2017.5.22

 

倉山満のブログを読むと、女性宮家に言及し、“先例がある”とする。

 

倉山満の砦 2017年5月17日

 

女性宮家の動きへの見解

https://office-kurayama.co.jp/20170517204023

 

では、女性宮家に関して、意見を述べておく。

問一 女性宮家創設は是か非か。

答一 是。先例があるので。
ただし、無理やり推進する必要はない。

 

 

しかし、歴史的にみて、女性宮家は存在しない。中川八洋氏の論考によれば、“男性宮家の中継ぎ女性当主”である。

 

倉山は、中川氏の論考に反駁できるだろうか。

 

第二節 “女系天皇禁止”規範が、女性宮家を禁止した


 「女性宮家ヒアリング」で、公然と真っ赤な嘘を述べた男がいる。共産党員に嘘つき以外は存在しないから別に驚くべきではないが、今谷明である。こう言った。


 「女性宮家は幕末以前にも例があり、決して不自然ではない」(注3)


 幕末以前に存在した親王宮家(男性宮家)は四つある。いや「四つしかない」という方が正確。伏見宮家、桂宮家、有栖川宮家、閑院宮家、の四つである。いったい、この男性宮家のどれが女性宮家なのか。コミュニスト今谷は、「男性宮家は、女性宮家だ」と嘯いている。今谷の頭では、男性は女性で、ジェンダー・フリーになっている。
  四男性宮家の中で、宮家の当主に女性皇族がつかれたことが、たった一例のみある。桂宮家である。桂宮家ついて概要を知れば、宮家とは何かがわかるので、“大嘘つき”今谷明を裁くついでに、少し説明しておこう。
  桂宮家は、第九代の公仁(きんひと)親王の逝去に伴い、事実上の断絶となった(一七七〇年)。しかし特例で新王妃の源寿子(ながこ)が、御家主御同様(当主相当)になり、天皇の第二皇子のご誕生があれば、この親王が宮家の第十代となることが定まった。しかし 寿子妃もまた一七八九年に没し、桂宮家は、最初の「空主」二十一年間をむかえる。
  一八一〇年、光格天皇の第五王子・盛仁(たけひと)親王が第十代となり、桂宮家を再興した。だが、翌一八一一年、盛仁親王が逝去され、 再び「空主」二四年間に入った。仁孝天皇の皇子が一八三五年に第十一代当主に就かれたが、三年後の一八三八年に逝去された。それから三度の「空主」が二七年間、ついに一八六二年に仁孝天皇の皇女・淑子(すみこ)内親王が第一二代の当主になられた。これが、日本の歴史上、四つの男性宮家における唯一例外の、“中継ぎの女性当主”である(注4)。
  “男性宮家の中継ぎ女性当主”である以上、女性宮家ではない、当たり前ではないか。だが、“赤い悪”今谷明は、ここから真っ赤な嘘を創作するのを思いついた。「女性当主=女性宮家」というすりかえトリックである。
  さて、淑子内親王は、ひたすら明治天皇の第二皇子のご誕生を待った。しかし、明治天皇は大正天皇お一人しか皇子をお生みにならず、淑子内親王も一八八一年に逝去される事態となった。明治天皇は、ついに桂宮家の断絶を決意された。
  新王宮家の一つ桂宮家のケースは、宮家の当主は、天皇の皇子でなければ、宮家再興ができないとの皇室の伝統・慣例=“法”を明らかにする。“法”とは、英国コーク卿がマグナ・カルタから理論化した“法の支配”をいい、「すべての法律は法の下位にあり、法の支配を受ける」との、英米法 コモンローの大原理をさす。
  一九四六年以降から現在にいたる宮家である高松宮家、秩父宮家、三笠宮家の当主すべて、大正天皇の皇子。常陸宮家の当主は昭和天皇の皇子、秋篠宮家の当主は今上天皇の皇子、高円宮家の当主は、三笠宮家初代の次子で大正天皇の皇孫。
  もし、これらの宮家を存続させるのであれば、必ず、天皇の皇子が当主で入ること。しかし、今上天皇には、皇太子および秋篠宮の両殿下以外には皇子はおられず、したがってすべて断絶させるほかない。だが、それでいいのである。なぜなら、これこそが皇室の伝統・慣習に従うことで、この絶対規範の遵守の方が重要だからだ。
  現在の宮家を断絶させず「養子をとればよい」などとは、法理上も、皇室には適用をしならない民法や一般庶民の慣習をもって、皇室の伝統を律するもので、皇室を庶民の家庭と同一化する、重大な不敬行為である。

 

中川八洋「女性宮家と養子は、皇統紊乱そして天皇制度廃滅―男性宮家のみの皇室二千年の叡智をなぜ破壊するのか」『撃論』、第五号、90頁〜91頁。

 

ブログ管理人付記。原文ママであるが、論考中に使われた逝去は、薨去が正しいと思う。

 

なお、冒頭のブログで、倉山は次のようにも述べている。

 

結論
御公務軽減の為に女性宮家を創設するなら理解はできるが(私は

気が進まないが)、皇位の安定継承と女性宮家は何の関係もない

し、関係させるべきではない。

 

ここで、重要なことは、倉山が「ご公務の軽減」と女性宮家創設を結びつけていること。これについても、中川氏の論考を引用する。

 

第五節 女性皇族は、天皇の公務を万が一にも代行できない―「女性宮家による公務の代行」論は、三百代言の大嘘

 

 「女性宮家の創設を急ぐ野田佳彦・総理の無知はひどい。なぜなら女性宮家が天皇陛下に課せられている過重な公務の軽減になると思い込んでいるからだ。新聞も、「両陛下の公務負担を減らす意味でも女性宮家の議論は必要」と,

野田首相が語ったと報じている(注10)。
 だが、女性宮家には、天皇の公務を軽減する働きは、まったくなく、ゼロである。理由は単純明快に議論の余地すらない。天皇の行なう、祭祀/国事行為/公務の三つにつき、その代行は次のように定まっており、女性宮家の出番は、一つとしてないからだ。

A 祭祀・・・皇太子すら代行できない。天皇の名代として掌典長のみ可。
B 国事行為・・・国事行為の代行は、憲法第四条による法律による委任か、憲法第五条が定める摂政のみ。
(中略)
C 公務・・・代行は、皇太子のみ可。

 

中川八洋「女性宮家と養子は、皇統紊乱そして天皇制度廃滅―男性宮家のみの皇室二千年の叡智をなぜ破壊するのか」『撃論』、第五号、97頁〜98頁。

 

 

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