2016.8.21

 

2019年5月20日、天皇・皇族の正しい敬称 続編をアップしました。譲位関連や訂正もあるので、このエントリーと併せてご覧ください。

http://kenpoukaisei.jugem.jp/?eid=455

 

 

 

近々、不敬罪について記事にしたいが、その準備として皇族の正しい呼び方 敬称(2017.5.2修正)を整理してみた。

 

先に結論を言えば、皇室典範で定められた「陛下」「殿下」という敬称を用い、決して「○○さま」を使わないことに尽きる。これが要諦であるが、日本の報道機関はこれすら守らない。偽装保守(西尾幹二など)も、敬称を正しく使わない。

 

以下、ブログ管理人がまとめてみた。

 

 

天皇陛下
・今上陛下も正しい。
・制度としての天皇には敬称を付けない。例えば、憲法の条文。条文に敬称はつけられていない。
・歴代天皇を区別する場合、敬称をつけない。「明治天皇」「大正天皇」「昭和天皇」「今上天皇」となる。
・崩御(ほうぎょ)された後は、敬称をつけない。昭和天皇陛下とはならない。
・天皇陛下と区別するために、崩御された前の天皇を、先帝陛下と呼ぶことができる。例えば、昭和天皇を先帝陛下と呼ぶ。

 

なお、日本共産党は天皇陛下と呼ばず天皇と呼び捨て。理由は、天皇制度を認めておらず廃絶したいから。極左の機関紙などでは、天皇アキヒトなどと表記している。つまり、制度や歴代天皇を区別する場合を除いて、天皇陛下に陛下の敬称をつけない個人・団体は左翼・極左。また、天皇陛下と呼ぶ者であっても、尊崇の念が無い不逞の輩もいる。(民進党議員は天皇陛下と呼ぶが、日本共産党と選挙協力で共闘した。)

 


皇后陛下
・「陛下」の敬称が必須。「皇后さま」「美智子さま」は誤り。
・「身位(皇室の位のこと)+敬称」が基本。


皇太子殿下
・皇太子徳仁親王殿下も正しい。
・「殿下」の敬称が必須。「皇太子さま」は誤り。

 

皇太子妃雅子殿下
・皇太子妃殿下、雅子妃殿下も正しい。雅子殿下も可。
・「殿下」の敬称が必須。「雅子さま」は誤り。

・「雅子妃」を正しいと認識する人が多いが、「殿下」という敬称がついておらず誤りである。

 

敬宮愛子内親王殿下
・敬宮は称号。愛子内親王殿下でも正しい、
・「身位+敬称」である内親王殿下が望ましいが、愛子殿下でも可。「愛子さま」は誤り。

 

秋篠宮殿下
・秋篠宮文仁親王殿下も正しい。「秋篠宮さま」は誤り。

 

秋篠宮妃紀子殿下
・秋篠宮妃殿下、紀子妃殿下、文仁親王妃紀子殿下も正しい。紀子殿下も可。

・「殿下」の敬称が必須。「紀子さま」は誤り。

 

眞子内親王殿下
・「身位+敬称」である内親王殿下が望ましいが、眞子殿下でも可。「眞子さま」は誤り。

 

佳子内親王殿下
・「身位+敬称」である内親王殿下が望ましいが、佳子殿下でも可。「佳子さま」は誤り。

 

悠仁親王殿下

・お名前を直接口にするのは畏れ多いので、秋篠若宮殿下とするのも正しい。

・「身位+敬称」である親王殿下が望ましいが、悠仁殿下でも可。「悠仁さま」は誤り。

 

彬子女王殿下
・「身位+敬称」である女王殿下が望ましいが、彬子殿下でも可。「彬子さま」は誤り。

 

○その他の殿下については、別の機会にまとめたい。

 

報道機関が「○○さま」を用いる理由は、清水一郎・畠山和久監修『平成の皇室事典』(毎日新聞社、1995年)によると、親しみを表すための表現(103頁)らしい。これは“尊貴性”を溶解させるため、報道機関に巣食う左翼の戦術である。それと同様に、皇太子ご夫妻なる言葉も、世俗的な呼び方で不敬。皇太子同妃両殿下が正しい。

 

蛇足ながら、ブログ管理人はNHK受信料を支払っているが、仮に止める決断をした場合、これを理由にNHK側と闘ってみたい。

“NHKは皇室典範に反し正しい敬称が使われていない。”

 

ところで、左翼は、概して「天皇家」を使う。これは、皇室の“尊貴性”を傷つけるため、皇族の一般国民化が目的と考えられる。戦前「天皇家」という言葉は無く、戦後、左翼の歴史家が使い始めたらしい。そのため、必然性がない限り「皇室」を使うべきと考える。

 

 

2017.5.2修正

当記事の題名及び本文で使用した「呼び方」を敬称に修正。「呼び方」は、皇室を貶める不敬語「呼称」と近似しており、不適切と判断した。

 

参考URL

中川八洋掲示板

天皇制廃止に狂奔する“極左”民進党を、特例法審議から排除せよ──今上陛下のご譲位を先例にしないが皇統護持の絶対条件

http://nakagawayatsuhiro.hatenablog.com/entry/2017/05/01/173652

 

f:id:nakagawayatsuhiro:20170501170936p:plain

 

 

JUGEMテーマ:憲法改正

 

 

コメント
(承前)
該当部分を以下に抜き出してみました。


(1)「妃殿下」は男性皇族の配偶者に用いられるので、紀子妃殿下とした場合「紀子殿下の配偶者」となり、日本語として意味不明になる。



(2)皇室典範に「妃殿下」という敬称は無い。あるのは、陛下と殿下。



(3)身位・敬称で考えると次になる。
「皇太子妃+殿下」「親王妃+殿下」「秋篠宮(宮号当主)の妃+殿下」


以上から、拙ブログの前回エントリーで、雅子妃殿下・紀子妃殿下を正しいをしたことを訂正する。


(4)なぜ間違ったか。
平成22年2月5日付「皇太子妃殿下のご病状に関する東宮職医師団の見解」(宮内庁サイトに掲載されている)には、皇太子妃殿下と妃殿下が併用されている。「妃殿下」は皇室典範における敬称ではないが、ここでは敬意を表す最上級の呼称として使われている。また、「皇族の妃を敬っていう語」としている辞典もある。管理人が前回エントリーで、「雅子妃殿下」「紀子妃殿下」を正しいと判断した理由はこれらにある。
  • by マウス
  • 2019/09/15 4:20 PM
お寄せいただいたコメントの表示が遅れ大変失礼しました。

コメントに対して返答することを原則止めておりますが、以下は返答致します。

あさもよし様
ご指摘のとおり雅子妃殿下、紀子妃殿下は誤りと思います。このエントリーの冒頭に下記を追加しておりますが、追加のエントリーの中で誤りであること、なぜ誤ったか等について既に書いてありますのでご覧ください。


2019年5月20日、「天皇・皇族の正しい敬称 続編」をアップしました。譲位関連や訂正もあるので、このエントリーと併せてご覧ください。

http://kenpoukaisei.jugem.jp/?eid=455
  • by マウス
  • 2019/09/15 4:10 PM
by 芋田治虫 2019/09/07 2:10 PMさん


我が国に事実上の不敬罪があると言ってますが、そんなのあるんですか?たとえば??

伝統文化を破壊するべきと洗脳を受けている共産主義者が跋扈しているなかで、日本国の伝統でもある皇室の藩屏となる重要な不敬罪がきちんと整備されない状態で皇室の安泰は守れるのでしょうか?

巷に名誉棄損罪や恐喝罪があるなら、御皇室に対する名誉棄損や恐喝も罰されるべきではないか?と思いますが。
  • by shell
  • 2019/09/12 9:13 PM
最近(というか随分前から)マスメディアの皇室報道は「親しまれる皇室」という名のもとに、不敬な表記が多く、こういう記事があるのはありがたく思います。

ところで、雅子妃殿下、紀子妃殿下を正しいとされていますが、私は誤りではないかと。
雅子殿下、紀子殿下であって、妃殿下とされるのであれば皇太子妃殿下、秋篠宮妃殿下ではないかと。
  • by あさもよし
  • 2019/09/12 10:18 AM
https://youtu.be/Xwjg9jGcOuw
https://youtu.be/0-PHAszxmlY
https://youtu.be/o3qyYx4YzKQ
「ムッソリーニ万歳」
こういっただけで逮捕される国があったら、その国末期。
どういう体制で、どういう政策をしようが、その国の終わりは近い。
枢軸国のどの国よりもひどい。
事実上の不敬罪が、既に存在する我が国に無関係の話ではない。
  • by 芋田治虫
  • 2019/09/07 2:10 PM
私は、「天皇制度」を使っている。それは、中川八洋氏(以下、中川氏)が「天皇制度」を使っているので、それに倣った。

ただ、私が知る限り、中川氏が「天皇制度」を使う理由を述べられたことはない。もし、ご存知の方はぜひコメント欄に情報をお寄せいただきたい。

以下、私の見解を披瀝したい。

(1)天皇制
共産党による、天皇制廃止・天皇制打倒の文脈で使われる。論外。


(2)国体
戦前なら国体を使うのが普通であった。しかし、戦前であっても国体の解釈はいくつもあったようだ。また、だからといって解釈を統一することも危ない。

本来、国体には天皇(歴代天皇含む)だけでなく、国民(先祖含む)の存在も含まれているはず。ところが、皇国史観によって《国体=天皇》が主となり、国民の存在が著しく希薄になった。それが、生命軽視(玉砕や特攻など)の下地になったと考える。英霊は讃えるべきだが、命を軽視した“思想”を許してはならない。

以上、「国体」を使う場合、こうした説明が毎回必要となり、論議に向かないと思う。


(3)皇室
谷沢永一『「天皇制」という呼称を使うべきでない』(PHP研究所、2001年)で「天皇制」使用を批判し、伝統の「皇室」を提唱。

正論だと思う。

また、谷沢は「『日本国憲法』下に於ける天皇陛下は、制度に拠っているのでもなく、機構に属しているのでもない。」(前掲書、256頁)とも言っており、“制度”を否定している。

これに類する議論として、「天皇制」と「天皇制度」、どちらも「天皇システム」。だから、保守が「天皇制度」を使うことは自己撞着との批判もある。


(4)天皇制度
一般的に「皇室」は天皇・皇族の総称で使われる場合が多い。あくまでも私のブログ執筆経験上だが、「皇室」を使うと、仕組み・きまりを論じにくい。

それから、私は皇室典範を皇室に奉還すべきと考えている。皇室は皇室のものであるから、私ごときが「皇室」を使うことは慎重であるべきで、軽々に使ってはいけないと思う。

また、皇室は陛下・殿下の機微おわします聖域であり、論議に使ってよい言葉かどうか分からない。

比較例
(A)拙速な憲法改正は、皇室を根本から破壊する。
(B)拙速な憲法改正は、天皇制度を根本的から破壊する。

個人の感覚であるが(B)が適切だと思う。
 
私は過去、制度を論じるときは、「天皇(皇室)」を使っていたが、結局これを止め中川氏に倣い「天皇制度」とした。(もちろん、文脈上、問題がなければ「皇室」を使う。)


(5)皇室制度
竹田恒泰氏は「天皇制度」に少なからず違和感を覚え、「皇室制度」を使っている。

しかし、皇統廃絶を目指す園部逸夫が『皇室制度を考える』(中央公論新社、2007年)を上梓しており、園部が「皇室制度」が使う以上、安易に使うことは園部の権威を高めかねない。こうした事情もあって、私は使う気が起きない。


以上だが、結局、谷沢永一の主張を拝聴しつつも、「天皇制度」の選択となる。消去法だが、ここに落ち着いた。

なお、「天皇制」と「天皇制度」はどちらも「天皇システム」という批判に対しては、皇統廃絶の「天皇制」と、天皇弥栄を祈念する「天皇制度」では、根本的な前提がまったく違うと答えたい。前提が違えば、別物である。
  • by マウス
  • 2018/03/03 9:53 AM
「天皇制」とうい用語もどうなのでしょう?著しく不敬に感じます
戦前に「天皇制」などという用語を使用していた事があったか?あったのならおしえていただきたい
GHQや共産党をはじめとする連中が作りあげたに違いない
そして議論になると適切な言葉がないが為に愛国保守側とされる方も
「天皇制」という言葉を使ってしまうのだ。
知らず知らずのうちに使ってしまっては相手側の術中にはまってしまいかねない
右翼左翼という用語も現代の日本では当てはまらない
話題や議論になった場合は「『いわゆる』右翼左翼と」と使うべきである

そこで天皇制の呼称なのですがそもそも正しい呼称はないと思います。しかし類似させる呼称はある
誤り「天皇制」→正しくは「皇統」「國體」
誤り「天皇制固持」→正しくは「國體固持」

  • by 無名
  • 2018/03/01 11:49 AM
中川八洋氏の論考を読んで記事の題名等を修正した。修正理由は、末尾に記した。
  • by マウス
  • 2017/05/02 8:07 AM
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