2016.9.16

 

皇室関連のTV出演も多く、広く名前を知られる所功は、女系容認派である。

 

画像は公益財団法人モラロジー研究所から引用

 

一口に女系容認派と言っても大きく分けて二つのグループがある。一つは小林よしのり/田中卓/高森明勅のように、過去に女系継承があったとする皇統史改竄グループ。もう一つは、所功のように、過去の男系継承を認めた上で今後は女系容認すべきというグループ。

 

その所功には、少なからず著書がある。中川八洋氏と比較して、二つの例を示す。

 

1.「継嗣令」の二行書きの註『女帝子亦同』について

中川八洋氏は、『女性天皇は皇室廃絶』(徳間書店、2006年、232頁〜234頁)で、「女(ひめみこ)も帝(天皇、すめらみこと)の子(こ)また同じ(に親王とせよ)」と解釈するのが正しく、701年には女帝という和製漢語はできていないと指摘して、この「継嗣令」の誤読を厳しく咎めている。

 

さらに、中川八洋氏は『小林よしのり「新天皇論」の過毒』(オークラ出版、2011年、60頁〜69頁)において、再度指摘した。

 

 

所功『日本の宮家と女性宮家』(新人物往来社、2012年、14頁)で、「継嗣令」に触れ、「女帝の子亦同じ」と解釈している。

 

2.淑子内親王の“中継ぎの女性当主”について

中川氏は、2012年6月25日発行の撃論第5号(オークラ出版)において、仁孝天皇の皇女・淑子内親王が「空主」になっていた桂宮家の第十二代当主になったことを、唯一例外の、“中継ぎの女性当主”としている。

 

淑子内親王は、明治天皇の第二皇子誕生を待ったが、第二皇子は誕生せず、ついに断絶となった。(宮家の当主は、天皇の皇子でなければならない)

 

こうした点を踏まえて、中川氏は「女性当主=女性宮家」をすり替えトリックとして、今谷明を厳しく批判している(91頁)。

 

 

所功は前掲44頁で、『とはいえ、これは皇族女子を迎えて当主とした女性宮家の実例である。』と述べている。

 

 

改めて、所功『日本の宮家と女性宮家』の奥付を確認すると、発行日は2012年9月25日。要するに、所功は、中川八洋氏の論考や批判に一切反論できていないのだ。

 

ところで、所は旧宮家を次のように蔑む。

しかも、これらの人々(旧宮家の未婚の男子)は一般国民として生まれ育ち、半数ちかくの成人男性が普通の世俗的な利害関係のある仕事に携わっているようである。

 

丸括弧内ブログ管理人

前掲54頁

 

しかし、次のような歴史がある。

 

弘計王(のちの顕宗天皇)と億計王(のちの仁賢天皇)は、大泊瀬幼武尊(のちの雄略天皇)を恐れ難を避けるため奴となって身を潜めた逸話がある。奴となって牛馬の飼育に携わったとされる。

 

これとは別に、臣籍降下した定省はのちに皇籍復帰を果たし第五九代宇多天皇となった。第六〇代醍醐天皇が生まれた時は、皇族ではなく臣籍であった。(註1参照)

 

所功は、こうした歴史的事実を無視して旧宮家を排撃するのだ。

 

以上から、こう結論付ける。

所功は容姿・話し方が学者然としているが、その実態は皇統史改竄グループと僅差である。皇統史改竄グループを「しんぶん赤旗」に例えると、所は「朝日新聞」である。

 

 

註1.所功監修『歴代天皇知れば知るほど』(実業之日本社、2014年)によれば、所功は皇統が「2000年間同一の血縁が続いている」として、第二三代顕宗天皇・第二四代仁賢天皇・第六〇代醍醐天皇を実在の天皇として認めている。

 

 

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コメント
管理人さま

お元気でご活躍のことと存じます。

さて、所功氏(以下、「所」とする)の著書『日本の宮家と女性宮家−女性宮家創設と皇位継承問題を解き明かす−』(このタイトルもまたグロテスクですが)は、『皇室典範と女性宮家』(勉誠出版)以上に過激な「反・皇室」の暴論にみちておりますね。

所は、皇室への憎悪をもはや隠すことすらやめたようです。所の本性は、次の一文

《私見の結論のみ申せば、まず現行「典範」第十二条を改正して、皇族女子が結婚後も皇室に留まれるように「女性宮家」の創立を認める(その子孫も当然皇族として宮家を継承する)。また第九条を改正して、継嗣のない宮家も続きうるように皇族間の「養子」を認める(女性宮家も当然該当する)。さらに第一条・第二条を改正して、「女性(母系)宮家」や「養子」相続の宮家に誕生する子孫も皇位継承の有資格者に加える(当分、男子優先とする)。以上の三点を提案しておきたい。》(三五〜三六頁)

に凝縮されております。


これまで所は、非・皇族を天皇位につけるという本音をあからさまにはしてこなかったように記憶していただけに、「とうとう本性をあかしたな」という思いとともに、所が本音を明かせるほど皇室をめぐる状況は危機的であるとの認識を深めたしだいです(8月8日に所や高森明勅がテレビ出演していたのを見たときは「ここまできてしまった」との慨嘆を深くしたものです)。


所は上掲部分において、現行の皇室典範を「第十二条→第九条→第一条・第二条」という段階を踏んで改悪し、皇室とその伝統を終焉させることを高らかに宣言しました。


所らが提案している「女性宮家」「養子」なるものは、皇位継承問題の正常な解決にはならないことは申し上げるまでもないことです。ようするに所の提言は、まともな日本人からみれば逆に「旧皇族の皇籍復帰」以外に皇位継承問題を解決できないという確信を深めるものとなっています。


まず第一に、女性宮家を創設しても、男系男子が増えるわけではないから、皇位継承問題の解決にはならない。

次に、皇族間の「養子」を認めるといっても、皇族に男系男子がいない現状では、その「養子」すら皇族女子以外にはいないから、同様に女性宮家は皇族女子が継承することになる。皇位継承問題の解決にはならない。

そして、「女性宮家」や「養子」は女性である以上、相続の宮家に男系男子の“子孫”は誕生しえない。


ですが、こうした“暴論”は(好ましくないにしても)市井のみにある状態では大したことではありません。

問題なのは「女性宮家や養子では、男系男子は一人も増えないではないか! お前たちは皇室伝統を破壊する気か!!」と”皇統断絶”派を一喝する正常な政治家も官僚も学者もメディア関係者も、今の日本に存在しないことでしょう(表舞台には出ていない・出さない・出てこられない)。


ますますのご活躍をお祈り申し上げます。
  • by 「文献目録」管理人
  • 2016/09/16 9:52 AM
「文献目録」管理人様

コメント有難うございます。

『日本の宮家と女性宮家−女性宮家創設と皇位継承問題を解き明かす−』は55頁も酷いですね。

・・・引用はじめ・・・
『そうであれば、これから創設する女性宮家は、皇室という“聖域”で生まれ育った皇族女子を当主とし、結婚して“俗界”から皇室に夫として入る適任の一般男子を皇族と認め、その間に生まれる子も孫も皇族として、その宮家を相続することができる“女性宮家”を公認することが、当然必要だと思われる。』
・・・引用おわり・・・

皇室と“俗界”を結びつけようとする考えで妖気さえ漂います。そのくせ、所は旧宮家の男性を「一般国民」として見下しています。


さらに、第6章は女系容認派の仲間である小田部雄次に寄稿させています。(340頁)

・・・引用はじめ・・・
『首相経験者で最初に臣籍降下を主張した東久邇宮稔彦は新宿で闇屋を開いたり、新興宗教に走ったりした。
良子皇后の実家である久邇宮家ではダンスホールを経営したり、化粧品をあつかったりした。なかには男女のスキャンダル事件を引き起こし、かつての宮家の品格を損なう皇族も現れたのであった。』
・・・引用おわり・・・

皇室を守るため臣籍降下し、厳しい戦後を生きた旧皇族を思いやる気持ちは一切なく、怨念すら感じます。この「非・人間性」こそ、女系容認派の本性ですね。
  • by マウス
  • 2016/09/16 6:10 PM
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