2016.7.15

 

今上天皇退位の報道(宮内庁は否定)があるが、TVや新聞において、まともな解説は皆無である。TVキャスターは皇室典範すら読んでいないと思われる。

 

この訓蒙には、中川八洋氏の著書をおいてほかにない。

初心者には、やや難解であるが『悠仁天皇と皇室典範』(清流出版、2007年)は、正しい“法の支配”“立憲主義”も学ぶことができるので(前掲書第七章、八章)、必ず読むべきである。

 

 

 

また、関連して、富永望『昭和天皇退位論のゆくえ』(吉川弘文館、2014年)にも目を通したい。富永の論考にはほとんど同意しないが、戦後直後から澎湃としておきた各界の昭和天皇退位論が時系列でまとめてあり、資料的には役立つ。

 

天皇制度即時廃止をたくらむ日本共産党は論外としても、前掲書によれば退位論を述べた者は数多い。毎日新聞は、天皇制度に批判的な人物を中心に寄稿させた(前掲34頁)。また、天皇制度反対論を投書欄に掲載した朝日新聞は(前掲28頁)、昔も今も天皇制度廃絶を目論む勢力である。

 

こうした勢力による、天皇制度毀損の手口についても学んでおきたい。昭和33年、週刊新潮は天皇退位論の特集記事を組んでいる(前掲185頁)。

 

ちなみに、週刊文春は、花田紀凱が編集長時代、皇后陛下を失声症に追い込んだ“前科”があるから、この手の週刊誌報道(特に、皇室関連)は特別の注意を要する。

 

 

 

2016.7.16補足

中川八洋氏の論考を、コメント欄で引用した。「退位」とは、天皇制度廃絶につながる言葉である。

 

 

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