2019.11.24

 

先日、日本経済新聞(以下、日経)を読んで驚いた。とても為になる経済記事なのだ。皮肉だが、日経は経済記事が眉唾なことが多い。少し前になるが「ヘリコプターマネー」を大真面目に論じていて苦笑するほか無かった。

 

本題に戻して、先日の記事を引用する。

日本経済研究センターが産業関連表などから分析したところ、日本経済は円安による負の影響が大きくなっている。

(中略)

2015年は全産業の付加価値が0.9%押し下げられた。

(中略)

...消費者には円安がマイナスとの認識は薄い。だが企業の利益が圧迫されれば、賃金に響く。

 

2019年11月16日 日本経済新聞1面 チャートは語る 為替と日本経済 揺らぐ「円安歓迎論」 マイナス効果3倍に 輸出は連動弱く

 

過去の円高局面で輸出企業の生産拠点が海外に移っている。円安が必ずしも製造業の追い風にはならないことは、普通に考えれば分かる。

 

それとは別に、管理人は「自国通貨が暴落して国家が破綻状態になることはよくある。その逆に自国通貨が高くなって破綻するなんて聞いたことがない」と考えている。歴史から「通貨高・通貨安」を考えるもので、至極真っ当な論だと思う。

 

関連するが、円安を支持していた経済人や評論家を検索して、意外な人が出てきた。

 

藤巻健史氏である。

 

藤巻氏と言えば、財政政策・金融政策に関する警世ツイートで知られる。財政破綻を真剣に論じるだけでなく、頭の痛い国債無限論者に対し懇切丁寧に間違いを指摘するという人格者である。管理人もよくリツイートさせていただいた。

 

しかし、この円安支持はいただけない。しかも、東日本大震災で原発が止まるなかで、エネルギーを輸入しなければならない現状をまったく理解していない。ちなみに、この著書は2013年5月に発行されている。

 

 

Amazonの内容紹介より

1ドル=200円になれば日本の景気は回復する」(藤巻)

 

次のような警鐘も鳴らす。2014年12月の記事である。

 

https://diamond.jp/articles/-/62818

超円安、ハイパーインフレの到来近づく!
実質破綻状態の日本は、国債暴落が必至
――藤巻健史氏(参議院議員)

 

超円安はダメだが、多少の円安(1ドル=200円)なら良いとの理屈だろうか。だが、1ドル=200円は現在の為替レートから考えれば“暴落同然”だと思うが。

 

もやもやしながら読み続けると、これまた驚愕の発言が出てくる。

「日本が未来永劫に駄目なら、海外移住しかないが、それこそ1ドル=1000円の円安になれば、国際競争力を取り戻し日本経済は大回復する。」(前掲サイト)

 

ここからは想像だが、藤巻氏はご自身の成功体験から円安願望が根強く、冷静に精査していないと思う。1ドル=1000円の円安になればエネルギーや食料は、信じられないほど高騰するはずだ。国際競争力はいずれ取り戻すかもしれないが、それまでの間、国民の多くは地獄だろう。

 

藤巻氏は、仮想通貨税制にも取り組まれた。そうした点はもっと評価されていいと思う。ご自身の信頼度を高めるためにも、どうか一度、円安について再考を願うばかりだ。
 

JUGEMテーマ:憲法改正