2017.8.1

 

まずは、引用する。

第十二節「白河上皇」ー上皇が治天の君になる弊害

 藤原氏の暴虐も終わりの日が来ます。

 藤原道長など、三条天皇をいじめ殺しました。ついでに言うと、その様子を美化した作品が紫式部『源氏物語』です。

 

太字強調 管理人

倉山満『日本一やさしい天皇の講座』扶桑社、2017年、55頁

 

この太字で強調した箇所こそ、倉山流詭弁術の真骨頂と思われる。

 

まず、「治天の君」という、普段耳にしない言葉を放り込む。これで、読者は大脳皮質や海馬を総動員して、日本史の記憶を呼び起こすことになる。さらに、源氏物語の書評(しかも一般的ではない)で、前頭葉を混乱させる。

 

こうして、頭の痺れた人が、あっさり倉山の術中に嵌っていく。

 

しかし、冷静になって読み返してみると、すぐに不自然なことに気づく。

 

そもそも、藤原道長が三条天皇に譲位を迫ったり、譲位後の上皇や法皇の専横が問題なのだ。だから、問題の大元は譲位であり、「治天の君」は副次的なことだ。

 

前掲書において、倉山は終始一貫、譲位を“是”としている。そのため、譲位の問題を、「治天の君」の問題にすり替える。倉山は前掲55頁から62頁まで使って、「治天の君」批判を行っている。

 

これぞ、詭弁である。

 

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コメント
ちがうんじゃね?
これまで保守の重鎮と呼ばれていたK瀬とかW部とかが、譲位は否、摂政は可とかぬかすもんだから、皇室の先例に倣えば今上陛下のご希望は何の問題も無いことを指摘しているだけで、終始一貫、くららは(摂政に比して)是としているに過ぎない。また、治天の君の例は、摂政を置いたときに問題になることであり、すなわち、現皇太子が摂政につかれたとしても依然として皇室の長(治天の君)は今上陛下に他ならないと指摘しているだけ。
  • by 名無しさん
  • 2017/08/10 7:08 PM
倉山本を読んだ?

読んでいて、矛盾だらけの倉山を信じているのであれば、相当に痛いぞ。

読んでいないのなら、一度じっくり読むこと。
  • by マウス
  • 2017/08/11 6:31 AM
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