2014.4.21

現行憲法第1条は、「天皇の地位」の定めです。
第1条 天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。

この第1条は、大幅な修正が必要と考えます。
まず、「象徴」について考えてみます。

「象徴」は曖昧すぎるので憲法に相応しくないという批判があります。
そこで、憲法改正私案においては「元首」としました。しかし、一方では「元首」は世俗的という議論もあります。

また、天皇は、世界のどこの国の君主より長い伝統があります。したがって、ブログ管理人は単なる「元首」以上の特別な存在の意で「象徴」を使いたい気持ちもあります。さらに「象徴」+「元首」の両方を盛り込みたい考えもあります。
いずれにしても、君主の中の君主である天皇、これはこれで日本人としては誇らしいではありませんか。

しかし、後半部分の『この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。』は、当然削除すべきものです。
まず、主権の存する日本国民(=国民主権)は、恐ろしい概念であるので論外です。
国民の総意についても、左翼が悪用しかねないので、これも削除します。
(左翼は、国民の総意があれば天皇・皇室を廃止できると思っていますので)

では、そもそも「天皇の地位」は何に基づくものでしょうか。
それを最も適切に説明してあるのは、次の一文と思われます。少し長いが引用します。
 
そもそも明治憲法第1条で明らかのように、天皇の地位の正統性は、「二千年にわたる連続した男系の血統で継承された皇位の天皇である」という“歴史の連続性”の事実だけで依拠している。 ……しかも、皇位の正統性は、「国家統治の大権は朕が之を祖宗に承けて乙を子孫に伝ふる所なり」と憲法発布勅語に明言されているように、「天皇の祖先からの相続」に、その根拠を置いている。英国の、マグナ・カルタ(1215年)や権利章典(1689年)などの憲法的文書において、根幹的な思想となっている「相続の憲法原理」と同じである。
(下線ブログ管理人)
 中川八洋 『悠仁天皇と皇室典範』 清流出版

「天皇の地位」について、これ以上に明快な説明は他にありません。
「天皇の地位」は、“歴史の連続性”に依拠してる、これが正当性の根拠です。


さて、八月革命説で知られる宮澤俊義東大教授は、戦後GHQを怖れて、突如「反明治憲法」に転向した憲法学者として有名ですが、八月革命説を宣伝するために(=明治憲法を“悪の憲法”とし、「国民主権」を理想の憲法原理と錯覚させるために)、明治憲法における天皇の地位を歪曲し続けました。
神権主義、神勅主権主義、神意、神の御裔、現御神、天皇主権主義、天照大神の意思、皇祖皇宗の意思……、すべて明治憲法を貶めたい宮澤の妄言です。
宮澤は、学者として天皇の地位を論ずるより、自分の地位を守るほうに必死だったのでしょう。

なお、民族系の論客には、天皇の地位の正当性を説明するために、ことさら「天孫降臨の神勅」を持ち出す人がいます。これは、逆に宮澤八月革命説を横からアシストするようなものですから、自らを戒めて欲しいものです。
神話は民族の記憶として大切にすべきですが、神話と歴史は区別しなければなりません。


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