翔し防空システムを突破するミサイルである。通常弾頭だけでなく核弾頭も搭載できる。なかなか凄い兵器であるが核兵器が相互の使えない現状において、通常弾頭では費用対効果が低いと思う。(大陸間弾道ミサイルに搭載する必要がある)
5.大陸間弾道ミサイル「RS28サルマト」
射程11万?。北極経由だけでなく南極経由でも攻撃できるのがミソ。極めて脅威なのだが、なにせ使えない武器である。使ったら米国からの核報復で自国(ロシア)も滅ぶ。
6.原子力推進巡航ミサイル「ブレヴェスニク」
管理人が考えるに、巡航ミサイルに収まるほど原子力発電を超小型化できるのであれば軍事用だけでなく民間の発電に使えるようになる。都市の近くで発電できるので効率性は高い。米中日欧等の各国は一斉に超小型原発の開発を始めるだろう。その結果、世界の石油・天然ガスの需要は減ることになるが、それは原油・天然ガス輸出で外貨を稼いでいるロシアに大打撃になるはずだ。
7.極超音速空対地ミサイル「キンジャール」
最初、この情報に接したとき管理人も騙された。冷静になってみれば、単なる空中発射型弾道ミサイル。弾道ミサイルなのでMD(ミサイル防衛)でほぼ迎撃できる。プーチンのブラフ。
8.極超音速巡航ミサイル「ツィルコン」
これは費用対効果が高いと思う。まだ情報が少ないが、管理人は本命だと予想している。射程900kmという話もあるが...
9.原子力推進核魚雷「ポセイドン」
管理人は無人水中ドローンに大いに注目していた。しかし、前述したとおり「使えない兵器」である。ロシアの構想ではこれに核兵器(しかも、コバルト爆弾らしい)を搭載する(注1)。ロシアもこんな兵器を開発する予算があるのなら、まず事故が起きない原子力潜水艦を作るべきだと思う。
10.レーザー兵器「ペレスウェート」
米海軍は2019年、レーザー兵器「ヘリオス」を発注済で戦力化は間近。ロシアが世界に先行しているとは思われない。
まとめ。
脅威となる兵器は、超音速巡航ミサイル「P-800」、長距離地対空ミサイルシステム「S-400」、巡航ミサイル「カリブル」。将来、大きな脅威となるのは極超音速巡航ミサイル「ツィルコン」だと思う。
それ以外は「使えない武器」、もしくはブラフ。
注1
むしろ核兵器を搭載しないで、軍港に停泊する艦船を狙うほうが脅威だと思う。また偵察用でも相当に役立つと思う。
JUGEMテーマ:憲法改正
2020.1.2
前回の批判57では、グレンコ・アンドリー氏(以下、グレンコ氏)を取り上げた。活躍すれば嫉妬する奴が出てくるのが世の常。出る杭は打たれる。そこで、グレンコ氏を批判している人を探してみたところ、早速見つかった。
篠原常一郎氏である。ペンネームの古是三春はロシア人から取っているとのこと。軍事評論家として活動しているらしいが、北方領土が不法占拠されているのに、こんなペンネームを使う時点で日本人の恥である。
そんな篠原氏が、グレンコ氏をスパイと名指しした。その経緯が倉山満氏のブログに書いてある。
倉山満の砦
篠原氏のグレンコ氏への「スパイ」認定について
動画を見たが、ロシアの軍服を着て出てくるような変なコスプレおやじだ。早々に関心は消え失せた。
暇つぶしを兼ねて久しぶりにコメント欄を覗いてみた。どうせ倉山氏に阿るコメントだらけかなと思ったら、実に秀逸なコメントがあった。
それ倉山先生が言う資格無いと思いますよ。白川はスパイだ!って言ってたじゃないですか。スパイ認定されたとかそんなつまらんことで謝罪要求する前に議論して白黒つけるべきでしょ。
前掲ブログのコメント欄より
寸鉄人を刺す。
このコメント主さんの見識に舌を巻く。ブログ管理人(以下、管理人)にもズシリと響く。今後は気を付けたい。
蛇足ながら、管理人は、こうした厳しいコメントも公開する倉山氏及びブログ運営者の姿勢を評価している。メディア戦略が優れていると思う。
JUGEMテーマ:憲法改正
]]>
2019.12.30
ブログ管理人(以下、管理人)は、かつてTV番組の中で織田信長に従う黒人に目がとまった。
名前は弥助。
調べてみると、弥助はイエズス会のアレッサンドロ・ヴァリニャーノ(以下、ヴァリニャーノ)から信長に献上された黒人だと知った。
これには義憤を感じた。
次の画像を見るだけでは単なる従者の可能性があるが、信長の権勢とイエズス会の関係及び当時の世界情勢から、信長のご機嫌を取るためにヴァリニャーノが“奴隷を贈呈”と考えるのが合理的で矛盾がない。ヴァリニャーノは宣教に関し、信長の庇護を求めたのだ。
出典 Wikipedia
当時の状況を鑑みれば、ヨーロッパ人が黒人を奴隷にすることは珍しくなかったはずだ。現代の倫理・道徳で数百年前の行為を一方的に裁くのは正当ではない。
しかし、イエズス会はキリスト教の宣教をしている。単なる一般人ではない。イエスの教えを説く宣教師が奴隷を引き連れるとは言語道断だ。しかも、自らの目的の為に他人に贈るとは悍ましい。人身売買という他ない。
これらを勘案すれば「ヴァリニャーノは偽善者」と断罪しても構わないはずだ。社会にはいろいろな偽善者がいるが、管理人は宗教家の偽善者ほど醜悪なものはないと考える。
これは、ヴァリニャーノ個人の問題だろうか。Wikipediaが正しければ、ヴァリニャーノはイエズス会の重要人物だ。こんな人物を重要な地位につけるイエズス会の体質の問題だ。だから、管理人はイエズス会を全く信用しなくなった。
ところで近頃、このイエズス会の嫌な記憶が蘇った。
それは、先頃来日した第266代ローマ教皇フランシスコによってだ。この教皇はイエズス会出身だ。
教皇フランシスコは、長崎で「核兵器は国家の安全保障の脅威から守ってくれるものではない」旨の演説を行った。
管理人がは次のように考える。日本の安全は米国の核の傘で守られている。もしも、これが無くなれば忽ちロシア・中国は日本を奪いにくるだろう。この現実を無視している。
ここで少し話は横にそれるが、昔をよく知る人から次の反論がきそうだ。
“保守層が大好きなヨハネ・パウロ二世(以下、パウロ二世)だって広島で核廃絶を訴えたじゃないか”
確かにそうである。
では、パウロ二世の演説と教皇フランシスコの演説を比べてみよう。
パウロ二世
カトリック中央協議会
広島で平和アピール
https://www.cbcj.catholic.jp/catholic/pope/johnpaulii/popeinjp/peace/
核兵器は力の均衡を保ち、恐怖の均衡を保つため、いたし方のないものだとする人もいます。しかし、戦争と核兵器の脅威にさらされながら、それを防ぐための、各国家の果たすべき役割、個々人の役割を考えないですますことは許されません。
教皇フランシスコ
カトリック中央協議会
教皇の日本司牧訪問 教皇のスピーチ 核兵器についてのメッセージ 長崎・爆心地公園 2019年11月24日
https://www.cbcj.catholic.jp/2019/11/24/19818/
国際的な平和と安定は、相互破壊への不安や壊滅の脅威を土台とした、どんな企てとも相いれないものです。むしろ、現在と未来のすべての人類家族が共有する相互尊重と奉仕への協力と連帯という、世界的な倫理によってのみ実現可能となります。
パウロ二世は、恐怖の均衡という現実のなかで、国家や個人がそれぞれ役割を果たすことを諭した。一方の教皇フランシスコは相互破壊という現実自体を全否定している。ここが、大きな違いだ。
だから、国防に関心がある方々から一斉に疑問の声が上がったのは当然のことだ。ひねくれ者の管理人などは「教皇フランシスコって九条の会の回し者かよ」と下衆の勘繰りをした。
ただし、こうした演説も、パウロ二世を意識するあまり踏み込み過ぎたと擁護する声が出るかもしれない。誰しも独自性を発揮したいとも思うし、功名心も名誉欲もあるだろう。
ところが、教皇フランシスコと中国の関係を考えてみると、そうした擁護は無益である。教皇フランシスコ就任前のバチカンと中国政府の対立の歴史を振り返ってみる。
WEDGE Infinityバチカンと台湾の国交断絶を目指す中国
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/14349
バチカンと台湾との国交の歴史的淵源は、バチカンが国共内戦に際し、共産党政権ではなく国民党政権と国交を結んだことにある。その後、国民党政権は台湾に亡命し、外国人神父・司教は中国本土から追放、多くの中国人神父は台湾に渡った。共産党政権側は1957年、共産党の監督下にある「愛国カトリック教会」を設立した。これに対し、時の法王ピウス12 世は、同協会の下で新司教を任命した司教は破門すると宣告し、中国のカトリック教徒(推定1000万人)は、国家公認の「愛国カトリック教会」とバチカンに忠実な「地下教会」に二分されている。
このように長年対立してきたのに関わらず、教皇フランシスコは対中関係改善に動いた。そして2018年9月22日、中国内の司教の任命に関して暫定合意に達し文書に署名した。さらに合意の一環として、中国政府によって任命された司教7人を承認した。
中国と言えば、チベット・ウィグルで「反・人道行為」を行っている。教皇フランシスコは、その中国と事実上手を結んだのである。この暫定合意は、中国の地下教会の存在を危うくする。中国に取り締まり(要は弾圧)の“免罪符”を与えたようなものだ。
それに、教皇フランシスコは、二人のパンチェン・ラマ11世を知らないのだろうか。パンチェン・ラマは、チベット仏教ゲルグ派でダライ・ラマに次ぐナンバー2だが、ひとりは1995年、ダライ・ラマによって認定された直後に中国政府によって事実上拉致され、今も安否不明だ。これは、地下教会の司祭・信者らに降りかかる過酷な運命を暗示している。
それでもパウロ二世も中国との関係改善を目指したことを以って、教皇フランシスコを擁護する声が出るかもしれない。
しかし、パウロ二世の元で、こうした合意もなかったはずだ。言うまでもないが、万が一、パウロ二世の元で、こうした合意がなされたのなら管理人は強く非難する。
以上、このような事実を俯瞰すれば、俄然教皇フランシスコとヴァリニャーノの類似性が鮮明となる。人道や道徳を棚に上げ、支配者・権力者に取り入るため媚びへつらい、その対価として宣教をやり易くする。その営為はそっくりだ。
ここにイエスの教えなどないと思う。あるのなら教えて欲しいものだ。
結論。
やはりイエズス会だ。昔も今も偽善者が際立つ。(全員偽善者とは言わないが)
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2019.12.27
ブログ管理人(以下、管理人)は今回、まず倉山満氏を称賛したい。それは、無名だったグレンコ・アンドリー氏(以下、グレンコ氏)を広く世間に知らしめた功績である。
グレンコ氏は、反プーチン・反ロシアだ。クリミア侵略を受けたウクライナ人だけあって、その侵略の矛先が日本に向くことを警告する。管理人はロシア贔屓の自称保守に辟易していたので、同氏の存在は希望の星にさえみえる。(同氏の精査はこれからだが、今のところ論考に誤謬はなさそうだ)
そのようなグレンコ氏を発掘した倉山氏はプロデューサー能力に長けていると思う。手腕に関して最高点を付けて良い。
さて、その倉山氏であるが、次をアップしている。
倉山満の砦
https://office-kurayama.co.jp/?p=77238
過去には時に色物も出てたけど、今のチャンネルくららは「学問の確実な実力があり、日本人に必要な教養を発信できる人」でなければ出れないので、そういう人は自薦他薦問わず、応募してきて欲しいと思う。
ただし、私は目利きには自信があって、厳しいけどね。
突っ込みどころ満載だが、今回は以下を問いたい。
前出のグレンコ氏とは真逆の、ロシア融和を唱えていた上念司氏をどう扱うのか。
JUGEMテーマ:憲法改正
]]>2019.12.26
倉山満氏は、ブログ『倉山満の砦』で「言い換え集」を書いている。
https://office-kurayama.co.jp/?p=4064
倉山氏曰く「私は現行の法律用語を使わない。皇室の伝統的用法を使う」とのこと。普段から倉山氏が伝統的用法を使っていたかどうかを、細かくチェックしてみた。
・退位⇒譲位
『国民が知らない 上皇の日本史』の帯や、商品の説明に譲位ではなく退位を使っている。本のセールスならOK?
・新天皇⇒新帝
新天皇が即位する前に、新元号を発表してしまう安倍政権の大問題/倉山満
新帝ではなく新天皇を使っている。
・即位⇒践祚
践祚ではなく即位を使っている。
・新天皇即位⇒新帝践祚
新帝践祚でなく「新天皇が即位」としている。
・即位式⇒即位
『日本一やさしい天皇の講座』91頁に即位式とある。即位ではなく即位式を使っている。
・女性天皇⇒女帝
「女性天皇」賛成派は愛子様に生涯独身で通していただくつもりか?【憲政史家・倉山満】
女帝を使っている。言行一致。
関連するが、以前、ブログ管理人(以下、管理人)は拙ブログの中で“「女帝」を使うべきでない”と問題提起したが、最近は歴史的に使われていた「女帝」にすべきだと考えている。この点については、管理人の早合点を深く反省し倉山氏に謝罪する。
http://kenpoukaisei.jugem.jp/?eid=384
(なお、女帝だけでなく「姫天皇」などもあるので、さらに調べたい)
・上皇后⇒皇太后(太后)
言行一致。
・皇嗣⇒東宮
言行一致。
以上だ。
ところで、『日本一やさしい天皇の講座』177頁で「上皇后」が新儀であることを気にするも、176頁で法案を『私は百点満点で百点をつけていい内容だと思います』と述べていたのは倉山氏本人である。
今になって、倉山氏が『「上皇后」だけは絶対に使わない』と力説しても、前掲書との整合性が取れていない。“百点をつけていい内容”ではなかったのか。
附記(2019.12.27)
当然、本の宣伝も論稿の見出しも「皇室の伝統的用法」を使わないとおかしい。そこだけ「現行の法律用語」でも良いって理屈はないと思う。
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2019.12.24
ブログ管理人(以下、管理人)も一人の国民として、どうしたら救出できるか改めて考えてみた。以下、知識がある方を対象に書いているので諒とされたい。
まず、「奪還チーム」構想について、管理人はこれに反対だ。以前は賛成だったが、最近これを変えた。理由は、拉致被害者の軟禁場所が不明だからだ。所在不明で救出できるはずがない。
仮に軟禁場所が特定できても、奪還チームは死地に赴く任務となる。チーム全員戦死の可能性もある。捕られたら破壊工作員として拷問され処刑される。
成功率が低いというか限りなく零。これで救出を命ずるのは戦前の特攻隊と変わらない。自衛隊員の志願者があったとしても、管理人は反対する。
それに加えて、被害者全員が同じ場所に軟禁されているとは思えない。こうした状況も奪還をより一層困難にする。(注1)
では、どうしたら良いのか。
管理人は、クラウゼヴィッツ『戦争論』を持ち出すまでもなく、外交は常に軍事力と不可分だと考える。すなわち、軍事的優位なくして外交の勝利も無い。
しかし今、日本は北朝鮮に対し軍事的優位には無い。通常兵器を比較すれば圧倒的に日本優位だが、北朝鮮は核兵器を所有しており、特殊部隊も強化されている。さらに、国境でつながる中ロが支援するから戦争継続は難しくない。だから、この情勢下、外交で拉致被害者を取り戻すことは極めて困難だ。(注2)
では、軍事的優位をどう構築すべきか。
まず核兵器という選択肢がある。しかし、核兵器を持つ米国であっても北朝鮮に翻弄され続けている。核兵器保有(ニュークリア・シェアリング含む)の存在意義は十分理解できるが、北朝鮮への効果は限定的だ。
金王朝の伝統は「自国民が何人死んでもかまわない」である。それは、1995年から深刻化した飢餓の対応で明らかだ。だから、核兵器では金正恩は白旗を上げない。仮に核で攻撃しても、要塞化された地下指令所に籠るだけだ。
では、別の選択肢はないのか。
一つの選択肢として、ステルス性能がある長距離巡航ミサイルを配備したい。JASSM-ERなどは900km超の長射程巡航ミサイルで、一定程度のステルス性がある。これは、ピンポイントで金正恩を狙えることを意味する。
加えて、ステルス戦闘機である。これは、たとえロシアの支援があっても、到底米国のF22・F35に追いつけない。日本のおいてもF35の配備が始まっているが、これを大量に追加購入し配備する。(ステルス爆撃機B-2も揃えたいが、米国は“虎の子”を売却しないだろう)
これで金正恩も自身への直接攻撃に怯えるはずだ。突如攻撃が始まるから逃げようがない。(金正日もF22に怯えて雲隠れしたとの噂もある)
ただし、これは冒頭の「奪還チーム」と同じ問題がある。金正恩の所在を把握しなければ、どこを攻撃すべきか分からない。
したがって、インテリジェンス強化が必要だ。これに大幅な予算を付けるべきだ。通信傍受だけでなく北朝鮮内にスパイ網を作る必要がある。拉致被害者の所在確認は困難を極めるが、金正恩の所在確認はそれよりも容易だと予想する。例えば軍の視察に行けば、その周辺の通信量が一気に増えるはずだから、そうした推定ができる。
インテリジェンス強化と、前述のJASSM-ER・F35を大量に配備して、正恩にプレッシャーを与え続ける。そして、正恩が音を上げてすり寄ってくるのを待つ。
勿論、これは高齢化する被害者家族には実にまどろこしい方法だろう。家族は一日千秋の思いで帰国を待ち望んでいる。拉致被害者も帰国を祈っているはずだ。しかし、今までとは明らかに違うアプローチとなる。試す価値はあると考える。(注3)
注1
拉致被害者を監督する高官がいるはずだが、その高官を特定しスパイにして全情報を握ることができたら少しは可能性が出てくるかもしれない。
注2
金正日が拉致を認めて少人数を返したのは、日本からの援助金欲しさ。金正日にしても、大きな国際的非難の的になるとは想像しなかったはずで、後に臍を噛んだはずだ。だから、後継者の金正恩は、その轍を踏まない。実際問題として、経済制裁の効果は薄いし、ましてや“良心”に訴えても、それが無駄であることは金正恩の振る舞いを見ていれば明らかだ。現状の外交手段では完全に暗礁に乗り上げている。
注3
蛇足ながら、こうした提案をすると左翼は論外としても、自称保守からも異論がでそうだ。予算がない、装備に金をかけ過ぎて他に皺寄せが出るなど。
それには、次のように反論したい。
・そもそも予算が少なすぎる。
・インテリジェンス強化とJASSM-ER・F35は、拉致被害者救出だけでなく核弾道ミサイルの抑止にもつながる。万が一発射したら、正恩個人への報復を明言しておけば発射命令は出しにくくなる。(保証はできないが)
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『空母いぶき』は、かわぐちかいじ氏の漫画が原作。だが、同氏の漫画は好みの作風ではないので読んだことはない。しかし、昨日、DVDレンタルの棚にずらりを陳列されているのを見て、つい借りてしまった。
視聴した感想を一言でいうと、バカ映画だ。
どう考えても変なシーンが多すぎるのだ。
まず、海保が国籍不明の武装漁民に攻撃され、負傷者が出てしまう。そして拿捕されたようだ。この状況下で海上警備行動が発令されているのに、誰も敵潜水艦を警戒していない。そのため、いきなり対艦ミサイルを撃ち込まれ、空母が損傷してしまう…
日本が世界に誇る対潜哨戒機P-1やP-3Cはどうしたんだ?
こんな待ち伏せ攻撃が実現可能なら、米軍の空母だって撃沈させられるぞ。
それから、コンビニ店主とアルバイト女性の謎シーンって何だ。
突っ込みどころが延々と続くが、バカのクライマックスは最後にやってくる。
空母いぶきと敵空母の間に、割って入って仲裁するように、米国・英国・フランス・ロシア・中国の潜水艦が突如国連軍として浮上してくる。この敵方の潜水艦―おそらく原子力潜水艦―を供与したのは誰なんじゃい。独立ばかりの小国(という設定)なのに、自国で原子力潜水艦を開発したんかい。
思わず下手な関西弁で罵倒したくなる。
このバカ映画は、おそらく映画史に残るだろう。せっかくなので、仲間を誘ってお酒を飲みながら鑑賞しよう。あまりの酷さに、逆に盛り上がるかもしれない。
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このエントリーにはブログ管理人(以下、管理人)の妄想が少なからず入っているから、妄想嫌いの方はスルーを推奨する。
香港では数年来、書店員が次々と姿を消した「香港銅鑼湾書店失踪事件」や、カナダ国籍の肖建華氏が行方不明になるなど怪しい事件が起きていた。
すべて中国が関わっているとみて間違いないだろう。
そうした背景もあって、2019年逃亡犯条例改正案に香港人は激しく反発した。そのデモは連日報道され国際的な関心が高まった。同年10月23日、香港港政府は同改正案を正式撤回したが、デモ逮捕者は1,000人にも及んでおり、とても収束したとは思えない。トランプ大統領は香港人権・民主主義法案に署名して中国を牽制するものの、中国にはメンツがかかっている。
こうなると、中国が取る手段は予想がつく。
まずは、世界最高水準と言われるAI監視技術を用いて、デモ参加者の特定だ。特定されたデモ参加者は、ある日突然連れ去られることになるだろう。恐怖をもって沈静化を図るのだ。そして、これにも屈しない場合、中国は工作員をデモ隊に潜入させデモを過激化させるだろう。
そして、その時こそ中国人民武装警察部隊が香港制圧にでるものと思われる。人民解放軍が出てくるかもしれない。
ここからは、管理人の提案である。
戦前の日本では、ユダヤ難民の移住計画があった。河豚計画だ。日独伊三国軍事同盟で残念ながら頓挫したが壮大な計画だった。(この計画が実現していたら、日米関係は少なからず変わっていたかもしれない。)
それに倣って、「河豚計画2020」である。
この際、香港脱出を考える香港人をすべて移民として日本に受け入れる計画だ。
BBCによれば、香港大学の調査において、18~29歳の回答者のうち自分を中国人と答えたのはたった3%。ほとんどは香港人と考えている。だから、移民受入を日本政府が正式表明したら、香港人数百万人(500万人くらい?)が日本に移住してくるだろう。
参照https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-48618554
この移民は、日本にとっては“旱天の慈雨”となる。
1.人口減少対策となる。
2.移民の若年層が生産年齢人口を増やす。
3.2018年EF英語能力指数では、インドと肩を並べる英語能力。当然ながら、中国語に堪能。
4.世界金融センターの“能力”が日本に移管される。
5.移民は反中国で、その多くは反共だろう。
移民を偽装する中国工作員が懸念されるが、それよりもメリットのほうが遥かに大きい。特に上記5は、その後の日本の進路に好影響を与えるだろう。
以上が、河豚計画2020だ。
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2019.11.24
先日、日本経済新聞(以下、日経)を読んで驚いた。とても為になる経済記事なのだ。皮肉だが、日経は経済記事が眉唾なことが多い。少し前になるが「ヘリコプターマネー」を大真面目に論じていて苦笑するほか無かった。
本題に戻して、先日の記事を引用する。
日本経済研究センターが産業関連表などから分析したところ、日本経済は円安による負の影響が大きくなっている。
(中略)
2015年は全産業の付加価値が0.9%押し下げられた。
(中略)
...消費者には円安がマイナスとの認識は薄い。だが企業の利益が圧迫されれば、賃金に響く。
2019年11月16日 日本経済新聞1面 チャートは語る 為替と日本経済 揺らぐ「円安歓迎論」 マイナス効果3倍に 輸出は連動弱く
過去の円高局面で輸出企業の生産拠点が海外に移っている。円安が必ずしも製造業の追い風にはならないことは、普通に考えれば分かる。
それとは別に、管理人は「自国通貨が暴落して国家が破綻状態になることはよくある。その逆に自国通貨が高くなって破綻するなんて聞いたことがない」と考えている。歴史から「通貨高・通貨安」を考えるもので、至極真っ当な論だと思う。
関連するが、円安を支持していた経済人や評論家を検索して、意外な人が出てきた。
藤巻健史氏である。
藤巻氏と言えば、財政政策・金融政策に関する警世ツイートで知られる。財政破綻を真剣に論じるだけでなく、頭の痛い国債無限論者に対し懇切丁寧に間違いを指摘するという人格者である。管理人もよくリツイートさせていただいた。
しかし、この円安支持はいただけない。しかも、東日本大震災で原発が止まるなかで、エネルギーを輸入しなければならない現状をまったく理解していない。ちなみに、この著書は2013年5月に発行されている。
Amazonの内容紹介より
1ドル=200円になれば日本の景気は回復する」(藤巻)
次のような警鐘も鳴らす。2014年12月の記事である。
https://diamond.jp/articles/-/62818
超円安、ハイパーインフレの到来近づく!
実質破綻状態の日本は、国債暴落が必至
――藤巻健史氏(参議院議員)
超円安はダメだが、多少の円安(1ドル=200円)なら良いとの理屈だろうか。だが、1ドル=200円は現在の為替レートから考えれば“暴落同然”だと思うが。
もやもやしながら読み続けると、これまた驚愕の発言が出てくる。
「日本が未来永劫に駄目なら、海外移住しかないが、それこそ1ドル=1000円の円安になれば、国際競争力を取り戻し日本経済は大回復する。」(前掲サイト)
ここからは想像だが、藤巻氏はご自身の成功体験から円安願望が根強く、冷静に精査していないと思う。1ドル=1000円の円安になればエネルギーや食料は、信じられないほど高騰するはずだ。国際競争力はいずれ取り戻すかもしれないが、それまでの間、国民の多くは地獄だろう。
藤巻氏は、仮想通貨税制にも取り組まれた。そうした点はもっと評価されていいと思う。ご自身の信頼度を高めるためにも、どうか一度、円安について再考を願うばかりだ。
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2019.11.21
渡瀬裕哉氏は、米国の政治動向に明るい。特に、共和党の内部事情について詳しい。ブログ管理人(以下、管理人)の考えと隔たりはあるが、敢えて批判をアップする必要性は無かった。
しかし先日、下記の動画を見つけ看過できなくなった。対談の相手は、あの幸福実現党の党首である。勿論、相手と論戦するため、わざと相手の土俵に乗ることは許されるだろう。ところが、この動画を見る限り、それは感じられない。
提灯持ちとまでは言わないが、この出演で同党のイメージアップに手を貸しているのだ。
言うまでないが、幸福実現党は大川隆法の「幸福の科学」と一体となった政党である。そして、大川は皇室の「霊言本」を出すという極めて不敬な行為をしている。それに加えて、歴史上の偉人や宗教開祖の「霊言本」を出版するなど“特殊”な男だ。
勿論、政策すべてを否定するつもりはない。しかし、繰り返すが幸福実現党である。決して同党の“宣伝”に協力してはいけないのだ。
動画の最後で渡瀬氏が語ったことを要約する。「幸福実現党は自由の信念を広めてもらえるので、一緒に広めたい」...
例えるなら、北方領土返還を謳った黒い街宣車に同乗して、「北方領土を返せ!」と拡声器でがなり立てているようなものだ。渡瀬氏は自分の行為が、いかに「保守」を傷つけるか、また国民から「保守」を遠ざけるかを考えないのだろうか。幸福実現党の“宣伝”に協力し、その一方で「保守」を傷つける。この動画は、二重に「筋悪」なのだ。
仮に管理人が渡瀬氏の代わりに同番組に出演するとしたら、次のように諄々と諭すだろう。
“まず大川隆法と完全に手を切ることが肝要です。それができますか。”
渡瀬裕哉(パシフィック・アライアンス総研所長)×釈量子
【未来対談vol.4】〜CPACで2時間演説!マスコミが報じないアメリカ経済絶好調の秘密〜
補足
「幸福の科学 渡瀬裕哉」で検索すると2011年からの付き合いと分かる。つまり昨日今日に始まったことではないようだ。
JUGEMテーマ:憲法改正
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当方の諸事情により、コメント承認が大幅に遅延する場合があります。コメントされたい方は、その点お含みおきください。(2〜3週間後になる場合もあります。)
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先日の参院選において、「投票する政党が無い」との慨嘆がTwitter上に溢れた。
が、仮に誰かが保守新党・自由新党を立ち上げても、選挙戦術が拙劣であれば議席確保は難しい。そこで、保守新党・自由新党が出来た場合の選挙公約を考えてみた。綺麗事ばかりでは選挙に勝てないので、選挙民からソッポを向かれない選挙公約を考えてみた。
『現在の公営社会保障を少しでも長く続けるために、厚生労働省の抜本改革と本当に必要な方だけに行き渡る政策の実現』
歯切れの悪くても、言質を取られないように腐心する。現在の福祉水準を守るとは言わず、切り下げるとも言わない。
次に、多くの国民が盲目的に喝采する霞が関叩きと、これまた具体的なことは何も言わない「抜本改革」。これは、煙幕のようなもので実際どうでもいい公約だ。
そして、社会保障の美名のもと、本来対象にならない人々まで税金が投入されている実態を改めて想起させる。
言うまでもないが、政策が実現できる状況になったら、公営社会保障予算を大幅削減する。当然、大多数の選挙民も“削減”の対象になるが、それに“罪”を感じてはいけない。そもそも、現在が異常すぎるのだ。
嘘つきと非難されたら、今やらないといずれ公営社会保障で国家が破綻すると反駁すればよい。実際問題として、その日は近い。
また、公営社会保障に限らないが、政策に「予算が許す範囲で」「〇〇削減と一体となって」等の文言をこっそり潜ませておく。こうでもしない限り、「小さな政府」実現は事実上不可能だろう。そして、最終的な政策目標は、制度そのものの廃止だ
以上、ブログ管理人が大真面目に考えた選挙戦術である。志ある方の参考になれば、幸いである。
]]>2019.6.22
ブログ管理人(以下、管理人)の本音を言えば、この著書の評判が高いので敢えて欠点を探すという魂胆があった。
しかし、評判が高い訳に納得した。著者の故木下道雄氏は廉潔の人で、それが随所に感じられるからだ(注1)。
その中でも、特に注目したのが「皇室の藩屏」の考察だ。管理人が189頁を次のとおり“意訳”してみた。
「身分に関わらず歴代天皇のために命を投げ出した者達こそ、真の藩屏である」
これには、大いに啓発された。
話は関連するが、明治憲法では第三十四条に「華族」が出てくる。だが、あくまでも貴族院の条文に過ぎず、華族が明確に規定されていなかった。そこで、拙ブログの憲法改正試案では、皇室の藩屏を主眼として第七章に「華族」を設けた。
だが、木下氏の考察を考慮すれば、改善の余地がありそうだ。
注1
言うまでもないが、廉潔であっても主張がすべて正しいとは思わない。読んでいて首を捻る箇所がいくつかあった。だが、暴露話で金儲けをしようとする卑しさがないので、心静かに読むことできる。
JUGEMテーマ:自分が読んだ本
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2019.5.20
続編は、天皇の退位等に関する皇室典範特例法(以下、特例法)の評価や前回エントリーの訂正なども加えて「最新版」の位置付けとなる。前回エントリー「皇族の正しい敬称」と併せてご覧いただきたい。
天皇陛下
・今上陛下も正しい。
・制度や憲法・法律において、陛下の敬称はつけない(注1)。
・歴代天皇と区別したり、昭和天皇などと並べて論じる場合「今上天皇」と表現することができる(注2)。
・天皇を歴史的存在かつ学問的に叙述する場合、敬称をつけないし敬語表現も必要ない。具体例として“昭和天皇は出かけた”と記しても構わない。
・崩御(ほうぎょ)された後は、敬称をつけない。昭和天皇陛下は誤り。
・諒闇践祚の場合、崩御された前の天皇を先帝陛下と呼ぶことができる。受禅践祚の場合、先の天皇陛下を先帝陛下と呼ぶことができる。御譲位されたので、5月1日以降、上皇陛下を先帝陛下とお呼びしても良い。
・実名敬避俗(注3)の観点から、敬称をつけても徳仁天皇陛下は不可。文脈によっては許される場合があるかもしれないが、極めて例外だと思う。
皇后陛下
・「陛下」の敬称が必須。皇后さま、雅子さまは誤り。
・「身位+敬称」が基本。
・ 実名敬避俗の観点から雅子皇后陛下という表現は不可。前述のとおり。
愛子内親王殿下
・宮内庁ウェブサイト(以下、宮内庁サイト)の表記は、愛子内親王殿下。しかし、実名敬避俗の観点から愛子内親王殿下という表現は避けたい。
・そのため、「御称号+敬称」である敬宮殿下が一番望ましいと考える。敬宮は御称号(注4)。
・その反面、現在は御称号を耳にする機会が非常に減ったので、遺憾ながら御称号を使うと日本人同士であっても会話が成立しづらい状況にある。かつて皇室報道において、浩宮(天皇陛下の御称号)・礼宮(秋篠宮殿下の御称号)・紀宮(黒田清子様の御称号)が使われていた時代に比べて隔世の感を禁じ得ない。そうした点から、愛子内親王殿下を使うこともやむを得ないと考える。
・文脈によっては愛子殿下も可。
・「愛子さま」は誤り。
上皇陛下
・歴史的には太政天皇が正しい。その略称である上皇も歴史を踏まえている。だが、正式な称号(注5)にして良かったのか判断が難しい。
・「陛下」の敬称が必須。上皇さまは誤り。
・「称号+敬称」が基本。
・実名敬避俗については前述のとおり。
上皇后陛下
・歴史的に「上皇后」の称号は無く、急ごしらえの造語である。太上天皇の后として皇太后、もしくは上皇の后として太后とすべきであった。しかし、上皇后陛下が公の場でこの称号に異を唱えない限り、ブログ管理人(以下、管理人)は上皇后陛下とお呼びしたいと思う(注6)。
・歴史的に正しいのは皇太后陛下、太后陛下。
・特別法上は、上皇后陛下。
・「陛下」の敬称が必須。上皇后さまは誤り。美智子さまも誤り。
・「称号+敬称」が基本。
・実名敬避俗については前述のとおり。
秋篠宮皇嗣殿下
・宮内庁サイト表記は、秋篠宮皇嗣殿下・皇嗣文仁親王殿下(注7)。
・実名敬避俗の観点から、秋篠宮皇嗣殿下。
・歴史的に正しいのは皇太弟殿下又は皇太子殿下と思われる(注8)。
・東宮殿下も正しい。
秋篠宮皇嗣妃殿下
・宮内庁サイトの表記は、秋篠宮皇嗣妃殿下・皇嗣妃紀子殿下。
・実名敬避俗の観点から、秋篠宮皇嗣妃殿下。
・文脈によっては紀子殿下も可。
・「殿下」の敬称が必須。「紀子さま」は誤り。
・紀子妃殿下は誤り(注9)。
・東宮妃殿下も正しい。
眞子内親王殿下
・「身位+敬称」をつけて眞子内親王殿下が正しい。
・文脈によっては眞子殿下でも可。「眞子さま」は誤り。
・秋篠宮眞子内親王殿下は不可。秋篠宮は、昭和天皇から文仁親王殿下に与えられた宮号であり名字ではない。
佳子内親王殿下
・「身位+敬称」をつけて佳子内親王殿下が正しい。
・文脈によっては佳子殿下でも可。「佳子さま」は誤り。
・前述のとおり、秋篠宮佳子内親王殿下は不可。
悠仁親王殿下
・皇室の伝統から秋篠若宮殿下が一番望ましい。
・他の宮家に若宮がいる場合、〇〇若宮殿下が複数存在することになる。現状、秋篠若宮殿下お一人なので混同がおこらず、若宮殿下でも可と思われる。
・実名敬避俗の観点からもお名前は直接お呼びすることはできる限り避けたい。しかし、秋篠若宮殿下や若宮殿下も認知度が低いため、悠仁親王殿下とお呼びすることもやむを得ないと考える。
・文脈によっては悠仁殿下でも可。「悠仁さま」は誤り。
・前述のとおり、秋篠宮悠仁親王殿下は不可。
彬子女王殿下
・「身位+敬称」である女王殿下が正しい。
・文脈によっては彬子殿下でも可。「彬子さま」は誤り。
以下、重要な点を箇条書きにしてみた。言うまでもないが、これは私見である。
1、これまで、見出しを「皇族の正しい敬称」としていたが、「天皇・皇族の正しい敬称」に変更した。理由は、天皇は特別な存在であり、天皇が皇族に含まれないからだ(但し、皇室に天皇は含まれる)。こうした点をより厳密にした。
2、内閣告示・宮内庁告示など使われる「公式」な表記があるが、実名敬避俗とは馴染まない面がある。報道では、この「公式」な表記を使う場合があるが、敬称を付けて報道する場合もある。
・「公式」 皇嗣文仁親王
・宮内庁サイトの表記 秋篠宮皇嗣殿下、皇嗣文仁親王殿下
・報道例 皇嗣文仁親王 (「公式」と同じにする)
・報道例 秋篠宮皇嗣殿下
・報道例 皇嗣文仁親王殿下
3、従来、拙ブログでは「雅子妃殿下」「紀子妃殿下」を正しいとしてきたが誤りと訂正する。
4、特別法を完全に無視して、歴史的に正しい身位・称号を使っても正しいと思うし、むしろ使うべきかもしれない。非常に悩ましい。
5、御譲位の式典に関して、宮内庁の無能ぶりが露呈した。歴史や伝統を軽んじており後世の歴史家から強い批判を浴びるだろう。そのため、宮内庁サイトからの引用を控えたかったが、これに代わるものが無いので心ならずも使っている。
以上から、今後、管理人が使う身位・称号・敬称を次にまとめてみた。前述のとおり、歴史的に正しい太上天皇、皇太后、太后、皇太弟、皇太子などを使われる方がいても、その方の見識を尊重する。
天皇陛下、皇后陛下、敬宮殿下、上皇陛下、上皇后陛下、秋篠宮皇嗣殿下、秋篠宮皇嗣妃殿下、眞子内親王殿下、佳子内親王殿下、秋篠若宮殿下、常陸宮殿下、常陸宮妃殿下、 三笠宮妃殿下、?仁親王妃殿下(注10)、彬子女王殿下、 瑶子女王殿下、高円宮妃殿下、承子女王殿下
その他
・皇族を「◯◯さま」とお呼びすることについて
前回エントリーでは『皇室典範で定められた「陛下」「殿下」という敬称を用い、決して「○○さま」を使わないことに尽きる』と述べた。これに変更はないが、次の例も覚えておきたい。
元侍従次長である故木下道雄氏は『新編 宮中見聞論―昭和天皇にお仕えして』(日本教文社)という著書を出している。昭和天皇をはじめ皇室の方々のエピソードと同氏の天皇観をまとめた名著だ。まえがきには、部落との関わりを書いていて、同氏の篤実さがよく分かる。
さて、このような木下氏であっても、著書で「皇后さま」「皇后様」が数度使われている。だから、天皇・皇族を「◯◯さま」とお呼びしても、それを杓子定規に「反皇室」と解してはいけない。冷静に“文脈”から判断すべきだと改めて感じた。
その意味で、昨今の大手メディア(TVや週刊誌など)の「◯◯さま」は、やはり“文脈”で不敬なのである。もし、木下氏のような尊王心が少しでもあれば、覗き見趣味的な報道はできないはずだ。
・Wikipediaでの見出しについて
上皇后陛下の見出しは、『上皇后美智子』となっていて強い違和感がある。これについては、Wikipedia内で議論が行われており、その中で皇統譜の記載例が示されている。念の為、宮内庁書陵部の所蔵資料目録・画像公開システム(URL https://shoryobu.kunaicho.go.jp/Kobunsho/Detail/4000500010000)で確認すると、明治天皇の皇統譜で「皇太后夙子」の記載が確認できる。したがって『上皇后美智子』のように「称号+名前」が直ちに不敬表現とは考えない。ただ、これが許されるのは、辞典の見出しぐらいであろう。
・宮家について
前回エントリーのとおり、天皇家とお呼びすることは誤りであり、皇室を使うべきだ。
しかし、ここで一つ素朴な疑問が出てきた。
それは、「宮家」を使っていいのかという疑問だ。皇室に本家・分家という概念は無いので、「宮家」も誤りではないだろうか。管理人なりに調べてみたが未だ分からない。精通されている方の教えを請いたい。
注1
天皇の退位等に関する皇室典範特例法(以下、特例法)第1条に「天皇陛下」が使われたのは、法律の条文としては何かしら違和感がある。この場合「今上天皇」のほうが適切だったのではないか。
注2
TVで知名度の高い政治学者・三浦瑠麗氏は、討論番組の中で今上陛下でも今上天皇でもなく、単に「今上」を使った。「今上」の言葉自体にも敬う意味があるらしい。しかし、上皇后陛下(当時、皇后陛下)は今上陛下とお呼びになられていた。だから、それに倣って、「今上」のみは避けるべきだと思う。
注3
歴史を顧みれば、高貴な方の名前を直接呼ぶことは避けられていた。これを実名敬避俗と言う。続編はこれを追求してみた。
注4
前回エントリーでは称号としていたが、公式には御称号とされるので、今後は御称号とする。御称号とは、皇子・皇女に与えられる幼称で、宮家の子女には与えられない。だから、、眞子内親王殿下、佳子内親王殿下、秋篠若宮殿下には御称号は無い。
注5
皇室での身分を表す用語として「身位」が用いられるが、上皇・上皇后両陛下に関して「称号」が使われているので、それに準じた。
注6
上皇后陛下(当時、皇后陛下)は「生前退位」が一斉に報じられた時、以下のお話をされた。
「新聞の一面に『生前退位』という大きな活字を見た時の衝撃は大きなものでした。それまで私は、歴史の書物の中でもこうした表現に接したことが一度もなかったので、一瞬驚きと共に痛みを覚えたのかもしれません。」
こうした上皇后陛下であるので、自らの称号が歴史に無い「上皇后」に大変驚かれ悩まれたことと拝察する。しかし、日本国憲法第四条に反する懸念から拒むことも叶わず、苦渋の御了承をされたのではないか。一連の流れから、そうしたことが想像されるのである。
管理人は、上皇后陛下の御判断を重んじると同時に、この称号を阻止できない自分の非力さをお詫びしながら「上皇后陛下」とお呼びすることにした。
注7
特別法を読む限り、皇嗣は新称号と解される。
注8
特別法で、秋篠宮殿下は皇嗣殿下と定まった。確かに旧皇室典範・新皇室典範共に「皇嗣」の用語があるので、一応明治以降の歴史を踏まえたとも言える。だが、それ以前を遡れば「皇太弟」又は「皇太子」が使われている。巷間取りざたされる噂の真相は分からないが、歴史を鑑みれば「皇太弟」「皇太子」を選択すべきであった。
注9
紀子妃殿下は、以下の理由から間違いである。
(1)「妃殿下」は男性皇族の配偶者に用いられるので、紀子妃殿下とした場合「紀子殿下の配偶者」となり、日本語として意味不明になる。
(2)皇室典範に「妃殿下」という敬称は無い。あるのは、陛下と殿下。
(3)身位・敬称で考えると次になる。
「皇太子妃+殿下」「親王妃+殿下」「秋篠宮(宮号当主)の妃+殿下」
以上から、拙ブログの前回エントリーで、雅子妃殿下・紀子妃殿下を正しいをしたことを訂正する。
(4)なぜ間違ったか。
平成22年2月5日付「皇太子妃殿下のご病状に関する東宮職医師団の見解」(宮内庁サイトに掲載されている)には、皇太子妃殿下と妃殿下が併用されている。「妃殿下」は皇室典範における敬称ではないが、ここでは敬意を表す最上級の呼称として使われている。また、「皇族の妃を敬っていう語」としている辞典もある。管理人が前回エントリーで、「雅子妃殿下」「紀子妃殿下」を正しいと判断した理由はこれらにある。
注10
2012年、薨去された?仁親王はいずれ三笠宮を継ぐものと思われていたので、宮号を賜っていない(つまり宮号が無い)。だから、必然的に?仁親王妃殿下となる。
2019.6.3追加
秋篠宮皇嗣同妃両殿下に、それぞれ東宮殿下・東宮妃殿下を追加した。前記「御称号」のように使われる機会は減ったが、歴史的に正しい。
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2019.4.8
前回に引き続き、水間氏批判である。
〇緊急拡散宜しく《国会でとうとう皇太子殿下より天皇の血が濃い男系男子を指摘した大塚耕平参議院議員は日本の救世主になった》
http://mizumajyoukou.blog57.fc2.com/blog-entry-3031.html
同氏ブログに貼られていた動画から、大塚耕平参議院議員の国会質問を観てみた。
しかし、何度見ても、大塚議員が「皇太子殿下より天皇の血が濃い男系男子」を指摘した発言は出てこない。安倍晋三の「戦後政治の総決算」に関し、旧宮家の皇籍復帰の意思について質問しただけである。
つまり、「血が濃い」発言は存在しないのだ。
これで、このエントリーのタイトルは如何なものだろうか。しかも、これで自著をアピールするのは理解に苦しむ行為だ。
今回の質問は、大塚議員が国民民主党(元民進党)の議員だけに何か裏があると疑ってかかるべきだと思う。だが、少なくても安倍晋三という最低男が皇籍復帰を考えていないことを白日の下に晒したことで、相当の価値がある。
水間氏の“はしゃぎぶり”は、肝心な論点を遠ざけるだけだ。
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2019.4.7
水間政憲氏の著書を初めて手にしたのは図書館であった。
水間氏の『朝日新聞が報道した「日韓併合」の真実 韓国が主張する「七奪」は日本の「七恩」だった 』(徳間書店、2010年)は、朝日新聞の戦前の記事を調べるという“破壊力抜群”の著書であった。
ブログ管理人(以下、管理人)はそのアイディアに思わず唸った。ただし、同氏を深追いすることは無くそれっきりになっていた。
ところで、先頃『倉山満の砦』に誰かを対象にした批判が書かれていたので調べてみた。結果、それは水間氏が対象と思われるので、この機会に水間氏のブログを読んでみた。
〇緊急拡散宜しく《国会でとうとう皇太子殿下より天皇の血が濃い男系男子を指摘した大塚耕平参議院議員は日本の救世主になった》
http://mizumajyoukou.blog57.fc2.com/blog-entry-3031.html
●超拡散宜しく《「女性宮家」を阻止する究極の方法は、悠仁親王殿下より天皇の血が濃い又従兄弟が五名いらっしゃることを国民に知らしめることです》
http://mizumajyoukou.blog57.fc2.com/blog-entry-3032.html
読んで頭を抱えてしまった。
旧宮家の皇籍復帰を主張する者がこれほど酷いと、反対する者を喜ばせるだけだ。水間氏は、次を知らないのであろうか。
直系の子孫在らさゞるときは、傍系より入りて大統を継ぎたまふといえども、すでに大統を継ぎたまへば、その直系の子孫はすなわち正系の皇胤なり。
(管理人注 読みやすくするため旧字は使っていない)
帝国学士院編『帝室制度史』第三巻、四九頁
大統(天皇位)を継げば、その子孫が正系となるので、血の濃さは関係ない。関連するが、皇籍復帰された宮家が、将来仮に大統を継ぐことがあれば、その子孫が正系となる。これまた血の濃さは関係ないのだ。これは、皇位継承の基本だ。
だが、ここまでなら、皇籍復帰を願うあまりの“勇み足”と擁護する声があるかもしれない。
そうした方でも、次には絶句するのではないだろうか。
●緊急拡散宜しく《菅官房長官が「女性宮家」推進を明言、保守派国民は総力を結集して阻止しなくては日本崩壊です》
http://mizumajyoukou.blog57.fc2.com/blog-entry-3028.html
皇統の伝統から「東宮」を廃止し、
「上皇后」などを造語してワガママ放題の「美智子皇后陛下」の横暴は
永田町界隈では常識になっていても、我が国のマスコミは知ってか知らずか、
見てみぬふりをしております。
どうやら、これが水間氏の本質のようだ。
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2019.4.5
以前、NHKの『歴史秘話ヒストリア』をよく観ていた。この番組は、新説(珍説?)を取り上げることも多く、ツッコミを考えながら観るとなかなか面白い番組だった。しかし、番組進行の女子アナが変わってから、なんとなく興味を失いすっかり観なくなっていた。
先日、過去のドキュメンタリー番組を観るため、NHKオンデマンドを利用した。それで、この『歴史秘話ヒストリア』の過去放送回が配信されていたので久しぶりに見ることにした。
そして驚いた。
平成31年2月27日放送「歴史ニュース2018 日本史新発見ランキング」の回であったが、第1位が『日本最大の墓 宮内庁と地元で初調査』で、番組最後のナレーションが次だ。
「大王のものとされる古墳は他にもあります。調査が進めば古代日本の本当の姿にもっと近づけるにちがいありません」
これは、もう公共電波を使った陵墓荒らしの扇動だ。
さらに、平成31年2月6日放送「まぼろしの王国 銅鐸から読み解くニッポンのあけぼの」では、卑弥呼の王宮として奈良県の纏向遺跡をほぼ比定する内容だ。
NHKがこうだから、朝日新聞(以下、朝日)も調べてみた。
朝日は卑弥呼を押している。「朝日新聞 卑弥呼」「朝日新聞 箸墓古墳」で検索しただけで次の情報が出てくる。
朝日新聞デジタル 2018年5月14日
卑弥呼の時代の?桃の種 年代測定、邪馬台国論争に一石
https://www.asahi.com/articles/ASL5B22KKL5BPTFC001.html
種は遺跡の中枢部とみられる大型建物跡(3世紀前半)の近くで出土したもので、大型建物の年代が自然科学の手法で初めて測定されたことになる。卑弥呼が君臨したとされる時代の可能性が高まった。
朝日新聞デジタル 2019年1月30日
奈良)「卑弥呼の墓」を間近で 箸墓古墳の周濠歩く
https://www.asahi.com/articles/ASM1X5VQ7M1XPOMB00N.html
卑弥呼の墓との説もある箸墓古墳(奈良県桜井市箸中)の周濠(しゅうごう)を歩き、古墳を見学できる「箸中ロマン古墳ウォーク」が3月3日に開かれる。
ここで、朝日の狙いに気づく。
NHKのナレーションが大きなヒントとなる。その狙いは、卑弥呼押しで煽って陵や皇族墓を発掘調査させたいのだ。もしくは陵墓に立ち入る制限を大幅にゆるめさせて、神聖な陵墓を“人民”の足で踏みつけさせたいのだ。
これが単に管理人の妄想だったらよいのだが、なにせNHKや朝日のやることである。このぐらい疑ってかかって丁度よいだろう。
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2019.4.4
最近、古代史についてエントリーすることが多いので、古代史に関するブログ管理人(以下、管理人)の見解についてまとめてみた。
1.古代史は文献5.5割・老古学4.5割
文献に若干比重をおく。この点は極めて感覚的なところだ。
2.魏志倭人伝はあくまでも参考資料
記紀を重視して、魏志倭人伝は参考資料の扱いとする。これが逆転しているような現状を憂う。邪馬台国論争は、この魏志倭人伝がいい加減だから生じている。それから、倭迹迹日百襲姫命は卑弥呼であった可能性があるが、卑弥呼を“主語”とするのは本末転倒だと思う。
3.建国について
九州の有力豪族だった神武天皇はより良き土地を求めて、有力な集団を伴い1〜2世紀頃に奈良市桜井市付近に移住した。そして地元有力豪族と連合関係を築きながら初代の天皇として即位した。この即位をもって建国であり「大和朝廷」が成立したと思う。なお、紀元前660年建国の可能性はゼロではないが、老古学上の画期的な発見に期待するしかない。
関連するが、管理人は皇紀を使わない。皇国史観一色であった昭和16年の書物が数冊手元にあるが、その奥付を見ても和暦である。悠久の歴史を語る際の“枕詞”なら理解できるが、日常的に皇紀を使っている人を見ると違和感を覚える。
4.大阪湾と繋がる大和川の水運を使い交易都市として発展した
ちなみに、奈良県は自然災害が少ない。火山噴火は無いし台風被害も少ない。津波の心配はゼロ。自然災害の少なさは外国であるが、スイスに似ている。
5.日本書紀から大市墓は倭迹々日百襲姫命の墓である。
大市墓はどう考えても倭迹々日百襲姫命の墓と思われる。むしろ、これを否定するほうが難しい。ところで、初期の大和朝廷は急速に強大化し3世紀中頃以降の巨大な前方後円墳群を作るまでになった。その始まりが大市墓(いわゆる箸墓古墳)で、桜井市と隣接する天理市所在の「景行天皇陵」「崇神天皇陵」「手白香皇女陵」などを見て回れば、それが実感できる。(ちなみに、日本書紀から倭迹々日百襲姫命は第7代孝霊天皇皇女である)
6.欠史八代にういて
管理人は神武天皇は実在し、続く八代の天皇もすべて実在したとする立場である。管理人は以前にも書いたが「姻戚関係は詳しく記述されている。この姻戚関係によって、皇室と有力豪族の連合体制が進んだと考えれば、それこそが重要な事蹟だ。」という認識にに立つ。
7.邪馬台国と卑弥呼
大和はかつて邪馬台国であった可能性があるし、倭迹々日百襲姫命が卑弥呼である可能性もある。また大市墓が卑弥呼の墓である可能性がある。
ただ、記紀には邪馬台国・卑弥呼の記述はない。また風土記等にもそうした記述がないようだ。だから、邪馬台国や卑弥呼が存在していない可能性もある。
邪馬台国や卑弥呼が有っても無くても、日本のアイデンティティを損ねたり皇統の威厳を傷つけるものでないと思う。要するに古代史のオマケみたいなものだ。
8.陵墓について
治定された陵や皇族墓を「学術調査」等の名目で発掘するのには賛同できない。特に、現状宮内庁は皇室を擁護していないので、宮内庁主導による発掘は断固反対。
しかし、以下の前提であれば、臣民がとやかくいう必要はない。なぜなら、ご先祖の墓を守るのは子孫の務めであるから、それは天皇や皇室であっても変わりはないと思うからだ。
・旧皇族会議を事実上復活。
・皇族会議で陵や皇族墓の長期整備計画を確認する。
・皇族会議の判断で発掘の可否を決める。
・その意思決定に際し、宮内庁は原則排除。
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2019.4.1
ブログ管理人(以下、管理人)は、それなりに本を読んでいる。大手メディアに嘘が多いことも認識し、美味しい話には必ず裏があるという社会常識も持っている。拙いながらも「保守主義」「自由主義」について考察している。だから、プロパガンダに騙されない自信があった。
しかし、その自信が揺らぐことが発生した。それは先日、Netflixのある番組を視たときに起こった。
その番組は、『なぜ我々は戦うのか:バトル・オブ・ロシア』(原題The Battle of Russia)である。
米軍のプロパガンダ映画で、米軍が当時連合国の一員であったソ連を称賛する内容だ。監督はフランク・キャプラ(以下、キャプラ)とアナトール・リトヴァク。
特に、キャプラと云えば、『或る夜の出来事』『素晴らしき哉、人生!』『スミス都へ行く』等を監督した当時ハリウッドを代表する巨匠。そのキャプラが共同監督しているだけあってぐいぐい惹き込まれる。地図やグラフは視覚的な効果を上げ、ロシアの音楽も巧みに使っている。(この地図やグラフの使い方は、当時のディズニー映画を参考にしたらしい)
観終わった時、管理人はすっかり“自由のために勇敢に戦う”ソ連のファンになりかけていた。
それはすぐに醒めたが、このプロパガンダはそれほど心を揺さぶった。プロパガンダも、ここまで完成度が高いとコロリと転ばされることを身をもって体験した。もし、本も読まず歴史も知らない無防備な人間であったなら、今もソ連ファンかもしれない。
さて、今はネットの時代に入っている。その伝播力は、映画に比べ物にならないほど早いはずだ。また、プロパガンダの手法もさらに洗練されているはずだ。
それを考えるとプロパガンダは本当に恐ろしい。
2019.4.1追記
本文から「ドキュメンタリー映画」という文言を削除し、「番組」に替えた。ドキュメンタリー映画とプロバガンダは別物なのに、管理人自らドキュメンタリー映画と混同している。あまりにも酷いミスなので深く反省したい。
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2019.3.30
今更であるが、自分の立ち位置を明確にするため、改めてトランプ、そしてヒラリー・クリントン(以下、ヒラリー)について考えてみた。
テーマは、ブログ管理人(以下、管理人)が仮に米国籍があり選挙権を有していたら、トランプに投票したか否かである。(注1)
結局、最後の最後まで悩んで白票を思いとどまり、トランプに一票を投じただろう。
その理由は次である。
(1)副大統領候補がマイク・ペンス。冷静で実務家タイプと思えるペンスが副大統領候補になったことは大きい。これが決め手。(注2)
(2)映画監督・俳優であるクリント・イーストウッドがトランプを積極的に支持しないまでもポリティカル・コレクトネスに否定的で、一貫して共和党を支持していたから。管理人個人として、これも大きな要因だ。(注3)
(3)ヒラリーは、自らの財団で外国企業から献金を受け、それが合法的であっても常に利益相反が疑われる。
よく知られているのは、クリントン財団が2013年、中国政府と関係を持つとされる中国系企業・日林実業集団から寄付金200万ドル(約2億4000万円)を得ていたと報じられたことだ。
ちなみに、スプラトリー諸島(南沙諸島)で中国が人工島建設を始めるのは、2014年。
トランプの親プーチンは極めて重大な欠点だが(注4)、ヒラリーのこの外国政府を巻き込んだ献金ビジネスはそれに勝るとも劣らない。拙ブログでいくつかを記録しておく。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは社説で、クリントン氏は国務長官就任時にも海外からの寄付を制限すると約束したが、アルジェリアから50万ドルを受け取るなど「誓約を破った」と批判。同財団は将来、娘のチェルシーさんが議員になる「選挙陣営として活動し続ける」と指摘した。
日本経済新聞 2016年8月28日 14版
ニューズウィーク 2016年9月1日
好調ヒラリーを襲う財団疑惑
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2016/09/post-5752_2.php
AP通信は国務長官就任以来2年間のヒラリーの公式日程を分析し、彼女が面会したアメリカや外国の政府関係者を除く民間人の半数以上がクリントン財団か、財団の国際プログラムに寄付をしていたと結論付けた。85人の寄付者が総額1億5600万ドルを寄付している(ヒラリーは、財団に総額1億7000万ドルを寄付した少なくとも16カ国の外国政府代表者とも会談しているが、この数字には含まれていない)。
(4)社会主義者のバーニー・サンダース(以下、サンダース)と対峙するどころか予備選を通じて、民主党と融和させてしまった。庇を貸して母屋を取られたようなものだ。(注5)
注1
米国の制度では選挙人を選ぶことになるが、制度の説明は割愛する。
注2
管理人は副大統領を大統領の“添え物”とは考えない。かつてはそうした面があったが、現代は複雑化し多様な政治的な要求がある。とても大統領一人では対応しきれないと思われるので、副大統領が“大統領代理人”として最大限に働くべきだと思う。
注3
管理人はトランプ当選の強い支援になったと考える。
注4
ただし、管理人はトランプによるINF全廃条約離脱を強く支持する。これは歴史に残る英断だ。親プーチンとこの離脱が両立できてしまう“異常さ”がトランプ流なのだろう。(非常に危ういが)
注5
Wikipediaが正しければ「民主党はサンダースを民主党上院議員執行部の「有権者対策(アウトリーチ、票田の拡大)委員長」に任命し、民主党執行役員の任を担うこととなった」とある。恐るべき事態である。蛇足だが、最近の米民主党はアレクサンドリア・オカシオ・コルテス議員を生み出したように、社会主義への傾斜が著しい。これも、サンダーズの残した禍根だと思う。
以上である。
なお、管理人はトランプをハマコー、ヒラリーを蓮舫になぞらえてきたが、それに変更はない。
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継体新王朝論に関連して調べてみると、王朝交替説の種類の多さに驚かされた。「万世一系」をなんとしてでも否定したい左翼系歴史学者達の執念を感じ薄ら寒くなる。
ところで、拙ブログでは先般「継体新王朝論について」をエントリーした。それを読み直して気づいたことがある。
それは、王朝交替説がいくつあっても、新王朝の定義が「男系で遡って皇統につながらない者による天皇位簒奪」であれば、すべての王朝交替説を論破できそうだ。
それは、新王朝説を主張する者に次を問えば良い。
“新王朝初代が男系で遡って皇統につながらないことを証明してください”
10世遡れとは言わない、5世くらい遡って血筋・家系を明らかにすればよい。だが、到底できるとは思えない。
唯一可能性があるとしたら、記紀の基本資料となった『帝紀』『旧辞』が奇跡的に発見され、記紀と内容が大きく相違する場合だろう。
以上である。
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2019.3.26
真面目に取り上げるべきかどうかで迷うところだが、一応ブログ管理人(以下、管理人)なりの見解をまとめておきたい。
1.Wikipediaの反論が実に分かりやすい
市井の歴史マニアと思われる皆さんが懇切丁寧に反論をされていて納得できる。
管理人は、記紀に壮大な騎馬戦闘シーンが出てこないのが変だと思うし、そもそも、これだけ八百万の神がいて神様だらけの日本であるのに、古代において馬が神格化されていない点に注目する。騎馬民族ならば、馬は身近で重要な存在であったはずなのに。
2.司馬遼太郎の影響が大きいと思われる
江上波夫が提唱したこの騎馬民族征服王朝説だが、どうしてこれほど広まったのか。
管理人には長らく謎だったが、今回調べてみて初めて司馬遼太郎の関わりを知った。歴史小説で抜群の知名度を誇る司馬が江上を評価していれば、周りは口を出しにくい。
ここで似た話を思い出した。それは、例の“耳が聞こえない作曲家”佐村河内守だ。あまり話題にならなかったが、佐村河内の楽曲に推薦文を寄せていたのは、作家の五木寛之だ。
音楽に詳しく作詞家でもある五木、そして今なお多くのファンを持つ五木が支持すれば、たぶん佐村河内が本物だろうと思ってしまう構図は、この江上と司馬の関係にそっくりだ。
以上である。
付け加えるなら、いつの日か“「邪馬台国」に馬の字があることこそ騎馬民族征服の証”のような面白説が出てくることを期待したい。
2019.3.28追記
Wikipediaについては、その記述が正しければという留保がつく。
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